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那須温泉 小林館 ~ 鹿の湯 ~ 滝の湯

那須湯本1

年末恒例、一年で心身に溜まった汚れを浄化すべく癒やしを求めて温泉旅行へと向かった先は、栃木は那須湯本へ。高原と言う事で動物園や牧場に富んでおり、また美術館やパン屋にペンションやホテルも多く観光には向いている地域ですが、それも那須湯本の手前まで。標高の高い奥の方に向かうに連れて人は減っていき、その代わりに硫化水素の匂いと共に現れるのは鄙びた温泉の町並み。舒明2年(西暦630年)に開湯したとされる名湯・鹿の湯に始まり、今でも古き良き温泉が湧き出るその地は湯治にも適した民宿も多く、温泉好きな人にとっては欠かせない場所だ。

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| FOOD,TRAVEL,HOT SPRING,ETC3 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Angelo Ioakimoglu - The Nireus Years (1995-1997) (Into The Light Records:ITL007)
Angelo Ioakimoglu - The Nireus Years (1995-1997)
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時代に埋もれてしまい過去には注目されなかったギリシャ音楽に焦点を当てるというコンセプトで運営されるInto The Light Recordsは、しかしバレアリックやニューエイジが再燃するこの流れに自然と合流し、今になって日の目を見るように過去の音楽を現在のシーンに共存させる審美眼を持っている。本作もアテネのアーティストであるAngelo Ioakimogluが1995〜1997年に、しかも何とそれは彼が14〜16歳の時に録音したとされる内容で、これが単に若かりしアーティストが作ったという目新しさ以上に何故今まで未発表だったのかも不思議な程に素晴らしいバレアリック/アンビエントな音楽なのだ。それも敢えて何か大きな枠に当てはめれば前述のジャンルになる位で、ジャズからドラムン・ベースにR&Bやダウンテンポなど断片的に様々な要素がアルバムの中に同居しており、若さが故に色々とチャンレジしたようにも思われる。清々しい日の出を望むような、それはタイトル通りに宗教的なスピリチュアルさもある"Easter Theme"は荘厳なエレクトロニクスに笛や弦の音色などオーガニックな響きも混在し、アルバムの始まりに相応しく厳かな幕開けだ。続く"Kuwahara Ride"に変わると物哀しいドラマの一場面を見ているようなしんみりメランコリーなサントラ風で、ここでも麗しい弦楽器や生き生きとしたチョッパベースの生音がライブ感を作っている。"U220sax2"は今風のバレアリックなモードに相応しく、ピアノや管楽器の朗らかな響きが牧歌的なムードに繋がっており、最近制作されたと言われても全く違和感の無い現代的な曲だ。そして柔らかくしなやかなビートがジャジーで浮遊感を醸す"Slide Break"から、同様にしなやかなビート感ながらも畳み込むようなドラムン・ベースのしなやかなリズムとメランコリックなシンセのフレーズで90年代のドラムン全盛期を思わせる作風な"Alonissos"、西ロン系のブロークン・ビーツにも近い柔らかく弾けるリズムと豊潤なフュージョン風なシンセの響きのフューチャー・ジャズな"77 Bus Trip"と、後半はリズムがより自由度を増しながら豊かな色彩を帯びている。この幅の広さは一枚のアルバムの為に制作されたのではなく恐らくその時に出来上がった曲を集めたと思われるが、しかし全体の雰囲気として決して纏まりが無いわけでもなくバレアリックやニューエイジの流れで聞くとしたら、それはジャンルではなくスタイルという観点から全く違和感は感じない。清楚で透明感のあるメランコリーが通底しており、部屋を彩るBGMとして非常に機能的だ。



Check Angelo Ioakimoglu
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Niko Marks - Day Of Knowing (Planet E:PLE 653781-2)
Niko Marks - Day Of Knowing
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特別な注目を集める事は多くはなかったが、デトロイト・テクノ/ハウスと呼ばれるシーンの中では特に楽曲制作を力を入れて大量に作品を残しているNiko Marks。自身のU2X ProductionsからはCDRや配信で毎年のようにアルバムを送り出し、Planet EやDelsin等からもEPのリリース歴があるなど、その知名度の低さとは逆に安定して音楽制作を行っている信頼に足るアーティストだ。本人はキーボードをプレイし歌唱も披露するなどDJ気質ではなく完全にアーティストであり、その為か音楽性もテクノやハウスのみならずジャズやファンクまでも網羅する、つまりはデトロイトのモーターシティーとしての音楽を十分に理解している事もあり、デトロイトのアーティストとしてはもっと注目を集めてもおかしくはない。ならばこそ、このPlanet-Eからリリースされたアルバムはその契機にも成りうる筈で、事実ここには前述の豊かな音楽性が閉じ込められている。アルバムの始まりである"Crank Shaft"からしてキーボードの華麗なコード展開を強調したハウスであり、背景にはコズミックなSEが散りばめられつつぶいぶいと唸るベースやシンセからはファンクの要素が感じられ、実にエモーショナルに展開する作風がアーティスト性を表している。本作で面白いのはリミックスも収録されている点で、Icanとしても活躍するSantiago Salazarがリミックスした"Day Of Knowing (Santiago Salazar Remix)"は情緒的なピアノの音色を活かしながらもスムースな4う打ちでぐっと熱量を増したソウルフル・ハウスを聞かせるが、 原曲の"Day Of Knowing (Original)"はぐっと勢いを抑えてジャジーなリズム感がある事でバンド風なアレンジが黒人音楽のルーツを掘り起こすようだ。本作には以前からコラボを果たしているCarlos Nilmmnsも制作に参加しており、その一つである"Elle Est Une Danseuse A Minuit"は快適なハウスの4つ打ちに合わせて流麗なシンセのコードの響きがのびのびと広がるような効果をもたらし、上下に軽快に弾けるグルーヴを刻む。また"Many Other Places"のように夜っぽい艶のあるダークなテック・ハウスや、耽美な音色を聞かせるエレピが軸になるジャジーファンクなハウスの"Thrill Of The Chase"など、曲毎にキーボーディストとしての力量を発揮しながらエモーショナルな要素を込めている。デトロイト・テクノ/ハウスが好きな人ならばこのアルバムはきっと気に入る事は当然として、これからデトロイトを聞く人にとってもそこにあるソウルやエモーションを感じるにはうってつけだ。



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| HOUSE12 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Charles Hayward / Gigi Masin - Les Nouvelles Musiques De Chambre Volume 2 (P-Vine Records:PCD-24520)
Charles Hayward / Gigi Masin - Les Nouvelles Musiques De Chambre Volume 2
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過去の失われた名作の再発、そして現在のダンス・ミュージックのアーティストらとも接続しながら新作を制作するイタリアはヴェネチアの音響音楽家・Gigi Masin。そして言葉通りにプログレッシヴなポスト・パンクを手掛けていたThis HeatのメンバーであるCharles Hayward。そんな彼等が1989年にSub Rosaからスプリット・スタイルでリリースしたアルバムが本作で、今まで未CD化だったものの昨今のMasinの再評価を受けて目出度く世界初CD化されたのだ。音楽的な相性に疑問も残るスプリット盤は、両アーティストを気に入っていたレーベル側の意向によるものだが、しかし本作にはMasinによるサンプリング・クラシック化した名作「Clouds」が含まれている事もあり、Masinの魅力を計り知るには十分な内容だ。“新しい室内楽”というタイトル通りに少人数による演奏の如き構成は、極めて静謐で優しい程に繊細なインストメンタルで、特にMasinサイドは研ぎ澄まされた最小限のピアノと豊潤な電子音によって美しい風景を目の前に広がらせる。水の都であるヴェネチアをイメージしたであろう"Waterland"はか弱いピアノだけによって控え目にメランコリーを奏で、続く"Clouds"でピアノが滴り落ちるような美しい旋律にミニマリズムを生む電子音を被せ、自然と無駄が排された極シンプルな構成の中に純朴な美しさを生んでいる。"La Giara Di Gesturi"では弦楽器らしき音も用いながらクラシックとも宗教音楽とも取れる荘厳な空気を纏い、"Goodbye Kisses"ではギターや電子音に残響を効かせながらゆったりと優しさが広がっていく。一方でHaywardも水をテーマにした21分にも及ぶ"Thames Water Authority"を提供しているが、こちらは現代で言うドローン・アンビエントと呼ぶべきか。抽象度を極めて高くし持続音や不気味な音響を多用し、幻想的な音ではあるものの不協和音となって迫る廃墟と化したようなドローンは、Masinとは対照的に灰色の世界に染まっている。Masinの慈愛に満ちた繊細なアンビエントに対し、Haywardによる半ば強迫的な荘厳さが覆うドローン・アンビエントと、その異なる作風が同じ盤に収められているのはやや不可解ではある。それでもMasinサイドは十分に彼の魅力である美しい響きが伝わるので、この再発の機会に手を取ってみて欲しい。



Check "Charles Hayward" & "Gigi Masin"
| ETC4 | 20:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Seven Davis Jr. - Future Society (R2 Records:R2CD027)
Seven Davis Jr. - Future Society
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USの次世代ハウスで頭角を現しているSeven Davis Jr.が、2015年の初のアルバムである『Universes』(過去レビュー)に続きリリースするのは、彼が選曲を担当したコンピレーションだ。Seven Davis Jr.と言えばかの伝説的なレーベルであるClassic Music Companyにも見初められ、そして現在はハウスへの接近を見せるNinja Tuneとも繋がり、今旬のハウス・アーティスト/シンガー/ライターである事に異論は無いだろう。Pファンク由来の熱いファンクネスと骨太な荒々しさを伴うハウス・ミュージックは、流行に寄り添う事なくSeven Davis Jr.の個性を光らせ、アーティストとしての期待を担っている。さて、そんな音楽性は本作にも如実に反映されており、大半の曲が未発表曲であるもののその熱量の高さや感情の揺さぶりはSeven Davis Jr.の音楽性に確かに通じている。Colm Kによる"Dream"は洒落たローズの下では艶かしいベースがうねり、熱くも優美でソウルフルなハウスだ。Perlairの"Dance With Me"は切れのあるジャジーグルーヴや明るめのシンセで弛緩したムードがあり、そこに囁き声のポエムも持ち込んで昼下がりの白昼夢にいるかのようだ。Ugly Discoの"Nutz"やOcnotesの"My Religion"など、土臭く荒削りな音を活かしたハウスは野性味があり、Seven Davis Jr.のファンクな音楽性と共通項を見出すのは容易い。Cave Circlesによる鈍いアシッド気味のベースがうなる"Living With Everyone"は、言われなければSeven Davis Jr.の新曲と思うようなロウでファンクなハウスだ。同じく熱量の高いのがJonna & Samwellによる"Alright"で、ディスコ風なトラックにゴスペル風なボーカルの導入もあって、血が滾るソウルフルなハウスは興奮を誘う。収録されたアーティストについて知っている事は殆どないものの、ここでSeven Davis Jr.がピックアップした事で彼等の後押しになる事は間違いなく、だからこそ未来への向かう事を示した“Future Society”と名付けられたのも納得だ。



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| HOUSE12 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Max Graef & Glenn Astro - The Yard Work Simulator (Ninja Tune:ZENCD227)
Max Graef & Glenn Astro - The Yard Work Simulator
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長らくビート・ミュージックを引率するNinja Tuneから放たれたアルバムは、なんとハウス・ミュージックを軸にしている。手掛けたのは以前から交流があったMax Graef & Glenn Astroで、それぞれがTartelet Recordsから生演奏やサンプルを用いてディスコやファンクにジャズにその他諸々を吸収したハウスのアルバムをリリースしており、多様なビートへの拘りを強く感じさせる新世代だ。Ninja Tuneのハウスへの接近は何となく流行っているようにも思われるハウスへの迎合…ではなく、そこにはモダン・ファンクやジャズやR&Bなどの要素があるからこそ、レーベル性を失う事なく新たな音楽性を得る事に成功している。事実、2015年には同レーベルはRomareによる『Projections』(過去レビュー)でハウスへの接近は既にあったわけで、その流れは本作へと続いているのだ。二人は本作において最近のダンス・ミュージックではよく使用される機材は使わずに、トラックリストや曲順を決めた上でコンセプチュアルな制作を進めたそうで、詳細は分からないもののサンプリングではなく基本は生演奏やマシンビートによる構成に聞こえる。幸いな事に手段が目的化する事はなくライブ感はありながらも、演奏の技巧を見せびらかすような内容ではなく、彼等のファンクやジャズと言った嗜好がラフさもある音として上手くハウスに馴染んでいる。冒頭の"Intro"ではカットアップしたような演奏がサンプリング・ミュージックにも聞こえるが、やはり音は生々しく迫る。続く"Where The Fuck Are My Hard Boiled Eggs?!"はジャズのようなリズムの響きに、途中から優雅で豊潤なシンセがうねるようにコード展開し、ロウなビートダウン・ハウスの風合いがある。"The Yard Work Simulator"に至ってはほぼブレイク・ビーツで、鋭利に刻まれる弾けたグルーヴに豊潤なシンセのなめらかな旋律は、豊かなコズミック感さえも纏っている。そしてけたたましいブラジリアン風なパーカッションが炸裂する"Magic Johnson"は、突如としてしっとりとメロウなジャズ・ハウスへと変化する情緒的な一曲で、続く"Jumbo Frosnapper"ではビートは落ちてざっくりしたヒップ・ホップ的を更にぶつ切りにしたような奇怪な展開をする。何だかアルバムの構成としては忙しなく方向性は目まぐるしく変わるのだが、それもNinja Tuneの身軽な自由さ故と考えれば不自然ではなく、彼等の影響を受けた音楽が明確に表現されているのだ。



Check "Max Graef" & "Glenn Astro"
| HOUSE11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
BEST OF 2015
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。何やかんやで今年も大小51ものパーティーへと足を運び、また価格高騰にも拘わらず素晴らしいヴァイナルに出会うとついつい購入し、大量のCDを購入しながらも未開封のまま放置したりと、例年と変わらず素敵な音楽に囲まれた続けた一年でした。その一方で仕事やプライベートにも時間が取られる事が多くなった影響もあって、大量にリリースされる音源に追いつかず、ブログの更新頻度も例年に比べるとやや落ち気味になったのも事実。でも音楽は好きなので細々とでも素晴らしい作品を、来年以降も紹介し続けられたならと思います。歳をとったせいかは分かりませんが、ベストに選んでいる作品は何だかリスニング寄りの物が増えてきている印象ですが、部屋の中で聴く音楽とクラブで聴く音楽は別物であり、そういった点も何となく反映されているかもしれませんが、少しでも皆様が素敵な音楽に出会えるきっかけになれば嬉しいです。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/11/7 Andras Fox Japan Tour 2015 @ Unice
先日、日本限定のコンピレーション『Soft Illusions』をリリースしたオーストラリアはメルボルンのAndrew Wilson。まだ20代半ばという若手だが、メロウかつファンキーな要素をニューエイジや環境音楽に溶け込ませた音楽は大らかな自然と洗練された都会的な空気が同居した感覚があり、期待されるアーティストの一人になっている。また地元メルボルンではラジオ音組を担当しているそうで、制作面のみならずDJとしての手腕も見逃す事は出来ない。そして、今回の初の来日に合わせて日本からは『Good Mellows』シリーズの新作リリースに合わせて橋本徹とその周辺のDJが集結し、来日ツアーパーティーを敢行する。当方は都内でも複数箇所で開催されるツアーパーティーの中で、最もクラブパーティーの意味合いが強いUniceへと参加する事にした。
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| EVENT REPORT6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chris Tietjen - Zehn (Cocoon Recordings:CORMIX049)
Chris Tietjen - Zehn
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ここ数年は全盛期程の勢いは見られないものの、90年代から00年代にかけてのドイツのダンス・ミュージックと言えばSven VathによるCocoon Recordingsは中心の一つだったと思う。特にレーベルとしてだけではなく、イビサはAmnasiaにて開催していた「Cocoon Club」では世界中の著名なDJ/アーティストを巻き込んで、一大ムーブメントと呼んでも良いほどの勢いのあるパーティーに感じられた(が、それ故にどうしてもCocoonに対しては未だにミーハーな印象を拭えない)。そんなCocoon Recordingsがレーベル・ショーケース的な意味合いで2006年からMIXCDを毎年リリースしており、その初めての作品である「Eins」からミックスを今まで担当していたのがChris Tietjenだ。1985年生まれだと言うからまだその当時は齢21歳だったのだが、その若さにしてSvenに認められた才能は結局本物であった事は、現在までシリーズを担当した事で証明されたようなものだ。しかしながらそのシリーズもドイツ語で10を意味する本作「Zehn」によって10年の幕を閉じる事がアナウンスされているが、集大成らしくCocoon Recordingsのクラシックを惜しみなく使用しつつ、またレーベルの多様性を十分に体験させてくれる選曲がなされ十分に出汁が染み出たミックスである事を断言する。スタートは微かな残響が心地良いダブテクノの"Cow, Crickets And Clay"で静かなる船出だが、そのまま重心の低さと硬質感を保ちつつ闇の中から花弁がゆっくりと開くような美しさを伴う"Dead Room"をミックスし、Cocoonにもこんなシリアスな作風があるのだなと意外な展開だ。徐々に重さよりも加速度を増しながら浮かび上がり、エレクトロ気味のアクの強い曲や歌モノも織り交ぜて、そして中盤のハイライトである派手なプログレッシヴ・ハウスの"Unrelieable Virgin"でCocoonらしい快楽的な世界観に染めていく。そこからは持続感のあるミニマル寄りな選曲を中心として深みと恍惚感を継続させ、往年の跳ねた勢いのあるハード・ミニマルな曲も少々プレイしつつ、ハイエナジーな"Pump"からトライバル調の"Deep Down Inside (Reboot Rmx)"で再度のピークを迎える。そこからはなだらかにクローズに向かってテンションを落ち着かせながら、アンビエントな空気も纏うような"Seconds (Colour & Sound)"によってパーティーの終わりを告げるような物哀しい最後を迎える。レーベルの音楽性を十二分に披露したこのミックスは、70分に於ける音楽の旅と呼んでもよいだろう。そして何よりも大量のマテリアルをシームレスかつ重層的にミックスする事で、単に曲を繋ぐ以上のオリジナルからの変化を生み出したChrisの手腕が、ここでも素晴らしく光っている。



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| TECHNO12 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Good Mellows For Seaside Weekend (Suburbia Records:SUCD1001)
Good Mellows For Seaside Weekend
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ジャンルに拘らずに良質な音楽をコンパイルする『Free Soul』シリーズを立ち上げ、そして現在のカフェ・ブームの発端となった仲間と寛げる場所である『Cafe Apres-midi』を手掛けた事で知られる橋本徹。そんな彼が新たに立ち上げたSuburbia Recordsは、入手困難ながらも良質な音楽をアナログ化、またはアナログ音源のみをCD/配信の商用に乗せるなど、彼が素晴らしいと思う音楽をフォーマットの領域を超えて広げていく事を目的としているようだ。そんなレーベルの第一弾は由比ヶ浜にあるバーガーショップ“Good Mellows”でDJを行なった時の経験を端緒としているそうで、タイトルからも分かる通り海辺の夕暮れ時のメロウな感覚を表現おり、『Free Soul』との違いはよりバレアリックやチルアウトの成分が強い事だろうか。オープニングにはいきなりJoe Claussell率いるMental Remedyによる"Just Let Go"を持ってきており、溶けるように絡み合う清らかなアコギとピアノの甘美な調べからは正に夕暮れ時のしみったれた感情が染み出し、人がコントロールし作り出す事の出来ない神聖な風景が目の前に広がるようだ。続く期待の若手であるAxel Bomanによる"Fantastic Piano"も、やはりピアノがフィーチャーされた桃源郷のような世界が広がるダウンテンポだが、単に甘いだけでなく癖のある奇抜な作風がイージーリスニングとは一線を画している。そしてバレアリック最前線のInternational FeelからL.U.C.A.による"Blue Marine"が続き、海鳥の鳴き声と波の音のイントロから始まり広大な海へとのんびりとした航海を始めるような大らかなダウンテンポにより、ジャンルを越えて音楽の旅へと繰り出していく。その後も優美な輝きを放つアシッド・ジャズ、しっとりと有機的なフュージョン・ディスコ、フォーキーなダウンテンポ、夢に浸るアンビエント感のあるニュー・ディスコなど垣根を越えながらも、メロウと言うコンセプトの元に週末の浜辺の長閑ながらも切ないムードに染めていく。アルバムの最後には正に真夏の一曲である憂愁が満ち溢れる"Summer Daze"を橋本徹がエディットしたものを配置したおかげで、しんみりとした余韻を残して最高の流れで幕を閉じる。派手なミックスを必要とせずに一曲一曲をフルにプレイするスタイルは、選曲重視で存分に曲の良さを引き出しながら、海辺のサウンド・スケープを描き出すへと繋がっているのだ。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Herbert - The Shakes (Accidental:AC84CD)
Herbert - The Shakes
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実験精神とポップな音楽性にフロアでの機能性と様々な要素を盛り込んで、テクノ/ハウスのシーンにおいて多大なる影響を残すMatthew Herbert。その音楽性の広さは名義の多さへと繋がっており、名義毎に何が何だか…というような状況でもあるが、兎にも角にもHerbert名義では『Scale』(過去レビュー)以来9年ぶりとなるアルバムがリリースされた。その間にもマーラー交響曲第10番の再構築や『ONE』シリーズ三部作を手がけ、2014年にはHerbert初期活動におけるミニマル・ハウスを確立させた『Part』シリーズを復活させるなど活動自体は続いていたものの、本作には特筆すべき点がある。それはジャズ/ハウスのムードやポップな感覚、そして全編ボーカルを導入と初期音楽性への回帰であり、つまり彼のプロジェクトの中核でもあるHerbert名義の作品の系譜に正に属している事だ。但し、『Bodily Functions』(過去レビュー)を引き合いに出すような宣伝が見受けられるが、流石に歴史的傑作として今尚嶄然と輝く『Bodily Functions』と比べるには物足りなさが残る。トランペットやサックスにギターやキーボード、そしてボーカリストを起用し、そして従前からある自身の奇抜なサンプリング・ソースを導入した製作法ではあり、奇抜なリズムや鳴りの構成と共にとっつきやすいポップな感触と優美な佇まいには確かにHerbertらしく、コンセプト重視であった近年の作品よりは確かに取っ付き易い親近感に溢れている。トリッピーでカラフルに溢れ出す音にはHerbertらしい遊び心が感じられ、過去のビッグバンド的なゴージャス感も加わって非常に陽気なライブ感溢れる音楽へと踏み込んでいる。だからこそ、ポップ・ミュージックに行き過ぎた本作からは所謂ダンスフロアの感覚が希薄化し、『Bodily Functions』に存在するアンニュイなムードや繊細なバランス感も当然存在しないのだ。逆にアルバムの後半に進むとビート感は後退し、仄かに染み入る甘い陶酔感とアンニュイなムードが強くなり、フロアからは乖離した結果が上手くボーカルトラックとして馴染んでいるように思う。何だかんだ言いつつもこのポップ・ミュージックの普段着的な馴染みやすさは悪くもなく、しかしHerbertの音楽史の中で記憶に残るような作品であるかと言うとそうでもなく…。



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| HOUSE11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Steffi - Power Of Anonymity (Ostgut Ton:OSTGUTCD32)
Steffi - Power Of Anonymity
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3年ぶりとなるアルバムを完成させたPanorama Barでレジデントを務めるSteffi。デビューアルバムの"Yours & Mine"(過去レビュー)はシカゴ・ハウスを下地にTR/TB系のリズムを前面に打ち出しながら、柔らかさやしなやかさを兼ね備えた艶のある官能的なモダン・ハウスが収録されていた。勿論フロアで機能するダンス・ミュージックである前提ではあったものの、今思えば少々内向的でリスニング的な方面へと傾倒していたコンセプチュアルな作品だった。しかし、この新作では前作同様にTR/TB系の音を用いてアナログの雰囲気を維持しながらも、よりDJが使用する事に重点を置きフロアでこそ映えるようなダンス・トラック性が強くなっている。例えば彼女が主宰するDollyのレーベル特性であるデトロイトの叙情性がより際立ち、そしてエレクトロやテクノの性質も高めて、決して激しくなり過ぎる事はないが外交的なエネルギーが満ちた作品になっている。アルバムの幕開けとなる"Pip"はエレクトロの角ばったリズムに仄かに叙情を発する幽玄なメロディーが浮かび上がるインテリジェンス・テクノ的な曲だが、90年代前半のAIテクノ全盛期の雰囲気を纏いながらも洗練されたシンセの音色は今っぽくもある。続く"Everyday Objects"でも同様に艶のある音色のシンセが広がりエモーショナルな展開が続くが、カタカタとしたテクノ的な疾走するリズムと控えめに基礎を支えるアシッド・ベースが唸り、暗闇の宇宙空間に瞬く星の間を駆け抜けるようなコズミック感が既にピークを迎えている。"Selfhood"でも急かすようなビートとギラつくようなトランス感のあるシンセが感情を熱く鼓舞し、やはり部屋の中ではなく沸き立つフロアを喚起させる。"Bag Of Crystals"も高揚感が持続するダンス・トラックで、バタバタと叩かれるような激しいリズムとトランス作用の強いシンセが執拗に反復しながら、そこに美しいシンセ・ストリングスも入ってくれば黒さを濾過した洗練されたデトロイト・テクノにも聞こえてくる。またデトロイトのエレクトロを洗練させて今という時代に適合させた"Bang For Your Buck"や"JBW25"、そんなエレクトロ調の鞭打たれるビートにDexter & Virginiaをボーカルに器用した"Treasure Seeking"など、刺々しい攻撃的な性質はSteffiが述べるようによりフロアへと根ざしている。どれもこれもデトロイト・テクノやエレクトロなどオールド・スクールに影響を受けながらも、しかし決して古臭くない現在の感覚も纏いながらダンスフロアへと適合させ、興奮や情熱を刺激する素晴らしいテクノアルバムになっていると断言する。



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| TECHNO11 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Barnt - Magazine 13 (Magazine:MAGAZINE 13)
Barnt - Magazine 13
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ドイツはケルン出身のDaniel Ansorgeは、2010年に芸術と音楽に関するレーベルであるMagazineを他のメンバーと共同で立ち上げた。レーベルとしては彼等自身の作品をリリースするために設立されたようだが、その後はThe Fieldの別名義であるLoops Of Your HeartやWolfgang Voigtの作品もリリースし、単なるテクノではないドイツ発祥のジャーマン・プログレやクラウト・ロックの要素も取り込んだ音楽性が注目を集めている。そして、遂にDaniel AnsorgeのプロジェクトであるBarntによるアルバムも完成したのだが、以前にMule MusiqからリリースしたEPに比べるとその奇才な音楽性はより際立ってきている。アルバムの冒頭を飾る"Wiggett: So we know that hexog****"からして既にモダンなテクノに当てはまる事はなく、無加工で剥き出し間のあるハイハットから始まりふにゃふにゃとした複数のシンセのメロディーが絡み合い催眠術のように効いてくるトラックは、決してダンス・ミュージックの機能を失っている訳ではないが、その鉛のような無機質な存在感が異彩を放っている。続く"22:25"では鬱蒼とした重苦しさを放つシンセが奥底で鳴っており、それに合わせて寂れたアナログシンセから発せられたような不安げにさせるような複数のメロディーが突き刺さるように現れ、快楽とは無縁の容赦無い冷めたテクノだ。10分以上にも及ぶ"Cherry Red"でも壊れたリズムマシンが執拗にビートを刻む展開から始まり、まるでリズムだけで展開を作っていくミニマル・テクノのような展開もあるが、そこにヒプノティックなサウンドが入ってくると途端にジャーマン・プログレのような実験的かつユーモアのある曲へと変わり出す。アルバムは幾つかのインタールードを挟む事でサウンドトラックのような趣もあるが、全体のイメージとしては非常に閉鎖的で陰鬱とした空気で満たされており、快楽的に向かい過ぎた現在のダンス・ミュージックに対するアンチテーゼにも思われる。




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| TECHNO11 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sandwell District - Fabric 69 (Fabric Records:fabric137)
Sandwell District - Fabric 69
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2010年頃からベルリンのアンダーグラウンド界隈で注目を集めていたSandwell District。FunctionことDavid SumnerとRegisことKarl O'Connorから成るこのユニットは、誠に残念ながらFabricの名物MIXCDシリーズの69作目で終焉を迎える事が空気として伝わってきている。公式リリースとしては初のMIXではありながら最終作でもあり、その観点からすると集大成と捉えるべきなのだろうか。以前にパーティーでSandwell Districtのプレイを聴いた時には煮え切らないプレイにやきもきしたものの、本作ではCDと言う媒体のおかげか選曲の繊細な妙技を感じられ、Sandwell Districtらしい鉄の鈍い輝きを放つダークな展開を終始保った重厚感のあるテクノの地平が広がっている。メディアの話では本作はソフトウェアによって入念にミックスが行われた作品との事で、パーティーらしい激しいライブ感よりはアートとしての精巧な展開がより強く表現されている。出だしの3曲からしてRegisやFunctionが制作に絡んでいる曲から始まるのはご愛嬌としても、序盤から新しい何かが萌芽するような胎動から始まり、大きな変化を作らず繋ぎ目も分からない程に滑らか展開を伴ってビートは強みを増していく。その後も杭を打ち込むような安定感のあるキックが刻む中で、荒涼とした景色が広がる灰色のモノクロームな音像を見せながら大きな山も谷も作らずに水平構造を保つ展開が続く。疾走感や重圧による強迫的な音ではなく密閉された空間から生まれる闇の不気味さが通底し、空気としてのインダストリアルやポスト・パンクのアティチュードは確かに存在しているのだ。行き過ぎたハードテクノへの反抗と言うべきか、表面的に過激な音は本作では殆ど聴かれない。しかし鳴っている音の雰囲気は朽ち果てた末の荒涼とした世界を目の前に描き出しており、単なるハードなテクノとは一線を画す事を意識してミックスをしているのが伝わってくる。オリジナル作品においても聴かせる事も重視していたSandwell Districtらしさは本作でも軸としてあり、確かに最終章として円熟味を開花させたミックスと言えよう。

試聴

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hacienda 30 (Newstate Entertainment:newcd9121)
Hacienda 30
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1982年5月21日、ロンドンなどの先進都市に比べれば到底モダンとは言えない工業都市であるマンチェスターにて、後々語り草となるクラブ"Hacienda"はオープンした。途方もない資金を投資し野暮ったい街には似つかわしくないハイセンスなクラブを造り、エクスタシーが流行ったせいで酒が売れずに常に赤字経営にもかかわらず、クローズするまで妄信的にもHaciendaを走らせ続けた共同運営者の中にはNew OrderのPeter Hookもいた。決して経営的には成功とは言えないこのクラブが、しかし名声を獲得したのはジャンルを超越したオープンマインドな音楽性だった。当方も含め勿論リアルタイムでそれを体験している人はそれ程多くはないだろうが、それでもこのHacienda創立30周年記念のCDを聴けば幾らかは、いや十分に時代の空気を感じ取れる筈だ。本作でミックスを手掛けたのは前述のPeterに、HaciendaのレジデントDJでもあったGraeme ParkとMike Pickeringだ。Graemeは徹底的にハウスに拘りを見せ、ソウルフルで胸が熱くなるトラックから覚醒感のあるアシッディーなトラックを緩いBMPながらも跳ねたグルーヴで繋ぎ、Mikeは毒気付いたブリープ・ハウスから始まり粗悪なシカゴ・ハウスやレイヴィーなテクノまでクラブの混沌とした空間を描き出している。Peterはお世辞にも上手いDJとは言えないが(笑)、お得意のロッキンな曲もふんだんに使用しマッドチェスターな時代を再現している。ここにパッケージされたその多くの曲が、今となってはクラシックと呼ばれる時代を越えて愛される曲であり、Haciendaを狂乱の渦に包み込んでいた曲であったのだろう。決して新鮮味があるでもないし余りにも時代を象徴し過ぎている音はダサくもあるのだが、このごった煮な狂騒が一夜をどんなに素晴らしいものとしていたかは、きっと伝わってくるだろう。

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| HOUSE8 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
EQD - Equalized #111 (Equalized:EQD 111)
EQD - Equalized #111
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Shedとしてベルリン屈指のクラブ・Berghainでレジデントを担当するRene Pawlowitzが、匿名性を高くし活動する名義がEQD。ShedはBerghainが運営するOstgut Tonからリリースされているが、EQD名義での配給はHard Waxとこれまたベルリン絡みとなっている。本作は07〜11年にかけてリリースされた5枚のEPをコンパイルしたアルバムだが、しかし同じベルリンと言う地域の共通性はあるものの音楽的な差異は思いの外大きい。Shedにおいてはダブステップやデトロイト・テクノに影響を受けながら多様なビートへの拘りやアルバムとしてのリスニング性にも気を配っていたが、このEQDは元々EP単位でリリースされていた影響もあるだろうが限りなく無駄を排した直球ミニマルテクノが中心だ。出来る限りシンプルにしたのは音だけでなく感情や温度感も削ぎ落とされ、そして曲名も排された事が余計にDJツールとして単に機能すれば良いと言う姿勢に拍車を掛けているのは間違いない。音数は減らしながらも粗雑で荒削りなシンセの鳴りはアシッディーさもあり、乾いて味気ないキックやパーカションでリズムが組み立てられ、展開は音の抜き差しで作っていくだけの単純なミニマルだがこう言った曲こそクラブの爆音で映えるのは言うまでもない。作り込まれバラエティーに富んだShedの音楽性とは対照的に、衝動と直感に従い機能に特化した音楽性は、暴力的でさえもある骨太なグルーヴが貫いているのだ。これを家で聴いても楽しいかと言う疑問もあるが、とにかく爆音で聴けば血肉沸き踊るのは間違いない。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motor City Drum Ensemble - DJ Kicks (Studio !K7:!K285CD)
Motor City Drum Ensemble - DJ Kicks
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タイコクラブへの出演が決まっていたにも拘らず、東日本大震災の影響で来日がキャンセルとなったMotor City Drum EnsembleことDanilo Plessowでしたが、その穴を埋めるには十分な作品がリリースされました。Studio !K7の長らく続く名物MIXCDシリーズの最新作としてMCDEが抜擢された訳ですが、これが予想以上に幅広いジャンルを詰め込でおり、まるでダンスミュージックの歴史を掘り返すと言っても過言ではないような気がします。年代で言えば1977〜2011年までの34年を横断し、Sun Raのスピリチュアル・ジャズで始まりRhythm & Sound(Basic Channel)のレゲエで黒い泥沼に嵌り、Mr. Fingers(Larry Heard)の垢抜けないローファイな初期シカゴハウスの温もりに包まれる。そしてFred Pの華美なディープハウスもあればRobert Hoodの芯の強いミニマルテクノも通過し、笹暮だったファンキーなMotor City Drum Ensembleの新曲の後にはAphex Twinのメタリックなアンビエントで冷水を浴びせられる。ラストにはフュージョン・ソウルの傑作"Sweet Power, Your Embrace"が待ち侘びて、ほっこり酸いも甘いも噛み締めるボーダレスな選曲。しかし特筆すべきはMCDEが創り出す世界観の統一で、年代に差はあれど根底にはブラックミュージックの生温かい血潮が通っており、ジャンルとしての多彩さは感じられてもその幅の広さ程には違和感が無い事にMCDEの音楽への造詣の深さが伺えます。色々詰め込み過ぎてクラブ直結MIXCDと言うよりはコンピレーション的な印象もありますが、どんな音も黒く染め上げる手腕はTheo Parrishとも通じる物があり、ビートダウンな展開をじっくりと味わえる好内容ですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Carl Craig - At Les (Christian Smith remixes) (Tronic:TR53)
Carl Craig - At Les
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既にDJMIXの中で使用され話題となっていたCarl Craigの"At Les"のリミックスEPが発売されました。これを手掛けるのは派手なピークタイムトラックを量産するChristian Smith。"At Les"はまず93年のデトロイトテクノコンピ"Virtualsex"で初のお披露目となり、その後C2自身のInnerzone Orchestra名義によるジャズアレンジバージョン、Mike Banksも参加したライブ盤などもリリースされるなど、C2の中でも特に人気のあるトラックです。今回はChristian Smithが手掛けているので勿論フロアで使い易い4つ打ち仕様ですが、お勧めはA面の"Tronic Treatment Remix"。原曲の儚い旋律を残しながらじわじわと盛り上げるダンストラックですが、メランコリーなシンセの上物からはうっとりする情緒が漂います。B面の"Hyptonica Remix"はA面から派手な音色を差し引いて、ミニマルかつディープな印象を強めたリミックス。こちらはパーティーの前半とかに向いている内容ですね。両面文句無しに素晴らしいです。

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| TECHNO8 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Best of James (Fontana:536 898-2)
The Best of James
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例えばNirvanaがカルト的な人気を得てもPearl Jamが正当な評価を得なかった様に、例えばManic Street Preachersがイギリスにおいては絶大な人気を誇ろうと日本では過小評価される様に、例えばSmashing Pumpkinsがオルタナ代表格として認知されてもLive(ライブって言う超人気のあったUSのバンドね)は無視され続けたように、そして日本においてThe Smithに対してのJamesが正にそんな位置付け。The Smithと同じくオマンコ…じゃなくてオマンチェ出身で、活動開始もだいたい同じ頃の1981年位かしら。でもまあとにかくJamesは初期の頃は確かに本国UKにおいても、The Smithに比べると格段に人気がなかったんだ、そりゃ当初は名曲が無かったですから。しかし、しかし91年に再レコーディングされリイシューされた"Sit Down"は爆発的な人気を博し一躍トップアーティストの仲間入りしたもんですよ。がですよ、それでも日本では一部の評論家やへヴィーリスナーを除き無視され続け、今でも同じ様な扱いを受けている。オマンチェと言えばThe SmithからNew Order、The Stone Roses、Happy Mondays、そしてOasisまでも輩出した由緒あるロックの街で、Jamesも同じ様に語られてもおかしくないバンドのはずなんだけど…。初期U2とかThe Smithのサウンドが好きな人には、Jamesの音楽もきっと心に響くはず。ギミック無しでメロディー重視の直球ブリティッシュロックで、甘さとほろ苦さの混じった青臭い音楽ですよ。





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| ETC3 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
U2 - No Line on the Horizon (Interscope Records:B0012630-02)
U2-No Line on the Horizon
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もしもロックシーンのヒーローを挙げろと言われたら、僕は迷わずにU2を選びます。もっと馬鹿みたくロックンロールしているバンドやエネルギッシュなアーティストは他にもいるんだけど、U2は自分にとって高みに存在していて半ば崇高な存在にさえ感じられるからです。彼らの音楽はロックの高揚感と共に全てを包み込む包容力を持ち合わせていて、聴く者に勇気や安堵の気持ちを呼び起こすヒーローのあるべき姿があります。音楽の力を疑わないU2は、いつまで経とうともロックを奏でるのでした。そして4年半ぶりの新作は…圧倒的に音の良いロックンロール。かつてない程の音の良さ。何と言えば良いのか、繊細で芳醇な、でもたくましくワイルドに鳴り響くギター。決して若いとは言えない彼らは、若さを求めて強引に若さを演出する様なパワフルな演奏はしない。しかしどっしりと地に根を張った様な芯のある音が鳴っていて、そして緊張ではなく緩和し肩の力が抜けたベテランらしい世界を優しさで包み込むような空気さえ漂っています。この新作での音の深みは、多分にプロデュースを手掛けたBrian Eno、Danny Lanois、Steve Lillywhiteの影響が大きいと思いますが、結果的にはこの人選は大成功でしょう。一聴して何の仕掛けもないただのロックンロールに聴こえますが、実はそれ以上に美しく気高い音が鳴っているのをさりげなく聴かせてしまう辺りに、仕事の良さが感じられます。良い具合に歳を重ねたサウンドで、詫び寂びに溢れていますね。と音ばかり褒めてしまったけど、新作は前作以上にメロウな曲が多くて心が温まります。ネットでは賛否両論だけど、僕は断然支持します。どこをどう聴いたってU2サウンドじゃない?

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| ETC3 | 00:10 | comments(4) | trackbacks(3) | |
Steve Bug - Fabric 37 (Fabric:FABRIC73)
Steve Bug-Fabric 37
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いつのまにか現在のテクノシーンのメインストリームを突き進んでいる気がするPoker Flat Recordingsとそのボス・Steve Bugですが、Bugの今年2枚目となるMIXCDは名門Fablicシリーズからです。まあどのレーベルから出そうがこの人のプレイは既に地盤が固まっていて、基本的にはクールで緩めなミニマルハウスが主になっています。近年彼がリリースしているMIXCDがどれも同じ様な内容なので敢えてコメントもし辛いのですが、それでもやはり聴いていてじわりと効いてくるプレイは流石だと思います。ミニマルな中にも恍惚を誘うパーカッション系の曲や妖艶な色気を感じさせるテックハウス、果ては狂気じみた雰囲気さえ感じさせるアシッディーな曲も織り交ぜて、冷たい感覚は保ちつつも単調に陥らずにぐいぐいと引き込まれる世界観はBugらしいですね。新機軸もそろそろ見たいなと思いつつ、ミニマルなのが彼の持ち味だからきっとこれで良いのだ。しかしこういう音楽は部屋でしらふで聴くよりも、クラブで酒をがんがん飲んでぶっ飛んだ状態で聴く方が絶対に気持ち良さそうです。

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| TECHNO5 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
SPICE cafe (スパイスカフェ)
こんにちわ、カレーマチュです。普段は音楽をメインに紹介しているブログですが、実はわたくしカレーも大好きです。何処かへ出かける時は大抵カレー屋を調べて、カレーを食べるように心掛けている位です。今日は仕事も無く暇だったので滅多に行く事のないカレー屋に行ってきました。どうして滅多に行かないかと言うと単純に場所が不便で、言うならば風の谷と同じ位辺境な場所、押上にあるんです。

SPICE cafe1

そのカレー屋の名前はSPICE cafe。カフェとは言いながらもカレー専門店です。
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| FOOD,TRAVEL,HOT SPRING,ETC1 | 19:30 | comments(13) | trackbacks(1) | |
Summer Sessions 2 Mixed By DJ Heather & Onionz (OM Records:OM-274)
Summer Sessions 2 Mixed By DJ Heather & Onionz
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ここ一週間猛暑が続いていて本当に死ぬかと思う位の暑さでしたが、週末でやっと快適な気温になりほっとしました。しかしラニーニャ現象だから猛暑だとかとってつけた様な解説を聞くけれど、○○現象ではなくて単純に温暖化してるだけだろうと突っ込みたくなります。○○現象のせいにするのではなく、現実に目を向けろと思うこの頃。

さて多少は暑さも解消された週末ですが、今日は猛暑にぴったりな夏向けの盛り上がりハウスMIXCDをどうぞ。リリースはやっぱり夏が似合うサンフランシスコのOM Recordsで、とにかく何も考えず開放的に踊りたいなら海が近い場所の音楽シーンなのです。一枚目はDJ Heatherなる女性DJがミックスを担当していて、シカゴハウス系の人だとか?確かにシカゴらしいスカスカでパンピンでファンキーな曲が数珠繋ぎになっていて、からっと乾燥した爽やかさとノリノリご機嫌なノリは夏向けと言うのが適切です。随分と明るい選曲で思考や意識とは別に誰でも盛り上がるのは明白ですが、個人的にはシカゴらしい凶悪で粗悪な音が前面に出る方が好きだったりします。でもまあ使い道としては海に向かうドライビング途中にでも爆音で聴けば、きっとスピード違反して海には着けない事でしょう。

しかし実は一枚目にはそこまで興味は無くて、テクノも使った二枚目に興味があったから購入したんです。だってFunk D'VoidもTechnasiaもLos HermanosもHardfloorもDeetronも入っているなんて、正に僕好みじゃありませんか!勿論ハウス中心のセットではあるけれど、その中にスパイスとしてクールなテクノがバランス良く入っているから、テクノ/ハウスのどちらのファンにも聴いて貰える様な内容です。ハウスにしても一枚目とは異なり多少ディープで感覚的に深みにはまっていき、ただ楽天的な一枚目とは雰囲気も音も違います。これは夏向けか〜?と疑問は湧いてくるけれど、むしろいつ聴いても楽しめる普遍的なミックスだからこっちの方が断然お勧め。テンションも一枚目より抑え目だし、ゆるゆるだらりと聴ける感じ。こちらは海から家に帰る途中のドライビング中に聴くと、喧騒の後の郷愁を味わえるかと思います。

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| HOUSE3 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cluster & Eno (Platz:PLCP-105)
Cluster & Eno
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遂に今日で最後になりますが、本日もジャーマンプログレッシブロックの紹介です。今日にしてやっと名前の通った人が出て来ます。その名もBrian Eno。元Roxy Musicのメンバーであり、近年だとU2などのプロデューサーとしても名を馳せる大変重要なお方です。そのEnoが何度も紹介しているClusterと手を組んだ本作は、実に今から30年前、77年にリリースされています。Enoで思い浮かべる音楽と言えばやはり"アンビエント"であり、それは環境音楽でもあります。こんな言葉で連想されるのはリラクゼーションとか快楽的などのイメージなんでしょうが、確かにそれは間違いではありません。しかしそれは結果としてそうなっているだけあり、EnoやClusterが本作で提示した音は電子音楽と自然主義との調和だと思います。電子なのに自然とは何言ってるんだと思いますが、本作では静寂の中だからこそより際立つ電子音と言うべき美しさがあり、電子音は確かに電子音なのにまるで人の温かみが感じられる優しさがあります。現在のクラブオリエンテッドなアンビエントを想像していると全く違う音が出てくるので面を喰らいますが、これぞ自然的で生活の中にただ佇んでいる音とか、耳障りにならないそこら辺に存在するような音なのではないのでしょうか。ただひたすら流れているだけで良い、何も主張しない音楽。それが環境音楽。

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| ETC2 | 23:00 | comments(6) | trackbacks(0) | |
Ashra - New Age of Earth (Virgin Records:CDV2080)
Ashra-New Age of Earth
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「Inventions For Electric Guitar」で新機軸を開拓したManuel Gottschingですが、更にそこから歩を前に進めた作品が「New Age of Earth」。Ash Ra Tempel改めAshraと改名してからの初のアルバム。ニューエイジってな瞑想的かつイージーリスニング的なジャンルがありまして、その名前が入っている位だから今までよりも更に快楽的な音楽面もちこっと顔を見せたりします。何よりもここでのGottschingはギターに拘らずにシンセサイザーやエフェクトを多用し、今までの陰な世界から陽の世界へと飛び羽ばたいています。一曲目の「Sunrain」が何よりも素晴らしく、太陽の光が燦々と降り注ぐようにシンセ音が断層的にエコーを繰り返しミニマルの様に反復します。今までは多少重苦しさなり難解さなりがあったものの、ここでは徹底的に気持ち良さを優先させているんじゃないでしょうか。三曲目の「Deep Distance」は覚えもある方はいるのでは?そうそう、去年Joe Claussellがリミックスをしていましたよね(過去レビュー)。これもシンセを多用して、広大に延びてゆく空を表現する様なロングジャーニ。す〜っとどこまでもシンセは延びて行き、美しい旋律を奏でながらシンセは鳴り続けます。いや〜まじでいいわ〜。二曲目と四曲目は現代風に言えばアンビエント、昔ならニューエイジなのか?シンセがシュワーとかドロドロ鳴ってて、瞑想するにはもってこい。ここではギターも炸裂して、かなり混沌とした瞬間もあります。作品が古いだけに多少は安っぽい音が多いけれど、アナログの味があると言えばありますね。「E2-E4」前夜のアルバムなだけに、このアルバムもお見逃し無く。

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| ETC1 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(2) | |
Primal Scream - XTRMNTR (Creation Records:CRECD239)
Primal Scream-XTRMNTR
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プライマルはエレクトロニクスを導入しながらも、精神的にはつくづくパンクス、ロックスであると感じさせられたのがこのアルバム。このアルバム、まず制作に協力したメンバーからして最強。New OrderのBernard Sumner、My Bloody ValentineのKevin Shields、泥臭いロック向けのプロデューサー・Brendan Lynch、名ヒップホッププロデューサー・Dan The Automator、ダブ界からは重鎮・Adrian Sherwood、そしてテクノサイドからはThe Chemical BrothersとDavid Holmes、そしてかつて歴史的傑作「Scremadelica」(過去レビュー)を手掛けたAndrew WeatherallとThe Sabres Of Paradiseを組んでいたJagz Kooner、また「Scremadelica」にも参加したHugo Nicolsonととにかくやばい事になっていました。このアルバムにおいてプライマルは遂に集大成とも言える地点にまで来てしまった感もある出来で、ヒリヒリとする様な殺伐感と毒に満ちた覚醒感がこれでもかと溢れています。ドリーミーなバラードもあれば、不良っぽいラップもあるし、またはガレージロックもある。電子音を随所に導入しながらも、全体的に肉体を突き刺す刺激的な音には、エレクトロパンクとでも言うべき時代に反抗した精神を感じました。「Scremadelica」は彼らが時代の流れに乗りファンと一体化した快楽的なサウンドを目指したのに対し、このアルバムでは徹底的に好戦的な姿勢で反旗を翻し聴く者を圧倒するのであります。僕はアシッドハウス全開の「Scremadelica」がプライマルの中で一番好きですが、「XTRMNTR」こそが彼らの根元を一番表現しているアルバムであると思うのです。何故ならプライマルは何時まで経っても、根っからのロッカーなんですから。

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| ETC1 | 23:00 | comments(8) | trackbacks(3) | |
Plastikman - Sheet One (NovaMute:NoMu22CD)
Plastikman-Sheet One
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今まで3回Richie HawtinのDJプレイを聴いた事があるけど、最後に2002年のYellowでのプレイを聴いて以来もう4年間は彼のイベントには行っていません。単純にWOMBでしかプレイしなくなってそれが余りモチベーションを削ぐ原因なんですが、今回は知り合いの希望もあって久しぶりにRichieのプレイを聴きに行こうかと思います。さてRichieの活動と言えばやはりPlastikman名義での、スカスカでミニマルなアシッドトラックが有名でしょうか。「Sheet One」はPlastikman名義ので初のアルバムなのですが、1993年リリースながらもここでの路線はほぼ今でも受け継がれシーンの最前線に居座り続けている事を考えると、Richieは早すぎたアーティストなのでしょう。TR-808やTR-909のテケテケのドラムキックやハット等のリズムは、骨組みだけのシンプルな構成ながらも麻薬的な覚醒感を生み出しヤバ過ぎます。シカゴアシッドハウスにテクノ的な無機質さをブレンドし、よりディープによりドープに進化を遂げました。TB-303らしきアシッドベースも使われていますが、ファンキーな使い方ではなく毒々しいウニョウニョな鳴り方。TB、TRについてこれ程までに効果的な使い方をしているのは、Richieを含めそうは多くないでしょう。しかしこれはまだRichie Hawtinの序章でしかなかったのです。その後どんどん度肝を抜く深化&進化を遂げるなんて、誰が知っていたのでしょうか。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Mum - Finally We Are No One (FatCat Records:FATCD18)
Mum-Finally We Are No One
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思えば2001年位だったのかな、エレクトロニカブームが起きたのは。とにかくその頃の僕は、エレクトロニカと称されるアーティストには考えるよりも早くとにかく購入して聴いていた記憶があります。でもそんなブームも静まりかえり、今ではエレクトロニカ自体にもさほど興味はなくなってしまいました。しかし、今でも好きなアーティストがいない訳でもなく、特にこのMUMはお気に入りです。U2BjorkSigur Rosらと同じアイスランド出身で、所属はなんと奇才が入り交じるユニークなレーベル、FatCat Records。しかしなんでこうアイスランドの音楽は、崇高で美しいんでしょうね?別に厳格だとかお堅い音楽じゃあないんですよ。ただ神話の中に出てくるような幻想的で、夢の中のような美しい世界観が広がっているんですよね。MUMの音楽はエレクトロニカに分類されども、アコーディオンや鉄琴、トランペットなど生演奏も重視して、ゆったりとした牧歌的な柔らかい音で構成されています。外界と情報を隔絶された場所で、神話の中ののんびりとした生活の中で永遠に繰り返す時間を刻んでゆくMUM。きっと彼らには妖精や小人も見えているんだろうね。

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| ETC1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Franck Roger - We Walk To Dance (P-Vine Records:PCD-23730)
Franck Roger-We Walk To Dance
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ここ1〜2年の内に大躍進を遂げたFranck Roger、ディープハウスを聴く者にとって彼を見過ごす事は出来ないと思います。彼の活躍ぶりといえば、ドイツのNEEDSやフランスのVersatile、もしくはアメリカのKenlouなどから名作を発表している事からも分かるでしょう。活動の拠点はフランス、まさかフランスからこういった本格的なディープハウスが出てくるなんて良い時代になったと思います。前作「In My Mind」(過去レビュー)がある意味ベスト盤だった事を考えると、今作こそがデビューアルバムだと言えます。期待して待っていたこのアルバムは、期待を裏切る事もなく思っていた素晴らしいアルバムになっていました。やはり彼の特徴は一発で心に響くメロディーでしょうか。甘すぎる事もない軽く陶酔系の入ったメロディーはしっとりと耳に残り、またアトモスフェリックで透明感のあるディープなサウンドが全体を包みます。何か新しい音かと言うとそうではなくて、むしろ古き良き時代のハウスを感じさせるフュージョンハウスですが、美しく流麗に仕立て上げられて今の時代にマッチしていますね。オルガン、ストリングス、フェンダーローズ等の生演奏の温かみ、シンセ、ドラムプログラム等の電子音の洗練された音のバランスも完璧ですね。全体的にテンポも統一されかつ全曲がミックスで繋がれているせいで、アルバム通しての流れがスムースに展開されていて部屋を彩るBGMとしても適しています。これこそが最先端の耽美派フュージョンハウス、女の子と一緒に聴けば最高です。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2005
来たるべき大晦日が遂にやってきました。K-1とPRIDEの両方を見なくては!最近は年末は毎年そうです。ちなみに未だにカウントダウンはどれに行くか決めておりません。どれもインパクトに欠けるイベントばかりでとか言っておきながら、ケンイシイに行っちゃいそうですな。さて、勝手ながら今年も年間ベストを選んでみました。が、今年は余りにも量が膨大なんで選ぶのに困り、泣く泣くカットした物が多数。そう考えると相当な量の音楽を聴いたんだなとしみじみします。以下のリストに残った物は僕のお気に入りの一部ではありますが、是非とも皆様のCD選びの参考になって頂ければ幸いです。

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| BEST | 14:00 | comments(11) | trackbacks(2) | |
Ben Sims - Welcome To My World (Womb Recordings:WOMB011)
Ben Sims-Welcome To My World
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みんな最近はハードミニマル系のMIXCDで良い物がねえなぁ〜って思ってませんでした?僕は思ってました。一時期は充実してたんですけど、今年はさっぱりですよね〜って、思ってたら

キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━ !!!!!!!!!!

ベンベンベンベン、ベンシムズのトライバル+ハードミニマルな超絶MIXCDがキタんですよ!!!やっぱりこいつ凶悪ですな、ターンテーブル3台+CDJ2台をフル活用した音数多めの激しく興奮するプレイを見せてますよ。当初はWOMBでのプレイを録音した物と思っていたのでかなり不安になっていたのですが、スタジオ録音と言う事で音質も良好。Jeff MillsからChester Beatty、Renato Cohenや今をときめくJoris Voorn、果ては自身のKilla ProductionsやGreenwich Allstarsなどハードミニマル勢の大御所を惜しげもなく使いまくり、テンションが一向に下がる事がありません。最初から最後まで全てがピークタイム仕様で休む暇を与えず、徹底的にハードグルーヴで攻めまくります。疲れている時には聴く気がしないけど、力を持て余している時にはこれを家で爆音でかけたいっ!周りの民家なんか気にするんじゃねえ!(嘘です。)体中の血をたぎらせ踊り狂うのだ!

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| TECHNO2 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Afterdark:Chicago (Kinkysweet Recordings:KSW013)
Afterdark:Chicago
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全然気付かなかったのだけど、いつの間にかその地方のレーベルに焦点を当てたハウスシリーズが出ていました。今回はChicago!今までに「New York City」「Paris」「San Francisco」など出ていますがやはりChicagoですよ。しかしChicagoと言えでもシカゴハウスでは無くて、ディープハウスのGuidance RecordingsとLarge RecordsのレーベルMIXCDであります。

Guidance Recordingsを担当するのはなんとディープハウス/クロスオーヴァーで大人気のAnanda Project!でもこの人ってDJ気質よりアーティストだよね?と言う事で予想通りお世辞にも余りMIXとは言えませんでした。ま、この人の場合選曲センスだよね。透き通る様でアトモスフェリック、基本的にちょっと憂いを帯びたメロディーのトラックが多い。ガツガツアッパーと言うよりは湿気を含み、ミドルテンポで緩急控えめに聴かせてくれる。もう夏間近なのに秋の夕暮れに合う様な、ムード満点のMIXCDだ。Guidance Recordingsのテーマ曲とも言える「Larry Heard-Theme From Guidance」、これを聴く為だけでも価値があります。Larry節満開の儚く、そして孤高の天上天下トラックだ。

片やLarge RecordsのMIXを担当したのは、Jask…ん〜全然知らないなぁ。そもそもこっちの選曲はちょっと微妙。Kerri ChandlerのDigitalsoulシリーズから一曲も入ってないし、Dennis FerrerやRoy Davis Jr.の曲も入っていない。どうゆうこっちゃぁぁぁぁ!!まあ内容は悪くないな。夏の海岸をドライビングしている時、真夏のビーチでバカンスする時、そんな気分にしてくれるアップリフティングでヘヴィーボトムなトラック満載です。ストレートな4つ打ちで腰をくねくね踊らせて、盛り上がれるでしょう。伸びのある切ないシンセ音が多用されて、微妙にテックハウス気味でもありますな。まあしかし何度も言うが、Digitalsoulシリーズ入れとけや…。このシリーズは良い曲一杯なのにな。MIXには合わないと言う事なのでしょうか?

どちらもMIXの流れを楽しむと言うよりは、レーベルの音を知る為のMIXCDって感じでしたな。どちらのレーベルも素晴らしい曲満載です。レコードを購入しない人にとっては、為になるMIX&コンピレーションCDです。

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| HOUSE1 | 20:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |