Radioactive Man - Luxury Sky Garden (Asking For Trouble:AFT001)
Radioactive Man - Luxury Sky Garden
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Andrew Weatherallとのエレクトロ・ユニットであるTwo Lone Swordsmenとして、またそれ以外にも大量の変名を用いてWeatherallのサポートを行ってきたKeith Tenniswood。そんな彼のソロ活動の場がRadioactive Manであるが、一般的な知名度で言えばWeatherallの影に隠れがちなTenniswoodではあるが、Radioactive Manの音楽を聞けばそれが間違いである事に直ぐに気付く事が出来る。今までに複数のアルバムをリリースしているが、パンキッシュなエレクトロからディープな音響、または鋭利なブレイク・ビーツやポップな感覚など、つまりはTwo Lone Swordsmenの多様性はRadioactive Manにも継承されており、Tenniswoodもやはりユニットの一員としての音楽的なセンスを担っていたのは言うまでもない。そして5年ぶりのアルバムであるが、これは歴代最高傑作と呼んでも間違いではない程に素晴らしい。スタイルで言えばテクノにエレクトロ、ブレイク・ビーツやインテリジェンス系にアシッドなど様々な面が見受けられるが、それらは纏めて全てエレクトロ・パンクと呼ぶべき刺々しいサウンドが痛快だ。アルバム冒頭の"Steve Chop"からして素晴らしく、ドラム・サンプルだろうか生々しいブレイク・ビーツと酩酊感あるアシッド・ベースがうねり、非常にライブ感あるファンキーで毒々しいレイヴ・サウンドに魅了される。と思いきやディープ・スペースな空間に掘り出される無重力エレクトロな"Deep Space Habitat"は、例えば真髄であるデトロイトのエレクトロを思わせるSFの世界観が広がっている。鋭利なリズムが切り込んでくるスタイルの刺々しいエレクトロの"Ism Schism"、コズミックな電子音が反復しながらも生ドラム風なリズムの響きが強調された"Bonnet Bee"など、やはり何処かロック・テイストなりパンキッシュな味があるのは彼の持ち味だろう。更にジューク/フットワークにも似て早いビートとゲットー的な悪っぽい雰囲気がある"Jommtones"、そんな小刻みなビートのジュークっぽさにデトロイト・テクノの叙情性が加わった"Serving Suggestion"など、多方向に枝分かれしながらもそこには一貫してベースとなるエレクトロが存在している。DrexciyaやUnderground Resistanceが根付かせたエレクトロを、同じ時期からUKに於いて今までやってきただけあり、その才能はやはり本物だ。刺々しく荒々しいリズムに自然と体が痺れてしまう。



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| TECHNO13 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Radioactive Man - Booby Trap (Rotters Golf Club:RGCCD009)
Radioactive Man-Booby Trap
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昨日に引き続きRadioactive Manの紹介。3rdアルバムが出たばっかりですが、まだ購入していないので2ndアルバムでもどうぞ。Two Lone Swordsmenの一員と言う事もあり当然エレクトロ節が聴けるものの、1stに比べるとどこか変態性が増していて遊び心も感じられる内容。1stなんかはどこまでも深海を進む潜水艦の様に暗いイメージが付きまとっておりましたが、2ndにおいては潜水艦が浮上して日の目を浴びた様な弾けた音です。エレクトロと言えばエレクトロなんだけど、リズムに多様性が生じていて腰に響く躍動感を感じられます。エレクトロつーかブレイクビーツと言った方が妥当かな。その分逆にディープな雰囲気は失われてしまい、1stの厳かで静謐な面影は殆どナッシング。壊れ気味で精神分裂症的なエレクトロが好きな人は、本作の方が合うかもしれません。

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| TECHNO6 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Radioactive Man - Radioactive Man (Rotters Golf Club:RGCCD001)
Radioactive Man-Radioactive Man
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テクノ、ハウス、エレクトロ、ダブ、ブレイクビーツ、ロック、パンク、ありとあらゆる音楽性を持っているAndrew Weatherallですが、近年の彼はロカビリーにはまっていて個人的にはイマイチで残念。ならばそこで頼るべきはTwo Lone SwordsmenでWeatherallとユニットを組んでいるKeith Tenniswoodのプロジェクト・Radioactive Manになります。何となくWeatherallの影に隠れている様に思われがちですが(事実自分も以前はそう認識してました)、このRadioactive Man名義の1stアルバムを聴いてからはその認識を改める様になりました。つかめちゃカッコいいテクノ、いやディープなエレクトロパンクで尖がりまくり。絞り込まれた強靭な肉体を見せ付けるが如く音数は少ないながらも強烈なエレクトロを披露し、びっしばっしと貧弱な体をしばきあげる様です。面白いのはそんなダークでパンキッシュな音の中にも、ドリーミーで夢うつつなメロディーも聴けたりして退廃的な色に染まりきらずにポップな空気も感じれる事。エレクトロ一色だと聴き通すのに体力が必要で結構しんどいのですが、Radioactive Manのエレクトロはアングラとポップが程よくブレンドされているので、僕の様なエレクトロが苦手な人でもすんなり聴けるんだと思います。最近のWeatherallに飽きている人は、是非ともRadioactive Manなんか如何でしょうか。

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| TECHNO6 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
John Digweed - Transitions Vol.4 (Renaissance:REN42CD)
John Digweed-Transitions Vol.4
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気が付けば毎年恒例のシリーズになっているプログレッシヴハウスの大御所・John DigweedのMIXCDシリーズ"Transitions"。シリーズ物と言うとどうしても耳が慣れてしまい飽きやすくなってしまうのですが、この4作目にしてシリーズ最高峰ではないかと感じられる気持ちの良い出来。既に音的にはテクノだとかプログレッシヴハウスだとか区別するのは意味の無い内容で、ジャンルの垣根が下がった事で新たなるファンの獲得に成功しているであろうDigweed。実際自分も以前はプログレを聴く機会は無かったのですが、ある程度テクノ寄りになったおかげで自分も聴く機会を得られているので、壁が低くなるのは良い効果もあるのです。曖昧・あやふやにぼかして成功している良い例でしょう。選曲に関しては大半は自分が知らないアーティストですが、序盤のユルユルとしたテンポの中にも重みを効かせ安定した流れから、ジワジワと壮大な流れに落とし込んでいくテックハウスやプログレが中心。透明感のある上物とギラついた上物、相反する音が入っていてワイルドでありながら上品な雰囲気も感じられる好内容です。

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| TECHNO6 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luke Slater - Fear And Loathing (React:REACTCD210)
Luke Slater-Fear And Loathing
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2月18日のエントリでLuke Slaterの話が出てきたので、久しぶりに彼の魅力が味わえる全盛期の頃のMIXCDを聴いてみました。とにかくLuke Slater、もしくは別名義のPlanetary Assault Systemsと言えばゴリゴリぶっ太くワイルドな音を聴けるハードな野郎と言うイメージがありまして、昔はまじで好きでした(ハード路線を逸脱した近年は好きじゃない)。オリジナル作品がそうでありますからDJプレイも例にも洩れずかなりハードで、男気なり根性なりを感じられるDJでした。2001年リリースである2枚組の本MIXCDもやはりハードな展開が貫かれ、気合いを注入したい時にはぴったりな内容であります。

まずは一枚目、Jeff Mills、Ben Sims、Player、Regis、James Ruskinなど今となってはなんだか懐かしささえ感じる一昔前のハードなお方達のトラックがずらり。スピード感、重量と共に一級品でとにかく一直線にガツンガツンなプレイが聴けるのですが、不思議と粗雑さは感じないですね。確かに音は荒々しいのですが、乱暴にミックスするのではなく丁寧にミックスしている様でワイルドな中にもまとまりがあります。トライバル、ミニマル、ハードテクノなどが渾然一体となり肉体をしばきあげる好内容ですね。

対して二枚目ですが、こちらはスピード感よりも重厚さ、そして深みを感じさせる意外な内容です。ハードテクノもミニマルも確かに使われているのですが、勢い一直線ではなくドスンドスンと揺れが生じる重みがあり横揺れ系のグルーヴィーな展開ですね。ぶりぶりベースなエレクトロも出てきたり、渋みの効いたファンキーな音も聴けて全く予想していなかった意外な内容ながらも、じっくり聴き込めるミックスです。一枚目の激ハードな音の後に、二枚目のちょい緩めの音が来ると良い感じでアフターケアになりますね。

しかし久しぶりにこの様なハードなテクノを聴くと、やっぱりハードテクノって痛快で格好良いと思います。なんで最近は全く人気が無いんでしょうね?

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| TECHNO5 | 07:30 | comments(7) | trackbacks(1) | |
BEST OF 2007
来たるべき大晦日が遂にやってきました。今年は特に年末年始は予定が無いので、今日はDynamite!!でも見ながら酒を飲みつつ年を越そうと思います。ちなみにロシアン皇帝VSチェ・ホンマンなんて、でくの坊のチェに勝ち目なんてねーだろ。何て言いながらチェが勝ったらどうしよう…。そう言えば今年は長年お世話になってきたシスコがクローズしたり、クラブ営業への圧力が一層高まったり、クラブミュージックがどんどんと良くない状況になっているのを感じました。元々一般人には馴染みのない世界、音楽なのに更に追いつめられてどうしようもない状況ですな。まぁ中には一般受けにヒットしてるアーティストもいるので、今後はよりアンダーグラウンドとオーバーグラウンドで境が出来ていくのでしょうか。とにかく真夜中のクラブ営業だけは、法を改善して問題を無くして欲しいですね。何で24時間営業の居酒屋で飲むのは合法で、クラブで夜中に踊るのは違法なんでしょうね?意味の無い法律は必要ありません。

無駄口が続きましたが、これから2007年のマイベスト作品を紹介致します。でも昨日掲載した売上ベストに出ている作品は敢えて外してあります。それらの作品でも自分の年間ベストに入っている物はありますが、折角なので今日はそれ以外を紹介したいと思います。ベタなチョイスではありますが参考にして頂ければ幸いです。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 17:00 | comments(4) | trackbacks(2) | |
ele-king presents Wildman's House (Ki/oon Records:KSC3913)
ele-king presents Wildman's House
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acid over the rainbowのびびんばさんがお勧めしていたので、気になって購入してみた一枚。びびんばさんは自分の手が届かない痒い所をさり気なく紹介してくれるナイスなセンスを持ったお方です。音楽以外にもお酒の紹介もしてくれていて、飽きないブログで大変お勧めなんで是非ご覧になって下さいね。

さてまずタイトルに注目。はい、"ele-king"ですよね、知ってる方はオタク。現リミックス編集長の野田努がかつて発行・編集していたテクノ雑誌です。アンダーグラウンドな音楽を率先して紹介していた雑誌で好きだったんだけど、やっぱりアングラは売上が延びないのか廃刊しちゃったんですよね、残念。その"ele-king"の野田努や中田久美子(テクノ好きな写真家兼翻訳家でいいのかな?)らが選曲を行ったこのMIXCDですが、彼らによるとディープハウスを集めたとの事。まあしかし色々なアーティストがざっくばらんに入っていて、フレンチハウスのMotorbassにカナダのNick Holder(Track Heads)、デトロイトハウスのMoodymanとAlton Miller、ロンドンのPhil Asher(Basic Soul)、スウェーデンテクノのJesper Dahlback、ラテンハウスのBasement Jaxx、そして日本から横田進と田中フミヤ(Karafuto)とひとえにディープハウスと言えども一つにはまとめられない幅広さがあります。ここでの野田努のディープハウスとは"音楽性に意識的であろうとするアンダーグラウンドなハウス"を指すらしいが、確かに一般的に見ればアンダーグラウンドな選曲でも堅苦しい音楽を聴かせる訳でもなく、意外とノリの良いハウスが多くハッピーな気分で受け入れられると思います。かといって享楽的にただ盛り上げるだけのMIXCDとも違い、統一されたエモーショナルな雰囲気が自然と存在していて、そうゆう意味で確かにディープハウスなんだなーと感じました。昔の野田努はセンスが良かったなと感慨深くなる一枚。

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| HOUSE3 | 19:50 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Two Lone Swordsmen - Stockwell Steppas ([Limited Edition] (Spiral Records:XQAW-1013)
Two Lone Swordsmen-Stockwell Steppas
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一年間をかけて12枚の名作を掘り起こした"Electric Soul Classics"も、遂に本作をもって静かにフィナーレを迎えます。12枚の内Two Lone Swordsmenは3枚含まれているので、やはり彼らも実力とは裏腹に今程一般的には売れていなかったのかなと考えられます。自分もTLSの96〜7年頃の作品は持っていなかったので、今回の再発シリーズには大変お世話になりました。さて近年は野暮ったいロカビリーに入り浸りのAndrew Weatherall先生ですが、TLSの初期はクラブ直結のアンダーグラウンドなディープハウスなのでかなりお勧めです。UKの地下、または裏街道を進んできた彼のダークなスピリッツ炸裂の暗く寒い音。光も射さなければ空気の密度も薄い閉ざされた世界の中で淡々とダビーな音が聞こえてくるのですが、いつの間にか闇の中に微かに光るソウルが浮かんできます。それはまるで闇の中で行く先も見えずどうしようもない絶望の淵から救われる様な安堵感。最初はとても希望なんか感じられない音だったのに、聴き終わった後には何故かほっと一息付ける様な暗く儚い作品です。暗いからこそ際立つ美しさをここに見つけました。

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| HOUSE3 | 15:45 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Andrew Weatherall - From the Bunker : A Rotters Golf Club Mix (Beat Records:BRC- 66)
Andrew Weatherall-From the Bunker : A Rotters Golf Club Mix
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かつて行われていたElectraglideと言う大型テクノイベントは、時折マニアックなアーティストを呼んでいたので大型イベントの割には意外と好感を持っていました。中でもAndrew Weatherallは初年度(Two Lone Swordsmen名義)と2002年とで2回も参加していて、これには企画者のセンスにほとほと頭を下げたくなります。本作はそのイベントへの来日記念盤としてリリースされまして、Weatherall主宰のレーベル・Rotters Golf Clubの音源をWeatherallがミックスした内容となっています。かつてはWeatherallと言うとダウンテンポからディープハウス、テクノなどを中心にUKの音楽シーンを上手くまとめた感もありましたが、Rotters Golf Club設立後は完全にエレクトロスタイルで固めていますね。昔からエレクトロにも精通はしていたのでしょうが、近年はより攻撃的でダークなパンクエレクトロをこれでもかとリリースしていて、当分はこの路線で行くのでしょう。このMIXCDを聴いても刺々しく肉体に鞭を振るわれる様にビシバシと刺激が伝わってきて、自然と肉体に力が隠り手を振り上げて踊りたくなります。どう聴いても体育会系の音と言うか汗を振り散らし、狂った様にフロアで肉体の鬩ぎ合いを試みるパンキッシュな刺激がたっぷり。Weatherallって意外にも肉体派なんですね…。でもエレクトロがそんなに好きじゃない僕でも、これはカッコ良いと思いました。肉体を鍛えてマッチョになろうぜ!ちなみに収録曲の大半は実はWeatherallと、その相方のKeith Tenniswoodの曲だと思われます。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Two Lone Swordsmen - The Fifth Mission (Return To The Flightpath Estate) [Limited Edition] (Spiral Records:XQAW-1004)
Two Lone Swordsmen-The Fifth Mission (Return To The Flightpath Estate)
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連日紹介している「Electric Soul Classics」シリーズ第二弾もコレで最後、名プロデューサー・Andrew Weatherallが舵を取るTwo Lone Swordsmenの1stアルバムが再発です。彼の音楽性の広さはプロデュースやリミックス作品を聴けば分かる通り、テクノからハウス、ダブやエレクトロ、そしてブレイクビーツやなんとパンクまで本当に幅が広いんですね。ただ一貫して根底にあるのはアンダーグラウンドスピリッツと言うべき物で、ドロドロと闇の奥底で蠢き黒光りするソウルがあります。どんなジャンルの音楽を手掛けたとしても常にどこか影のある憂いを秘め、安易でコマーシャルな世界からは離れた位置に距離を置いています。彼がそんな姿勢を失わない限りは、きっとこれからも僕は音楽に失望しなくて済みそうです。それはさておき本作は彼の作品の中でも、一番テクノと言う音楽に接近しています。テクノと言っても4つ打ちオンリーでも無く、ダブの音響とエレクトロの音質、そしてブレイクビーツのリズムを組み合わせたほんとにユニークなサウンドですね。踊れなくもないけれどネチネチとした世界観がある深い音は、家の中でじっくり聴き混むとずぶずぶと沈み込んで引き籠もれるので気持ちが良いです。救いの無い闇に囲まれていくようで決して幸福になれる音楽だとも思えないけれど、闇には闇の美しさがあると言うの身を以て教えてくれるんですね。(Drexciya+Aphex Twin)÷2みたいな狂気の大作2枚組なんで、しっかり体調を整えてから聴くべし。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Two Lone Swordsmen - Swimming Not Skimming [Limited Edition] (Spiral Records:WQAW-1003)
Two Lone Swordsmen-Swimming Not Skimming
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テクノだけに限らずクラブミュージックと言うのは、メジャーな音楽に比べるとどうしたって流通量が少ないからすぐに廃盤になってしまうよね。特に名作に限って廃盤なんて事も多かったりして、せっかくの素晴らしい音楽が世に広まらないのは残念だったりする。そんなファンの気持ちを汲み取ったのか90年代のクラシックを計12枚に渡ってリイシューするのが、「Electric Soul Classics」シリーズ。Two Lone Swordsmen、Larry Heard、As One、Ian O'Brien、The Detroit Escalator Companyらの廃盤を徐々に再発してゆくそうなので、皆様待ち遠しい事でしょう。しかも全て紙ジャケで限定発売なので、うっかり買い逃しなんて事は無いようにしたいものです。

でまず初めに紹介するのが、ロックとパンクとテクノとハウス、そしてダブやエレクトロまでも貪欲に結びつけたAndrew Weatherallが在籍するTwo Lone Swordsmenの2ND(ミニ)アルバムだ。最近の傾向だとエレクトロなダブからロック趣向のテクノに走っているのだが、この初期のアルバムはUKハウス好きこそ最も納得出来るディープハウスを演奏している。計11曲収録で前半5曲はリミックス曲、後半6曲はTLSのオリジナル曲。リミックス曲はヒップホップ調、ダウンテンポな感じでかなりしっとりしているが、その上何故かメランコリーな感傷に溢れている。僕の中でTLSは肉体的で重く硬く、いかにもテクノ的なガチガチのビートを攻撃的に奏でるユニットって言う認識はあったんだよね。でも初めて昔の作品を聴いてみたら、今と全然違うじゃん。こんなにもソウルフルな作品をAndrew Weatherallが作っていたなんて、全然予想だにしなかったなー。そして後半のオリジナル曲だ!これぞパーフェクト、期待を裏切らない4つ打ちディープハウスじゃないか。潜水艦に乗って真っ暗な海底を進んでいくかの様な、厳かなディープハウスだよ。透明感がありロマンチックなメロディーを奏でるシンセは、最近の彼らの作風には聴けないと思う。円熟味を増して色々な作風に手を出すより、なんかこうやって素直にクラブミュージックを作っている方が格好良いと僕は思う。最近の作品より踊れるから、単にそれだけで素晴らしいよ。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Famous When Dead (Playhouse:PLAYCD016)
Famous When Dead
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「Famous When Dead」って、死んだ後に有名になるって事?つまりはリアルタイムでは評価されないって事だよね?でもPlayhouseのそんなレーベルのコンセプトに逆らって、多くのクラバーから最大の評価を得てしまっているのは面白い所。まさか一般的とは程遠いPlayhouseの音が、ここまで市場で受けるなんてレーベル側も思っていなかったんじゃないかな。ドイツにテクノ帝国・Kompaktがあるならば、ハウス帝国を牛耳るのはPlayhouseと言う事にみんなも異論はないよね?Playhouseはドイツにおいて初期の頃はミニマルなディープハウスを作品を多くリリースしていたけれど、やはり注目を浴び始めたのはIsolee、Ricardo Villalobosらによる狂って変態的なハウスをリリースし始めた頃だったと思う。何がやばいって曲の流れとか展開とかよりも、音その物の恍惚感とでも言うのかしら。Kompaktがポップで透明感のある綺麗な音なのに対し、Playhouseは荒くてジャーマンプログレ的な音もあればドラッギーで中毒性の高い音もあるし、神経をえぐるような毒のあるサウンドだと思うんですね。これを快感と感じるか不快と感じるかは人によって分かれる位強烈な音であるし、ほんと一般的に受け入れられる音からは程遠いと思う。でも実際には、Playhouseはレーベル買い出来る素晴らしいレーベルとして認知されてしまってしまった。まあとにかくこのレーベルサンプラーを聴いてみなよ。既に4作目だけどディープなハウス作品に混じって、今作ではジャーマンプログレッシブロックを通過した様なクラブトラックが多く収録されているよ。どこか懐かしいサウンドでありながら、ただの過去の遺産を模倣しただけでない新たなるジャーマンディープハウスとでも言うべき流れだ。最近流行のディスコダブとも共通する重くうねるベースライン、ロッキンで生っぽい音が特徴だね。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Two Lone Swordsmen - Stay Down (Warp Records:WARPCD58)
Two Lone Swordsmen-Stay Down
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ロック、パンクとアシッドハウスムーブメントを結びつけた重要人物・Andrew Weatherall。Primal Screamとの絡みで有名になった彼は、その後トリップホップのブームに乗りSabres Of Paradiseを結成、メランコリックで妖艶なトリップホップ作品を作る事になる。が終焉は突然やってくるものでアルバムを2枚リリース後、ユニットは解散となる。しかしWeatherallの感性はますます研ぎ澄まされ、Drexciyaに負けじ劣らずのダークなエレクトロ、ダブ方面に移行したTwo Lone SwordsmenをKeith Tenniswoodと共に結成。当初の活動の中では、テクノともエレクトロとも判断しがたいエレクトロニックミュージックを試行錯誤で作っていた感があるが、この2NDアルバムにおいて自らのスタンスを完全に確立させた模様。永遠に光を浴びる事の無いダークなベースライン、決して浮かび上がる事のないダウナーなパーカッション、これらは一聴して希望も幸福も存在していないかに思われる。しかしよく聴いて欲しい、聞こえてこないか?心の奥底に沸いてくるディープなソウルが!アシッドハウスムーブメントの享楽の後に残ったのは、人の琴線を震わせるソウルだったのだ。だからダークなエレクトロであろうとも決して凶暴性に満ちた音楽なのでは無く、哀愁漂わせる深淵な旋律が闇の中に灯を灯すのだった。ここではテクノもエレクトロもダブも見事に調和を見せて、ここからWeatherallの第2章が始まると言っても過言では無い。パンクスだからこそ為し得た鋭利な音像と、ディープなソウルがここにある。

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| TECHNO3 | 21:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Sven Vath - In the Mix The Sound Of The Second Season (Cocoon Recordings:CORMIX003)
Sven Vath-In the Mix The Sound Of The Second Season
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今週末はSven VathがWombに来日するので楽しみなのですが、Svenに注目し始めたのはほんと2〜3年前位からだと思います。90年代のSvenと言うとEye QやHarthouseからモロにジャーマントランスな作品をリリースしていて、それはそれで質は高かったけれど僕はかなり敬遠気味でした。それが2000年代に入るとRicardo VillalobosやRichie Hawtinらと手を組みだし、DJプレイも割とテクノ中心になって来てそこから僕も関心を持ち始めた気がします。近年は自身のCocoon Recordingsの運営も成功し、更にはイビザ島でのパーティー「Cocoon Club」も数多くの著名なDJやアーティストを招致し毎年夏の時期には大盛況となっている様です。そんな「Cocoon Club」の雰囲気をまとめたCDが、人気シリーズとなっている「In the Mix」です。彼のDJは2台のターンテーブルとミキサーのみと言うシンプルな構成で、テクニックよりも選曲を前面に押し出したプレイが特徴です。まず「Noche」サイドですが、こちらは真夜中のパーティを意識したハードなプレイ。意外にもSurgeonやDJ Shufflemaster、Speedy Jなどの曲で疾走感のある硬いハードテクノ、中盤はブリブリのジャーマンアシッド、終盤はデトロイト系で爽やかに、手堅く聴きやすい選曲です。昔のSvenからは想像だに出来ないプレイですね(笑)。そして昼間のアフターアワーズを意識した「Dia」サイドはハウシーなテクノで、うっとりまったり宴の後の和んだ雰囲気です。こちらの方がメロディーを重視した曲が多く、Svenの危なげな妖艶さが上手く生かされていると思いました。昼と夜、対照的な2枚に仕上げたので存分に彼のプレイを楽しめる素晴らしいMIXCDですが、この作品も2001年作、近年のSvenのプレイとはまた違っていたりします。

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| TECHNO3 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Michael Mayer - Fabric 13 (Fabric:FABRIC25)
Michael Mayer-Fabric 13
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昨日紹介したMichael Mayerだが、今度はMIXCDの方もついでに紹介しよう。なんと名シリーズとなっているFabricシリーズに登場です。「Slam-Fabric 9」(←お薦め)や「Stacey Pullen-Fabric 14」(←これもお薦め)、「Doc Martin-Fabric 10」「Akufen-Fabric 17」等名だたるアーティストが参加しテクノ、ハウス問わず新しいファンを増やしているこのシリーズですが、特にMayerのこの盤も突出した出来になっています。

内容はブリブリアシッドやエレクトロディスコ、スカスカのクリックハウス、テクノといかにもKompaktの良い所総取りと言った感じのMIXです。それじゃあ昨日紹介した「Touch」と何が違うねん?って突っ込まれそうだけど、何か違うのですよ〜。それこそがやはりDJの力量と言う事に違いない。ゆるーいゆるーい展開で微妙に哀愁を帯びた選曲が、なんだか寒い夜長に酒をちょびちょび飲んでる僕をほっとさせる(実際は一人酒なんかしてないけど)。ここには希望や夢なんてちっともないけど、ほんの少しだけ暖まるものがある。分かりづらい説明だな…。しかしこうゆうプレイは日本ではまだまだ聴いた事が無いので、是非クラブで体験してみたい。とにかくKompaktやクリックハウスとかに興味がある人には、最適な作品だと言う事だ!Two Lone SwordsmenKaitoRicardo Villalobosって感じ・・・かもね。

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| TECHNO1 | 20:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Throbbing Gristle - Mutant TG (NovaMute:NoMu122CD)
Throbbing Gristle-Mutant TG
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Throbbing Gristleと言う昔のバンドのリミックスアルバム。バンドについては余り詳しくは知らないので、気になる人は→の検索先へどうぞ「Throbbing Gristle」。リミキサーは、Carl Craig、Two Lone Swordsmen、Carter Tutti(Throbbing Gristleのメンバー)等。結局Carl Craigのリミックスが聴きたかっただけなのだが、やっぱ彼は凄い。一時期生音重視の方面に行ってしまったので寂しかったのですが、ここ1、2年は初期と同じ様でも違うエレクトリック路線で素晴らしいリミックス作品を残してきました。そして今回のリミックスは音数をかなり絞ってタイトに仕上げ、鋭いシンセがテケテケリードしてゆくストイックな作品。近未来的な音像が浮かび上がってきます。Two Lone Swordsmenはと言うと、エレクトロ+ロックって感じで最近のエレクトロクラッシュ路線なのかな。あんまりエレクトロクラッシュは好きではないけれど、Two Lone Swordsmenのパンク精神溢れる荒々しいリミックスは好きです。あとRatcliffeって言う人もリミックスをしてて、曲は意外と良かったのだけど誰だか全く分からない。調べた所、Basement Jaxxのメンバーだと言う事。ポップで甘く仕立て上げられ、アルバムに華を添えています。他にもノイジーなリミックスもあったり、色々楽しめるリミックスアルバムです。

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| TECHNO1 | 21:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
DJ Wada - MIDNIGHTsnack The new interpretation of SOMA RECORDS (KSR:KCCD-155)
DJ Wada-MIDNIGHTsnack
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日本で最も信頼出来るDJ、それがDJ Wada。Co-Fusionとして活躍をして現在もManiac Loveで定期的にパーティーを行う精力的なアーティストです。DJingには定評のある彼ですが、長いキャリアにおいて初のMIXCDをSOMA RECORDS音源のみを利用して発表しました。発売前は音源を限定されていると言う事で一抹の不安を感じていましたが、実際聴いてみると特に違和感もないですね。レーベル買い出来るSOMAと言う事もあるのだろうけど、やはりDJ Wadaのセンスには頷くモノがあります。まずエレクトロで控えめに始まるのだけど、凛としたテクノ精神を感じますね。SOMAと言う事なのでテッキー系やストリングスが美しいトラックも挟み、中盤からは完璧SOMA流グルーヴィーなテクノの連発です。ボトムが効き、身を任せてしまうビート、そしてロマンティックさを兼ね備えた優秀なトラックには脱帽です。それらを違和感なく長めに繋いでゆくDJ Wadaも流石です。DJ Wadaファン、そしてFunk D'Void、Slamが好きな人にはお薦め出来ます。SOMA RECORDSのコンピも付いてきて、2枚組でございます。

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| TECHNO1 | 21:19 | comments(0) | trackbacks(1) | |
WARP Vision The Videos 1989-2004
Warp Vision 1989-2004
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WARPといえばイギリスの最重要テクノレーベルで、優秀なアーティストを多く輩出している。初期のブリープの流行の先駆けとなったLFO、Artificial IntelligenceシリーズとしてのPolygon Window(Aphex Twin)、Black Dog、Fuse(Richie Hawtin)、またAutechreやTwo Lone Swordsmenも擁し、そしてBoards Of Canadaもライセンスしたりする偉大なレーベルである。そのアーティストのプロモビデオを集めたのがこのDVDである。何と言ってもAphex Twinのビデオは音楽に負け時劣らず強烈で、とにかく見逃す事は出来ない。ユーモアと狂気を兼ね備えた迷作?である。Autechreのビデオも凄い。音楽とリズムをシンクロさせた動画で、フューチャリスティックな物体がノイジーに変化してゆく。個人的にはAphex Twinのビデオが見たかったので買っただけなのだが、他のビデオも充実しているのでWARPに思い入れがある人はきっと満足出来ると思う。WARPを知らない人は逆にこれを見て、お気に入りにアーティストを見つけられたら良いかな。
| TECHNO1 | 23:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |