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Relaxer - Coconut Grove (Avenue 66:AVE66-07)
Relaxer - Coconut Grove
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そのレーベル名が示す通り奇妙なアシッド・サウンドを試験するAcid Testの尖った個性は言うまでもないが、そのサブレーベルであるAvenue 66にもLowtecやTruxにJoey Anderson、そして最近ではJohn FruscianteのエレクトロニックなプロジェクトであるTrickfingerもカタログに名を連ねてきており、レフトフィールドな音楽性は親レーベルに全く引けを取っていない。そのような事もあり少なからずレーベルの作品には注目していたので、2019年10月にリリースされたRelaxerによる本アルバムにも手を出してみた次第である。この名義では2016年頃からリリースがあったので新人かと思いきや、NYで活動をするDaniel Martin-McCormickは過去にはハードコア・ノイズ・バンドのBlack Eyesに所属し、またはItal名義ではPlanet Muや100% Silkからもリリース歴のあるベテランのようだ。バンドを解散しエレクトロニックな路線に転換してからも完全にダンスフロア向けというよりはバンドらしい刺激的でパンキッシュな性質も残ってはいたものの、本作ではそんな残像をも掻き消すかのようにアナログやローファイといった要素が目立つディープなテクノへと染まりきり、Relaxerとしても新たなフェーズに入った事を告げている。歪な金属音がギクシャクとしたリズムを刻むような始まり方の"Serpent In The Garden"は、次第に4つ打ちへと移行し酩酊を誘うトランシーな上モノによって快楽の螺旋階段を上り詰めるようで、いきなりトリップ感のある出だしに魅了される。しかしダンスに振り切れる事はなく、続く"Fluorescence"はドローン的な重厚感あるシンセと快楽的なメロディーが液体の如くゆっくりと溶け合うアンビエント基調で、内なる深層へと潜っていくような瞑想を演出する。"Cold Green"はこのレーベルらしいアシッド×ローファイなハウスで、緩やかにうねる不安なアシッドが魔術のように精神へと作用し、終盤に向けて徐々に不気味さを増しながらずぶずぶと底無し沼へと誘う。"Born From The Beyond"のようにリズミカルで早いテンポの曲にしても、霞んだボーカルサンプルと不気味にうねる分厚いシンセがミステリアスな雰囲気を作り出していて、どの曲も開放的というよりは内省的で陽の当たらない深い地下世界のようだ。それ以降も、どんよりと暗雲立ち込める暗さながらも神秘的で美しいシンセが充満するディープなアンビエントの"Steeplechase"、粗雑なキックやドラムが突き刺さるような刺激的なグルーヴとなりエレクトロ感を生む"Breaking The Waves"と、リスニングとダンスを往来しながらも真夜中の夢の中を彷徨うディープな世界観で統一されており、Relaxerというアーティストの音楽性が新たに確立されているように思われる。



Check Relaxer
| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | - | |
Trux - Untitled (Office Recordings:OFFICE 13)
Trux - Untitled
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ディープな音響美学に定評のあるBaaz主宰のOffice Recordings、そのレーベルが今特にプッシュしているのが不明瞭ながらも情緒的なアンビエンスを奏でるTruxで、2016年に『Trux』(過去レビュー)で同レーベルからデビューして以降、今に至るまで蜜月の関係を築き上げている。霧に覆われたような不鮮明な音像と同様にそのアーティストの存在もミステリアスなままで今も尚Truxとは誰ぞや?という状態だが、例えば2nd EPである2018年発表の本作もアンタイトルとわざわざ付けている通りで、ミステリアスな存在感を敢えて敢えて演出する事で音楽性に惹き付けられるのだろう。基本的にアブストラクトな作風に大きな変化はないが、本作では特に吹雪に覆われたようなヒスノイズ混じりのドローンが一貫して鳴っており、それが特に不明瞭な世界観を強くしている。サーっ鳴り続ける柔らかなノイズの音像の中に不規則なリズムが鳴る"Just A Moment"、朧気ながらもほんのり暖かいパッドが浮かび上がってくると心地好いアンビエンスを発しながらも、抽象性の高い景色に行き先が全く読めない。"Leash"もチリチリしたノイズと幽玄なドローンがダビーな音響で鳴る事で奥深い空間演出にかっており、柔らかなノイズが吹き荒れながらも激しさよりは壮大で大らかなアンビエントに包まれる。特に印象的だったのは"Gold"で、ぼんやりとした不鮮明なシンセとゆっくりとしながらも牧歌的なブレイク・ビーツ風なリズムが合わさったこの曲は、90年代のアーティフィシャル・インテリジェンスのテクノかBoards Of Canadaを思わせるノスタルジーが蘇ってくる。しかし、そこから一転強く重いキックと切れのあるハイハットに目が覚める"Pulse"、ミステリアスなパッドの上を情緒的なシンセが舞い躍動感のあるブレイク・ビーツに揺さぶられる力強いダンストラックだ。またリミックスも2曲収録されており、ずぶずぶ深い音響とミステリアスな雰囲気を残しつつ4つ打ちに接近し心地好い浮遊感を生む"Pulse (Lowtec Remix)"、原曲からがらりと様相を変えてドローンが晴れつつメロディアスでのどかなダウンテンポ寄りへと作り変えた"Just A Moment (O$VMV$M Version)"と、これらも面白い作風ではあるがやはりTruxの原曲が強い印象を植え付ける。



Check "Trux"
| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | - | |
Trux - Eleven (Office Recordings:OFFICE 15)
Trux - Eleven
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BaazことBatian Volkerが主宰するベルリンのOffice Recordingsは、繊細かつ深遠なる音響に陰鬱な感情を込めたようなハウスとアンビエントのブレンドを行い、Baaz列びにChristopher RauやIron Curtisらがカタログに並ぶ通り享楽からは離れた慎ましいディープ・ハウスを手掛けている。そんなレーベルのミステリー、それが2016年に同レーベルからデビューしたTruxで、リスニングを主体としたメランコリーに染まるアンビエント寄りの作風で注目を集めて今ではOfficeの主軸アーティストと呼んでも差し支えない存在感を示しているが、本作で通算4枚目となった今でもその正体は不明なままである事が余計に興味を駆り立てる。音楽の方もアーティストと同様にミステリアスな空気を纏っており、ノイズにも似たようなドローンに覆われた中から叙情的なメロディーが薄っすらと浮かび上がる"Another World"からしてアブストラクトな音像があり、流体の如く抽象的な動きを見せて視界をぼかし続ける。続く"Behaviour"は小刻みで早いビートを刻んでいるがダンスのそれではなく、そこに陰鬱でダークなアナログシンセ的な温かいメロディーや奇怪な効果音を盛り込んで、不気味な高揚感を誘う。再びスローモーな"Earth Floor"では深い残響音を用いてそこにリバーブをかけたおどろおどろしい呟きも被せてどんよりしたアンビエントを展開し、"Sleeper"ではヒスノイズ混じりのドローンに柔らかく淡々とした4つ打ちも加わってサイケデリックなディープ・ハウスを聞かせる。またつんのめって踊れないリズムを刻み不協和音のようなコードを展開する"Give It Up"にはグリッチ風なエレクトロニカの要素もあり、全体としてはアンビエント性が強くとも時折牙を剥くように刺激的な瞬間がはっと目を覚まさせる。終始ローファイなぼやけた音像に濃霧の中で道を見失い迷ったしまったような錯覚を受けるディープなアンビエント作だが、仄かに温かみのある情緒も感じられすっと耳に馴染む心地好さもあり、微睡みに落ちていく。



Check Trux
| TECHNO14 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trux - Orbiter (Avenue 66:AVE66-04)
Trux - Orbiter
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その名の通りアシッド・サウンドに偏執的なこだわりを持つLAのレーベルであるAcid Test、その傘下で運営されるAvenue 66は同様にアブストラクトな音響を引き継ぎつつも更にエクスペリメンタル性を伴いながらディープへと潜っていく音楽性を軸にしている。そんなレーベルのミステリアス性と共振したのは2016年にBaazのOffice RecordingsからデビューしたTruxで、アーティストについての公開情報が何も無くミステリアスなアーティストとしてダンス・ミュージックの枠にはまる事なく、その匿名性をアピールするようにエレクトロニカやアンビエントにジャングルまで咀嚼しながら変異体な電子音響を聞かせる不思議な存在だ。そんなTruxによる初のアルバムはやはり過去の作品を踏襲し一般的な躍動するビート感のダンス・ミュージックは無く、以前にも増して曲毎に蒸気のように形を変えて不鮮明な音響で満たすディープかつアブストラクトな作品だ。オープニングはノイズにも似た不鮮明な音響が溢れ出す"With It"で始まるが、曲の途中からはっきりと明瞭な鍵盤の音が物悲しい旋律をなぞる変化を見せ、開始からして一筋縄ではいかない。続く"Orbiter"はダビーなシンセが空間の広がりを生みつつ変則的なキックも軽く刻まれて、あてもなく濃霧の中を彷徨うアブストラクト・アンビエントだ。そして再度ビートレスな"Blinko"ではぼんやりとしながらも幽玄な上モノが浮遊し、軽くハイハットやタムも聞こえてはいるがその抽象性の中で幻惑的な響きをし、終始もやもやと意味もなく不鮮明な鳴りのまま続く。比較的ダンス・ミュージックとしての体を成しているのは"My Row"だろうか、微細なハイハットが薄っすらとビートを刻んでいるが、そこに霧のような深く叙情的なドローンとぼんやりとした呟きを被せて、刺激を一切与える事なく揺蕩いながら空間の中に溶けていくディープ・アンビエントで不明瞭な世界観は変わらない。そして最後はフィールド・レコーディングの向こうにオルゴール風な悲哀なメロディーが浮かび上がるIDM風な"Agoma"で、終始深く不鮮明な電子音響が続くアルバムは最後にきてぐっと感傷を強めて、しかし決して荒ぶる事なく静けさを保ちながら霧散する。終始アブストラクトな音響に包まれたリスニング志向の強い音楽は、しかし一方で微睡みを誘うアンビエント性や淡い情緒によって心を落ち着かせ穏やかな気分へと至る鎮静作用があり、エクスペリメンタルではあるが決してとっつきにくいものでもないだろう。



Check Trux
| TECHNO14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trux - Trux (Office Recordings:OFFICE 07)
Trux - Trux
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ベルリンのOffice Recordingsはアナログ感のあるディープ・ハウスを手掛けるBaazが主宰するレーベルで、基本的にはBaaz自身の作品をリリースするためのレーベルとして機能している。そんな運営もあってレーベルとしては年に一枚か二枚かしか作品は出ないものの、逆に数が少ないからこそ一つ一つの作品の質は保証され、トレンドに組み入る事なくレーベル性を確立している。そしてリリースされた新作は今だその名も聞いた事のないTruxなるアーティストのミニアルバムで、ジャケットのUFOの写真もそんなミステリアスな存在を示唆しているのだが、音楽性も既存のOffice Recordingsから異なる方向へとチャレンジを果たしている。"Aziol"は鮮やかなシンセが上の方で遊びまわるビートレスな曲だが、それにも拘わらず躍動感に溢れているのはその旋律の動きがある故だろう。続く"Ada"は一転してもっさりとしたダウンテンポにマイナーコードを被せ、不鮮明なボイスサンプルも用いる事で物憂げな響きがある。かと思えば輝きを放つ優雅な上モノに荒削りなジャングル・ビートが炸裂する"Skarb"、雫のように滴る清楚なシンセと落ち着きのある4つ打ちが心地良いディープ・ハウスの"Werk"と、A面からしても半ば支離滅裂なまでに様々な作風が混在している。B面へと移ってもそれは変わらず、ぼかし過ぎたボイスサンプルが反復するアブストラクトとアンビエントの中庸にある"Pattern"、溜めのあるリズムと繊細でヒプノティックな上モノに酩酊する"End 1"と、全く作風に纏まりはない。しかし"Your Cradle"は今までのOffice Recordingsを踏襲しており、ほんのりと情緒を匂わせるパッド使いと緩くはあるものの硬いビートが刻まれたハウスで、しかしグリッチ的なノイズも散りばめ刺激的でもある。テクノやハウスのみならずジャングルやアンビエントにエレクトロニカまで、曲毎に試行錯誤的に取り組みつつもローファイな味付けで全体の統一感を出しており、アルバムの枠だからこその多方向性を試しているかのようだ。レーベル性から外れた方向を試している点で、何となくBaazの変名の気がしなくもないがどうなのだろうか。



Check "Trux"
| HOUSE12 | 15:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |