DJ Stingray - Kern Vol. 4 (Tresor Reocrds:KERN004CD)
DJ Stingray - Kern Vol. 4
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バラクラバを被った印象的な顔写真がジャケットに起用された本作を見ると、例えば匿名性の高いアンダーグラウンドな活動を行っていたUnderground Resistanceを思い起こすのもおかしくはない。そのアーティストは、アーティスト名とバラクラバはデトロイト・エレクトロの最深部でありURの一員でもあったDrexciyaの故メンバーから貰ったのだと言う事からも分かるであろうが、つまりはオリジナルのデトロイト・エレクトロを今に継承する人なのだ。その人こそUrban TribeとしてPlanet-EやMo Waxでの活動で注目を集め、その後はRephlexやMahogani MusicからDrexciyaの魂を受け継ぎデトロイト・エレクトロを開拓してきたSherard Ingramである。今、彼の音楽は面白い事にヨーロッパで求められており例えばBerghainでもプレイをしたり、または2017年のTresorでの年越しパーティーにもブッキングされるなど、水面下に沈んでいた本場エレクトロがアンダーグラウンドと言う世界から浮上し大衆から渇望されているように思われる。しかしアーティストとしての活動は多くの人はご存知だろうが、そもそもDJとしての活動(日本への来日も数える程だ)は決して注目を集めていたわけでもないだろうし、一体どんなDJをするのか?と気にはなっていたが、本作で蓋を開けてみればエレクトロ節全開でオールド・スクールから現在形のそれまで懐古的になる事なく未来の視線を向いた内容になっていた。先ずはDrexciya繋がりのDopplereffektで始動を告げるように8ビット風のピコピコな電子音で幕を開け、隙間だらけのカクカクしたエレクトロビートが鞭打つように入ってくれば、もう勢いは早くも増していく。続いて連打するような忙しないビートの"We Run Your Life"でスピード感を得て、"Mind At Sea"や"Dissociation"辺りは電子音震えるモダンなテクノで、直線的なビートの勢いに飲み込まれていく。そして評価すべきはSherardが時代の止まったエレクトロ盲信者ではなく、近年のクールでデトロイト・ソウルを継承したエレクトロを積極的にプレイし、過去と現在がしっかりと線になり繋がっている事だ。勿論最も古いものでは1989年産の暗くもヒップ・ホップかつストリート系の"Professor X"もプレイしたり、そして中盤ではDrexciyaの爆発的なエネルギーを持ちながらもメランコリーも含んだ"Lost Vessel"でピークを作ったりと、元祖への愛情と言うか敬愛も含まれている。Drexciyaの曲が多いのはご愛嬌といったところだが、しかし1時間に27曲を繋ぎ合わせるミックスによって矢継ぎ早な展開がギクシャクしたリズムと直球4つ打ちのリズムを掻き混ぜるように緩急自在に躍動し、肉体が震える程の刺激を生み出している。エレクトロを軸にテクノな音も同居し刺々しい攻撃性の中にもダークなメランコリーもあり、確かにこれはDrexciyaを継ぐ者である。予想以上に骨太なプレイに踊らずにはいられない。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rick Wilhite - Vibes New & Rare Music 2 (Rush Hour Recordings:RHM 010 CD)
Rick Wilhite - Vibes New & Rare Music 2
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Theo ParrishやMoodymannにMarcellus Pittmanと共に3 Chairsのメンバーとして、またデトロイトのレコ屋である「Vibes」(現在は閉店)のオーナー兼バイヤーとして、そしてDJ/アーティストとしても高い評価を得るRick Wilhite。2010年にはオランダのRush Hourと手を組み"Vibes : New & Rare Music"(過去レビュー)なるデトロイト/シカゴのアンダーグラウンドな音楽を集めたコンピレーションを手掛けた際に、そこで大物から隠れた原石まで引っ張り出して新旧世代を交えたソウルフルな音源を集め、流石のローカルなベテラン故の音楽センスを披露した。それから4年、再度Rush Hourと協力して手掛けた続編となる作品が本作なのだが、ここでは前作以上に意外ともとれるアーティストが集まっている。例えばニュージャージ・ハウスからBlazeのJosh Milan、NYハウスのベテランであるJovoon、シカゴの変態的なK-Alexi、そしてまだ余り名の知られていないJon Easleyがそうだろう。その一方ではデトロイトからはGerald MitchellやMoodymannにOrlando Voorn、Urban TribeことDJ Stingrayも招集し、Rickのセレクターとして人望の厚さが伝わってくる程のアーティストが揃っている。このように前作よりもその幅の広い人選故に音楽的にも多少のばらつきは見受けられるが、Josh Milanによる"Electro Dreams"にしても彼らしいソウルフルな温かさはありながらも、普段のBlazeよりは幾分かより無骨な質を強めていて、方向性としてはやはりデトロイトのハードな気質が勝っているようだ。Gerald Mitchellはいつも通りで"It's The Future"と言うタイトルを表現するような希望に満ちたアフロ・ハウスを展開し、Orlando Voornは"The Recipe"で煌めくような明るさを発するビートダウンを聞かせ、デトロイト勢はあるがままに自身の音楽性を披露している。レコ屋の元バイヤーとしての手腕を存分に発揮しているRickだが、アーティストのしての腕も間違いなく、Norm Talleyとの共作である"30 Years Later"では地面を這いずり回るような重心の低いビートダウン・ハウスで粘着質な黒さを発している。アルバムとしてジャンル的な纏まりはないかもしれないが、精神的な意味での音楽に対するアティチュードではアンダーグラウンドであり、その心意気は存分に伝わってくるだろう。




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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Global Communication - Back In The Box (NRK Music:BITBCD05)
Global Communication - Back In The Box
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アンビエント、テクノ、ハウス、ボサノバ、エレクトロ、クラブジャズ、そしてダブステップ…Tom MiddletonとMark Pritchardのそれぞれソロとして、又は二人でのユニット・Global Communicationとして、テクノ黎明期から様々なジャンルを開拓してきた二人。ここ15年以上はお互いに距離を置き別の道を歩んできた二人が、今年になり遂にGlobal Communicationとして復活を果たしライブ活動も行うなど期待を感じさせますが、その流れでを受け継ぎGlobal Communication名義でのMIXCDも制作しました。しかもNRKが提唱するバック・トゥ・ザ・ベーシックスのシリーズを担当するなんてきたら、そりゃ彼等のマニア心も駆り立てられたのか、80年後半から90年前半のデトロイト・テクノやAI系と呼ばれるピュアテクノ、そして美し過ぎるアンビエントまで盛り込んだテクノ黄金時代を象徴する選曲を行っております。所謂テクノクラシックと呼ばれる作品を選びつつも、表立ってはいなかったものの玄人受けする隠れ名曲まで掘り起こすその知識とセンスたるや、流石に時代の寵児であった事を感じさせずにはいられません。R & SやWarp Records、Eevo Lute、Planet-Eをはじめとするその時代を象徴していたレーベル等から今尚輝きを失わない名曲を選りすぐりし、Disc1はダンスオリエンテッドに、Disc2はリスニング寄りのプレイを聴かせてくれます。新鮮味は当然皆無ながらも再度90年代前半のテクノを聴くと、今よりも洗練さや熟練と言う点では劣るものの、それ以上にアイデアや衝動を重視しテクノの自由な創造性が溢れていた事が感じられます。そう、テクノとは元来解放されたエクスペリメンタルな音楽であるべきで、それを遂行していたのがGlobal Communicationでもあったのだから、ここで聴けるテクノは彼等の指標でもあったのでしょう。普通のクラブで盛り上がるようなDJMIXとは全然違うけれど、テクノの歴史を紐解くアーカイブとして大層役立つ内容である事は断言します。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rick Wilhite - Vibes : New & Rare Music (Rush Hour Recordings:RH111CD)
Rick Wilhite - Vibes - New & Rare Music
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オリジナル3 ChairsのメンバーでもあるRick Wilhite aka The Godson。昨年はRush Hour Recordingsから2枚の貴重なる名作がリイシューされたおかげで正当なる知名度を得た事でしょうが、その流れを継続して今度は彼がデトロイト〜シカゴを経由するハウスコンピレーションを手掛けました。流石に地味に活動の長いベテランだけあって伝手があるのか、デトロイトからTheo Parrish、Marcellus Pittman、Urban Tribeらのベテランから話題急騰中の新鋭・Kyle Hall、シカゴからは大ベテラン・Glenn UndergroundとRicardo Mirandaらを招集。更にVincent Halliburtonなるアーティストも収録されているのだけど、経歴を調べたらD-HA名義やThe Beat Addicts名義でUnderground Resistance周辺のレーベルからリリース歴のある人でした。と言う訳でこれだけの面子が集まれば試聴せずとも買えるレベルであるのは当然なので説明も不要なのですが、そもそもここに集まってる人達は流行に左右されずにマイペースに自身の作風を貫くタイプなので、ローファイで生臭い感情が溢れるオールドスクールなハウスを十分に堪能出来る一枚になっております。時代を越えて新世代と旧世代が交差するハウスコンピレーション。

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| HOUSE6 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Urban Tribe - Program 1-12 (Mahogani Music:MM25)
Urban Tribe - Program 1-12

MoodymannことKenny Dixon Jr.が主宰するMahogani Musicから突如リリースされたUrban Tribeの新作。Urban TribeはSherard Ingramがメインで活動しているプロジェクトであり、そこにデトロイトの重鎮であるAnthony ShakirやCarl Craig、そしてKenny Dixon Jr.が協力をしているデトロイトを濃縮したユニット。そして野田努によればSherard IngramはDJ StingrayとしてのDJ名も持ち、デトロイトの最狂のエレクトロユニット・Drexciyaのメンバーでもあったそうだ。そして新作はやはりダークなエレクトロで、しかし儚くも希望に向かって力強く突き進むエレクトリックソウルでもある。ローファイでざらついた質感、スモーキーな黒い闇の中で不気味に蠢く感情は確かにメンバーである4人の音楽的要素がブレンドされていて、単独では成し得ない電気仕掛けのブラックミュージックと言えるでしょう。LPと言う名目で12曲収録ですが各曲は短く通しても30分もないので、どぎつく重苦しい内容の割には何時の間にか聴き終わってしまう。

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| HOUSE6 | 08:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2010/09/04(SAT) Metamorphose 10 @ 修善寺 サイクルスポーツセンター
Act : Manuel Gottsching performs "more INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR" with Steve Hillage, Elliott Sharp & Zhang Shouwang, X-102, Moritz Von Oswald Trio, Mogwai, Larry Heard and more

2010/09/10(FRI) Hyper Modern Music Salon -Dinosaur Meets TECHNO! @ Mado Lounge
DJ : Hiroshi Kawanabe, A.Mochi, CALM, Hiroshi Watanabe aka Kaito, no.9, Haruka Nakamura
Live : evala

2010/09/10(FRI) HI-TECK-SOUL Japan Tour 2010 @ Eleven
DJ : Derrick May, Ryo Watanabe

2010/09/10(FRI) SOLAR FREQUENCY @ Womb
Galaxy Stage
DJ : DJ Tasaka, DJ Nobu, The Backwoods
Future Lounge
DJ : DJ Yogurt, JZ, Leyziro

2010/09/10(FRI) CLUB MUSEUM "DETROIT LEGEND" @ Unit
DJ : Kevin Saunderson, Cloude Young Jr., Rok Da House

2010/09/22(WED) GUIDANCE @ Eleven
DJ : Michael Mayer, Takkyu Ishino

2010/09/24(FRI) Urban Tribe Japan Tour 2010 @ Eleven
Live : Urban Tribe
DJ : DJ Stingray (aka Sherard Ingram / Urban Tribe)

2010/09/25(SAT) AIR 9th ANNIVERSARY "DIXON × AIR Release Party @ Air
DJ : Dixon, Ko Kimura, DJ Sodeyama

2010/09/26(SUN) ShinKooeN fes 10' @ 神奈川県茅ケ崎市柳島海岸
DJ : Altz, DJ Nobu, DJ Quietstorm, DJ Yogurt, Ko Kimura and more
Live : Dachambo, Kaoru Inoue, O.N.O and more
| UPCOMING EVENT | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Urban Tribe - Authorized Clinical Trials (Rephlex:CAT180CD)
Urban Tribe-Authorized Clinical Trials
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こんばんわ、Tokyo Experimentの管理人・マチュです。と言っても毎日更新しているのも当然私です。残念ながら今日でCDレビューは終わりです、今年のですが。来年もどんどん紹介し続ける予定ですので、これからもヨロシク。今年最後のレビューはデトロイトのダークサイド、Sherard IngramことUrban Tribeです。Mo Waxからリリースされた1stアルバム(過去レビュー)には、Anthony Shakir、Carl Craig、Kenny Dixon Jr.(Moodymann)が参加して強力なダウンテンポ作品となっていたのですが、この2NDもなかなかの物。リリースはなんとAphex Twin(Richard D. James)主宰のRephlexからと言う事で、作風が見事なまでに変容を遂げていました。いかにもRephlexらしい音で、簡単に言うとエレクトロ。電気仕掛けの鞭でビシバシとしなやかにしばかれる棘のある音で、前作のディープでメランコリーな世界は何処へやら。あ〜これは故Drexciyaを思い出してしまったよ。そう言えばAphex Twinは、デトロイト系にはそこまで関心なさそうだったけどDrexciyaだけに関しては相当興味を示していたな。だからDrexciyaにも通じるこのアルバムを、自身のレーベルから出したのかな?作品自体はシンプルなエレクトロと言ってしまえば終わりだけど、狂った感もあるハードで無機質な感覚はまるで怒ってるみたいだ。デトロイトの反骨精神が出ていると考えれば、これもデトロイトテクノの一つなのかもね。

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| TECHNO4 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Urban Tribe - The Collapse of Modern Culture (Mo Wax:MW102CD)
Urban Tribe-The Collapse of Modern Culture
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今では激レアとなってしまい高値の付いているSherard IngramことUrban Tribeの1stアルバムがコレ。テクノなんぞそんなよくわからん頃にリリースされて、Carl CraigとSherard Ingramの合体ユニットなんかと紹介されて興味を持っていたけれど、実はCarlさんは数曲で協力をしているだけで、半分位はデトロイトハウサー・Anthony Shakirが共作やプロデュースをしている。その他にも漆黒のソウルマン・MoodymannことKenny Dixon Jr.も参加していて、デトロイトハウス好きはヨダレが出る思いでしょう。と思いきや何故かJames Lavelle率いるMo’Waxからリリースされていて、その内容たるやトリップホップとかアブストラクトと形容されるかなり煙たい作品になっている。デトロイトテクノ色が少ないと言えばそうなんだけど、このアルバムから漂ってくる悲しさはなんだろうね。Moodymannと同じく艶のある黒さってのは感じれるけど、あちらが怒りを前面に出しているのに対し、Urban Tribeは荒廃したデトロイトシティーの嘆き、憂いを表現しているみたい。でも荒廃した街にも希望が生まれる様に、この音楽の中にも一筋の美しさが徐々に芽生えてくる。人間くさいざらついた質感の音も艶めかしく、生まれたばかりのプリミティブな音にはっと息を飲む瞬間もある。テクノともハウスとも違うデトロイトの新たなる局面が、Urban Tribeによって迎えられた。

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |