CALENDAR
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
Andrew Soul feat. Robert Owens - Slipping Into Darkness EP (Vibraphone Records:VIBR013)
Andrew Soul feat. Robert Owens - Slipping Into Darkness EP
Amazonで詳しく見る(MP3)

シカゴとデトロイトのハウスに触発され、イタリアはローマからアンダーグラウンドなハウスを1992年頃に7枚のみ残したVibraphone Recordsは、恐らく忘れさられていたレーベルであろう。しかし2015年に失われた名作の復刻を機に特にイタリアのアーティスト推しでレーベル運営を復活させ、今ではオールド・スクールなハウス・ミュージック好きな人であればきっと注目するであろう存在として、再度輝きを放っている。そのレーベルからの新作はやはりイタリアの比較的若手でもあるAndrew Soulによるもので、シカゴ・ハウスの伝説的ボーカリストであるRobert Owensをフィーチャーしている事、そしてシカゴ・ハウス黎明期から活動するVincent Floydやイタリアからシカゴ・ハウスへの妄信的な愛を示すNick Anthony Simoncinoをリミキサーと迎えているのだから、それらの名前を見ただけでも反応する人は少なくないだろう。実際に作品を聞いてみれば期待通りのボーカル・ハウスが収録されており、"Slipping Into Darkness"では自己陶酔系の甘く呟くようなOwensの歌は健在で、そこに控え目な響きながらもしっとり情感漂うピアノと鈍いアシッドベースが弾ける官能的なディープ・ハウスのトラックが合わさっており、古き良きハウス黄金時代を思い起こさせる。それをFloydがリミックスした"Slipping Into Darkness (Vincent Floyd Remix)"はTR系の安っぽく乾いたパーカッションと透明感ある伸びるシンセによってメロウな方面のシカゴのハウス、つまりはLarry Heard直系のシンプルな構成ながらも感情に訴えかけるエモーショナル性を掘り起こした作風になっており、未成熟な初期衝動を残しながら実に味わい深さがある。対して"As You Are"はより硬いキックとアシッドの攻撃性をそのまま打ち出した骨太なハウスで、音の隙間を残した簡素な構成ながらも跳ねる肉体的なグルーヴが迫り、Owensによる歌も深い陶酔感を引き出している。それをSimoncinoはフラットに均したビート感に作り変えた"As You Are (Nick Anthony Simoncino Remix)"を披露しており、魔術的な歌やより音を絞り込みながら初期シカゴ・ハウスの悪っぽさや暗い雰囲気を強調した点は、原曲よりも更に先祖返りしていてSimoncinoのシカゴ・ハウスへの忠実さが際立っている。どのバージョンも最新のと言うよりは8〜90年代の時代性が強い懐古的な意味合いは強いものの、そこはシカゴ・ハウスへの理解が深いアーティストだからこそ、本物のシカゴ・ハウスを提唱している点で評価すべき作品だ。



Check Andrew Soul
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Simoncino - Amazon Atlantis (Creme Organization:Creme LP-12)
Simoncino - Amazon Atlantis
Amazonで詳しく見る(MP3)

イタリアきってのシカゴ・ハウスのオタクと言えばSimoncinoを挙げても差し支えはないだろう。古いシンセやドラムマシンを用いて垢抜けなくも何処か懐かしい音質を打ち出し、ぶれる事なく初期のシカゴ・ハウスを追求し続ける偏執狂だ。それは彼が起用するリミキサーにも現れており、今までにRon TrentやLarry Heard、Dream 2 ScienceにVirgo Fourなどオールド・スクールなシカゴ・ハウスの才人らを選ぶ審美眼からも、彼がどれだけ初期のハウスに惹かれているかは分かる筈だ。そんな彼にとって2年ぶり3枚目となるアルバムが、シカゴ・ハウスの変異性を受け継ぐCreme Organizationよりリリースされている。この新作でもRoland TR-808やYamaha DX7にAkai S900などのローファイでありながら名機と呼ばれるマシンをベースに、ロウな質感を残す素朴なシカゴ・ハウスを手掛けており、その流行に全く左右されない信者のような身の捧げ方には感嘆する他にない。その観点から言うと新作であってもいつもと変わらないので驚くべき点は無く、冒頭の”Images”はカタカタとした乾いたリズムマシンの音と憂うような物哀しいシンセのメロディーが先導する錆び付いたロウ・ハウスで、徹底してオールド・スクールを貫いている。それでもゲストを起用する事で、ちょっとしたアクセントが無いわけでもない。Legoweltをフィーチャした"Planet Paradise"は簡素なビート感ながらも勢いのあるテクノ風に攻撃的ではあるし、シカゴ・ハウスのベテランであるVincent Floydをフィーチャーした"Memories Of Summer"は荒ぶるリズムが前面に出ながらも幽玄なディープ・ハウスとなっていたり、全体のムードを壊す事なく刺激的な変化を加えている。それ以外にもアトモスフェリックな上モノとブレイク・ビーツ気味のビートで揺れるアンビエント・ハウス風な”90's Theme”や、ドタドタとしたマシンビートと奇妙なシンセによるリズム中心のツール特化な"Space Tape"など、アルバムというフォーマットを意識して単調に陥らない尖った特徴さえ見受けられる。だがしかし全体としては現在のロウ・ハウスに繋がる初期のシカゴ・ハウスの系譜にあり、ここまで徹底してその音楽性を追求する強靭な姿勢は、好きな人にとっては徹底して愛すべきモノなのだ。



Check "Simoncino"
| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vincent Floyd - Moonlight Fantasy (Rush Hour Recordings:RHM 008 CD)
Vincent Floyd - Moonlight Fantasy
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスの歴史に埋もれた作品を、現在へと蘇らす仕事においてはRush Hourの右に出る者はいないのではないか。古き良き時代の音楽を現在のダンス・ミュージックを聴く層に対し目を向けさせる機会を作る、それはとても価値のある事だ。そしてそんな仕事をRush Hourはまたやってのけた。今度は初期シカゴ・ハウスの時代のみに活動していたVincent Floydが80年代後半から90年代前半に制作していた曲を、DAT音源から回収してアルバム化したのが本作だそうだが、一体何処で未発表曲の存在を嗅ぎ付けてくるのかは実に謎だ。FloydについてはDance ManiaやRelief Records等から数作のみEPをリリースしていたのみで、決して一般的な知名度は高くないものの"Your Eyes"や"I Dream You"といった名作を残し、所謂Larry Heardの深遠でメランコリーなシカゴ・ハウスに通ずる音楽性が高い評価を受けている。本作もそれを踏襲したドリーミーでメランコリーな温かみのあるハウスが満載で、アルバムは可愛らしい鉄琴とアナログ感のあるパッドが幻想的な世界を生み出すアンビエントな"Dark Matter"で幕を開ける。続く"Illusions"ではゆったりと闊歩するような心地良い4つ打ちに抒情的なパッドと凛とした気品のあるシンセのメロディーを被せて、のびのびとした優美なディープ・ハウスを繰り広げる。"Dawn Notes"におけるしっとりと、しかしリラックスして落ち着きのあるエレピのコード使いと無駄が一切無いスムースなビートが生み出すディープ・ハウスは、完全にLarry Heardのそれと同じだ。4つ打ちではなくダウンテンポでレイドバックした"Digital Sea"では、様々なシンセの音色によるメロディーが複合的に重なり合い、切なさを増幅させている。どの曲もほんのりと温かくアナログの安っぽくも素朴な質感があり、そこに耳に残るメロディアスな旋律とすっきりとシンプルな構成を活かして、ダンス・トラックの機能に頼らずに情感を描き出す音楽性は実に人間的だ。シカゴ・ハウスの一側面としてこんなディープ・ハウスもあるのだと驚きを感じる人もいれば、このアルバムを懐かしく思う人も旧来のリスナーもいるだろうが、どちらの人にとってもきっと一生愛せるアルバムになるのではないだろうか。



Check "Vincent Floyd"
| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hardcore Traxx Dance Mania Records 1986-1997 (Strut:STRUT114CD)
Hardcore Traxx Dance Mania Records 1986-1997
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
ジューク/フットワークの隆盛と共にその原点として再度注目を集め出しているシカゴ・ハウスだが、本作品はその決定打とも言えるシカゴ・ハウスの老舗・Dance Mania Recordsの2枚組コンピレーションだ。Dance Maniaは1986〜1997年の活動期間にアナログで膨大な作品を残しシカゴ・ハウスの基礎を成したレーベルである事に間違いはないが、シカゴ・ハウスらしく良くも悪くも玉石混淆であり全ての作品が高品質ではなく、その点からも公式にレーベル・コンピレーションが手掛けられた事は素直に喜ぶべきであろう。さて、Dance Maniaというと当方もそうだが一般的な評価としてゲットー・ハウス系のイメージが先行しているが、本作においてはレーベル初期の作品を多く収録する事でそのイメージを覆す事にも成功している。CD1にはレーベルの初期〜中期までの作品を収録しているが、これが予想外にもオーセンティックなハウスが並んでおり、Dance Maniaにもこんな時代があったのかと意外な印象を受けつつ普遍的なハウス作品として素晴らしい。特にVincent Floydによる"I Dream You"やDa Posseによる"Searchin' Hard (Mike Dunn's AC Mix)"はピアノの旋律がラブリーなディープ・ハウスで、その流れは90年代のメロディアスなUSハウスにも通じるものがある。その他にもジャッキンな感覚を強調した安っぽくもファンキーなトラックもあったりと、しかしまだテンポはまだ加速せずに普通の形態を保っている。CD2にはレーベル中期〜後期の作品が収録されているが、その辺りからレーベルはゲットー・ハウスなるシカゴ・ハウスの変異体としてより注目を集めるようになっていたようだ。特に今再度高い評価を獲得しているDJ Funkは2曲収録されているが、チージーな音質ながらも高速ビートに合わせ下品なボイスサンプルを執拗に重ねた作品は、これぞファンキーなゲットー・ハウスの一例だろう。またPaul JohnsonやRobert Armaniの曲はもはやテクノ方面で評価されるべきハードなスタイルへと進化しているし、今をときめくTraxmenは"French Kiss"をパクったようなリフにアホアホボイスサンプルを被せて遊び心とファンク溢れる曲を披露するなど、Dance Maniaが一般的なシカゴ・ハウスのその先へと向かった軌跡を見つける事は容易い。その点で当方のようなシカゴ・ハウスが単純に好きな人には当然お勧めなコンピレーションだが、ジューク/フットワークと呼ばれる音楽に魅了された若者にとっても、そのルーツを掘り起こす意味で本作は価値のある作品である。



Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
DJ Deep Presents City To City Part 02 (BBE:BBECD068)
DJ Deep Presents City To City Part 02
Amazonで詳しく見る

フランスのディープハウスシーンなら俺にまかせろーいと言わんばかりの勢いであるDJ Deepが送る、デトロイト、シカゴ、ニューヨークのハウスヒストリー。サブタイトルが「A Retrospective Journey Through Chicago, Detroit And New-York Underground House Sounds」の通り、アンダーグラウンドハウスの回顧展みたいなMIXCDとなっております。「City To City Part01」(過去レビュー)もなかなかのマニアックぶりでしたが、今作も前作にまけじと玄人っぷりを発揮しています。だいたいの曲は90年前後のハウスサウンドなのですが、正直大半の曲は僕も分かりません。昔懐かしのTR-808のリズムトラックを使用したチープなシカゴハウスが多く、ここら辺の作品には芸がないものの伝統工芸みたいな一貫性を感じますね。単純に古臭い音と言えばそれまでですが、時が経てば経つ程ソウルが滲み出てくると思います。デトロイトハウスではUrban Culture名義でCarl Craigの傑作「Wonders Of Wishing」が一曲目に使われています。セクシーな女性ボーカルサンプルがこだまするディープハウスですが、Carlさんはほんと何やらせても天才だなって思わせる一曲ですね。Lowkeyの「Rain Forest」って曲は2006年作らしく、何故かまだ未リリースなのが収録されています。太く硬くかつソウルフルなハウスで、ちょっと気になりました。最近はハウスも聴いたりする僕なのですが、やっぱり昔の曲は全然わからん。そんな所にこうゆう隠れた名作を紹介してくれるMIXCDが出ると、大変参考になりハウスへの興味も更に増し、昔の音源も聴いてみたくなります。そうゆう意味ではこうゆう回顧録にも、しっかりと意味があるのだと思いますね。

ちなみにCD2はCD1の曲をミックスせずに収録したのと、ボーナストラックを3曲追加。ここでやはり目玉はCarl Craigが手掛けたNaomi Danielleの「Feel The Fire」でしょう。かなりレアな曲でもあるのですが、内容がまた最高にヤバイんです。それは聴いてのお楽しみって事で。

試聴

Check "DJ Deep"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |