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2018/5/25 THE OATH -feat.Dazzle Drums 10 Hours Logn Set- @ Oath
青山のクラブ・蜂の摘発の一件もあり、東京の小箱もその影響を受けて営業が難しくなっている昨今。Oathもその直後は夜中は音量を下げているとかの話もあったり、または公式twitterでも過度のダンスをしている場合には注意するというアナウンスを出したりと、やや不安を受けるように感じられた。しかしそんな中で今回Dazzle Drums単独による10時間セットが行われる事が突如として決定した事もあり、現状のOathを確かめる事も兼ねて久しぶりに出向く事にした。
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| EVENT REPORT6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Simoncino - Amazon Atlantis (Creme Organization:Creme LP-12)
Simoncino - Amazon Atlantis
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イタリアきってのシカゴ・ハウスのオタクと言えばSimoncinoを挙げても差し支えはないだろう。古いシンセやドラムマシンを用いて垢抜けなくも何処か懐かしい音質を打ち出し、ぶれる事なく初期のシカゴ・ハウスを追求し続ける偏執狂だ。それは彼が起用するリミキサーにも現れており、今までにRon TrentやLarry Heard、Dream 2 ScienceにVirgo Fourなどオールド・スクールなシカゴ・ハウスの才人らを選ぶ審美眼からも、彼がどれだけ初期のハウスに惹かれているかは分かる筈だ。そんな彼にとって2年ぶり3枚目となるアルバムが、シカゴ・ハウスの変異性を受け継ぐCreme Organizationよりリリースされている。この新作でもRoland TR-808やYamaha DX7にAkai S900などのローファイでありながら名機と呼ばれるマシンをベースに、ロウな質感を残す素朴なシカゴ・ハウスを手掛けており、その流行に全く左右されない信者のような身の捧げ方には感嘆する他にない。その観点から言うと新作であってもいつもと変わらないので驚くべき点は無く、冒頭の”Images”はカタカタとした乾いたリズムマシンの音と憂うような物哀しいシンセのメロディーが先導する錆び付いたロウ・ハウスで、徹底してオールド・スクールを貫いている。それでもゲストを起用する事で、ちょっとしたアクセントが無いわけでもない。Legoweltをフィーチャした"Planet Paradise"は簡素なビート感ながらも勢いのあるテクノ風に攻撃的ではあるし、シカゴ・ハウスのベテランであるVincent Floydをフィーチャーした"Memories Of Summer"は荒ぶるリズムが前面に出ながらも幽玄なディープ・ハウスとなっていたり、全体のムードを壊す事なく刺激的な変化を加えている。それ以外にもアトモスフェリックな上モノとブレイク・ビーツ気味のビートで揺れるアンビエント・ハウス風な”90's Theme”や、ドタドタとしたマシンビートと奇妙なシンセによるリズム中心のツール特化な"Space Tape"など、アルバムというフォーマットを意識して単調に陥らない尖った特徴さえ見受けられる。だがしかし全体としては現在のロウ・ハウスに繋がる初期のシカゴ・ハウスの系譜にあり、ここまで徹底してその音楽性を追求する強靭な姿勢は、好きな人にとっては徹底して愛すべきモノなのだ。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jupiter Jax - Visions (100% Silk:SILK072)
Jupiter Jax - Visions
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ヨーロッパと比べるとUSのダンス・ミュージックは微妙な立ち位置にあるが、その中でも際立って個性を発揮するレーベルがないわけでもなく、例えばチルウェイブやシンセ・ポップなども取り込みながらインディーダンスを手掛けるLAの100% Silkは注目すべきレーベルの一つだ。そんなレーベルから2013年にデビューしたのが日本には馴染みのないだろう南ヨーロッパに属するマルタ共和国からRudi AgiusことJupiter Jaxで、デビュー作の『City Life '88』(88年にリリースされたInner Cityの名曲"Good Life"からの引用だそうな)からしていきなりカセットでのリリースだったり、90年代を匂わせるレトロなテクノ/ハウスを披露したりと、レーベルに負けず劣らずな個性を発揮している。そして2015年5月、アーティストにとって初のアルバムが同レーベルからリリースされたのだが、やはりここでも同様に90年代のノスタルジーをたっぷり含んだアナログの音色全開なハウスがこれでもかとばかりに収録されている。オープニングの"Armed For Peace"では、80年後半から90年代にかけての豊かな音楽性を帯び始めた頃の、まだ辿々しくもエモーショナルなシカゴのディープ・ハウスそのものであるし、次の"The Light"ではシカゴ・ハウスの大ベテランであるVirgo FourのMerwyn Sandersも参加して、淋しげな木管楽器の音色が郷愁を誘う中で優しく誘いかけるような呟きが切なさをより強くするロマンティックなハウスだ。”Soul Searchin'”なんかはロウなテクノとディスコが邂逅して幾分かださっぽさを残しながらも、ポップな上モノや楽観的なムードに笑顔さえも浮かぶようである。タイトル曲の”Visions”ではXosarが夢の中で囁くような霞がかったボーカルを披露し、レトロなシンセの響きに感情の豊かさを添えて古き良き時代の輝きをより強くしている。どれもこれも決して流行や時代を意識した音楽ではなく、それどころかヴィンテージな趣向を推し進める懐古的な感は否めないものの、心に響くノスタルジーは決して否定出来るものではないだろう。初期のデトロイト・テクノやシカゴ・ハウスが生まれ、そして成熟を迎える前の夜明け前の時代、そんな音を追求したとしたら正にこんなアルバムなのではと思うが、若い人達にとってはこれもある意味新鮮に聞こえる可能性もあるのだ。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sascha Dive - Dark Shadow (Deep Vibes Recordings:DVR024CD)
Sascha Dive - Dark Shadow
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ベルリンでモダンなディープ・ハウスを手掛けるDeep Vibes Recordingsを運営するSascha Diveは、自らもRaum...musikやDrumpoet CommunityにTsuba Recordsなどの著名なレーベルからテクノとハウスを橋渡しするような作品をリリースし、アーティストとしても高い評価を得ている。機能的にミニマルな展開と洗練されたモダンなサウンドにひっそりと黒さ溶け込ませた音楽性は、事実Chez DamierやMoodymannにVirgo Fourもリミキサーに起用していた事からも分かる通り、ソウルフルなUSハウスの要素も秘めている。しかし4年ぶりとなるこの2ndアルバムではよりテクノ的と呼ぶべきか、以前のアルバムに見られたエモーショナルな方向性からダークでクールな音楽性に傾倒し、自身の音楽性を確固たるものとしている。アルバムの冒頭を飾る"Red Planet (Intro)"では闇の中で得体のしれない物体が蠢くようなサイケデリックかつドープなアンビエントを展開し、そこに続く"Dark Shadow"はアフロなパーカッションが躍動する中をマッドなボーカルサンプルと酩酊感を覚える暗いサウンドが散りばめられ、闇の深海を潜行するような流れでアルバムの方向性を決定付けている。続く穏やかな4つ打ちが現れる"In Your Soul"はアルバムの中でUSハウス色が打ち出たエモーショナルな作風だが、そこから再度"Dance With Me"や"New Moon"で暗い闇の中にスペーシーなサウンドが浮かび上がらせながらも、やはり温度感としては徹底して低く冷えている。その後も適切に抑制された4つ打ちハウスのグルーヴ感を継続しながらも、肉体的というよりはトリップ感溢れる覚醒的なサウンドが精神に作用するような曲調に纏められており、終始深い闇の空間の中を突き進むようなミニマルな流れとテック・ハウスの音質でダンスフロアへと導くようなアルバムだ。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Power Plant Experience - The Power Plant EP (Mathematics Recordings:MATHEMATICS 073)
The Power Plant Experience - The Power Plant EP

ロウ・ハウスやジュークといった音楽に共振するように、にわかに感じさせるシカゴ・ハウス復権の流れ。その中でもイタリアから妄信的にシカゴ・ハウスへの偏愛を見せるアーティストがSimoncinoであり、古いドラム・マシンなどのアナログな音を基軸に本物と全く変わらない初期シカゴ・ハウスを世に蘇らせている。本作は様々な変名を用いて活動する彼にとって新たな名義となるThe Power Plant Experience名義でのデビュー盤であるが、これは言うまでもなくかつてFrankie Knucklesがオープンさせたクラブの名前から取られているのだろうから、やはりシカゴ・ハウスへの愛は相当なものだ。何と言ってもタイトル曲の"The Power Plant"から素晴らしく、ハンドクラップやどたどたとした野暮ったいドラム・マシンのリズム、そこに郷愁の念を誘う深遠なシンセがリードしていくこのハウス・トラックは、生まれてくる時代を間違えたのかと錯誤する程に初期シカゴ・ハウスの音として成立している。"My Father's House"にはシカゴ・ハウスの巨匠・Virgo FourからMerwyn Sandersがボーカルで参加しており、呟きのような優しく癒やすような歌い方が作品に色っぽさと深みを与えている。また"Plant Tracks 3 (1991 Kai Alce Remix)"はデトロイトシーンのKai Alceによるリミックスで、切なさや古い空気感を残しながらもリズムを骨太に肉付しつつ光沢感のあるシンセや導入し、現代の音にも馴染むように手が加えられている。計5曲収録のそのどれもがオーセンティックなシカゴ・ハウスであり、迷いなき方向性がSimoncinoへの期待をより高めるだろう。

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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jason Grove - Late Night Connections (Skylax Extra Series:LAX ES1)
Jason Grove - Late Night Connections

デトロイトのローカルシーンで80年代から活動しているDJと言う触れ込みのJason Grove(Groove?)は、2011年に突如としてSkylax傘下のWax Classicからデビュー作をリリースする。その後もSkylax周辺からのみリリースを続けつつ、Moodymannの作品をJMFG名義でエディットしたりと注目を集めているが、一向に正体が明かされない事から誰かの変名ではないかと最近では考えている。そんな謎に包まれつつも最新作をSkylaxから新シリーズとなるSkylax Extra Seriesの第1弾としてリリースしたが、なんとそこにはシカゴ・ハウスの伝説的ユニットであるVirgo FourのMerwyn Sandersとデトロイト・ハウスシーンからNiko Marksが共作として名を連ねている。流麗なピアノのコード展開とソウルフルなボーカルを活かしたベーシックなトラックの"Newlove"からして、小細工無しにハウスのクラシック性を説いているようだが、Merwyn Sandersが参加した"Let It Go"はもったりとしたベースラインとドタドタしたリズムが相まって、最近のアナログ感を強調したロウハウスとも共振するローファイな音質が良い味を出している。裏面には胸を締め付けるロマンティックなムードが強いハウスが収録されていて、パーカッシヴなリズムが力強くもLarry Heardばりの透明感のあるキーボードが望郷の念を駆り立てる"Xxx"、雑踏の音を取り込みつつ図太いキックと呟きボーカルがKDJを思わせる"Division Street"、Niko Marksのメランコリーな歌とフュージョン風なエレピが心揺さぶる"My Language"と、どれもお世辞抜きにして良質なハウス・ミュージックの時代が封入されているようだ。新しさを必要とせずとも変わらない事で守られるもの、タイムレスと言うべきハウス・ミュージックがここにある。



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| HOUSE9 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Virgo Four Merwyn - Where Are You EP (HotMix Records:HM008)
Virgo Four Merwyn - Where Are You EP

シカゴ・ハウスの黎明期から活動している伝説的ユニットのVirgo Fourから、メンバーの一人であるMerwyn Sandersがソロ名義で新作をリリースしている。現在イタリアの一部の集団が特にシカゴ・ハウスと密接な関係を保っているが、その中でもSimoncinoのシカゴへの偏愛っぷりは抜き出ており、その愛情が結実してSimoncinoのレーベルであるHotMixよりMerwynの新作がリリースされたのだろう。本作はMerwynソロの作品ではあるがスタイルとしてVirgo Fourと何ら変わりはなく、古典的なアナログ・シンセを使用したであろう素朴なシンセの音と悲しげで儚いメロディー、そして簡素で乾いた質感のリズムトラックからなる実に80年代の空気を含むハウスだが、人肌の温もりが伝わってくる質感に懐かしさを感じずにはいられない。時代を越えてくる音と言うのは、えてしてこう言った単純ながらも変わり様の無いものなのだろう。リミキサーにはSimoncinoと同じくイタリアからシカゴ・ハウスを追求するNicholas、バレアリック・シーンで活躍するMax Essa、イタリアからの新興勢力であるKsoul & Muteoscillatorらが迎えられている。Nicholasによるリミックスはシカゴの中毒的なアシッド・ハウス仕立てで、原曲の物哀しさを残しつつもエグさも強調している。対してMax Essaは生っぽいディスコテイストを盛り込んで楽天的なバレアリック感を前面に出し、K&Mはビートを崩して切なさが残るジャジービートへと最もリミックスらしい仕事をしている。Merwynによるオリジナルは言うまでもなく、その他のリミックスも個性が発揮されており聴き応えは十分だ。

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| HOUSE9 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sascha Dive - Deja Vu (Tsuba Records:Tsuba060)
Sascha Dive - Deja Vu

ドイツ出身でディープ・ハウスの新世代を担うSascha Dive、その新作はUKから孤軍奮闘して良質なディープ・ハウスをリリースしているTsuba Recordsから。Saschaと言えばMoodymannリミックスを収録したOrnamentsからリリースしたEPの大ヒットは記憶に残っているが、その他にもDrumpoet CommunityやRaum...musikなどから欧州からデトロイトへの回答とも言えるブラックな音を取り込んだミニマルなハウスをリリースし高い評価を得ている。新作では近年復活を果たしたシカゴ・ハウス的ユニットであるVirgo Fourをリミキサーに起用しているのだから、それはどうしたって注目せざるを得ない訳である。オリジナルトラックの"Deja Vu"はオールド・スクール感がみなぎる単純なピアノのリフを反復させつつ、鋭く跳ねる切り刻むようなアタックの強い4つ打ちで、大きな盛り上がりはないものの終始暗い冷たいムードに包んで長くドープな効果を継続するDJツールに最適な仕上がりだ。そして裏面にはVirgo Fourのリミックスを2曲収録していて、メランコリックなピアノの旋律を加え透明感のあるストリングスと絡ませて古き好き時代のハウスへと塗り替えた"Virgo Four Mervyn Strings Mix"、浮遊感のあるシンセやヴォコーダーを通した声を起用しレトロ・フューチャーを意識した"Virgo Four Mervyn Free Mix"と、どちらもVirgo Fourらしい無駄を省いた簡素ながらも味のあるハウスでオリジナル以上に愛着を感じてしまう。清涼なブルーのクリアヴァイナルで、手元に置いておいても満足度の高い1枚だ。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2011
あけましておめでとうございます。2011年は東日本大震災や原発事故と言う想像だにしなかった災害が日本を襲い、その影響で音楽シーンにも暗い影を落としていたように思われます。しかし多くの海外からの支援や、また国内のチャリティー活動もあり少しづつではありますが、復興に向けて進んでいるのも事実です。そしてそれは音楽と言う文化に於いても同様で、一時期は萎縮してしまったパーティーやクラブミュージックも今ではまた以前と同じ位までに活動を盛り返しております。そんなご時世の中で素晴らしい音楽も、特にそれが日本から多く出てきた事は本当に喜ばしい事で、そんな音楽は僕に人生を楽しく過ごす為の原動力となってくれています。さて今年も本当に沢山の音楽を聴きそれぞれが素晴らしかったのでどれがベストと言うのも難しいのですが、今の気持ちで気に入っている作品を選んでみました。皆様のポジティブな力の原動力となる事を祈って紹介致します。
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| BEST | 09:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Gene Hunt Presents Chicago Dance Tracks (Rush Hour Recordings:RH115CD)
Gene Hunt - Presents Chicago Dance Tracks
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シカゴ・ハウスの氾濫。間違いなく皆が感じているであろうシカゴ・ハウスの逆襲は、遂には未発表音源の発掘にまで至る。元々CDRなど無かった80年代、出来上がった曲はオープンリールと言うテープに記録され、それをDJがクラブで使用してフロアの反応を見ていたそうだ。そう云ったアーティストが制作した新譜は別のDJに手渡されリリースまでに漕ぎ着けた物もあれば、そのまま日の目を浴びる事なく倉庫の奥底に追いやれてしまう事もあったであろう。時代の流れと共に多くの遺産は、そのまま封印されてしまった…が、今やシカゴ・ハウスの時代が戻ってきている。そして一際その流れを作り出しているオランダのRush HourとシカゴのベテランDJ:Gene Huntが手を組み、彼がかつて友人から手渡された1982〜1989年までの時代に埋もれし作品をコンパイルしてしまった。勿論どれも未発表かつヴァイナル化されていない貴重な作品なのは言うまでもなく、Larry Heard、Farley "Jackmaster" Funk、Lil Louis、そしてRon Hardyら大御所までの作品が眠っていた事自体に驚くであろう。今これらの楽曲を聴いてもダサい、古臭い、そう云った言葉が思い浮かぶのは当然で、TR系の渇いたキックやパーカッションやチープなアナログシンセが生み出す荒削りな初期シカゴ・ハウスが、如何に理論よりも衝動や勢いを重視していたかは聴けば納得するであろう。平坦でドタドタしたグルーヴ、質素で味気ない音質など確かに完成度と言う点においては足りない点もあれど、しかしファンキーさを超越したマッドな悪意さえ感じられる不穏な空気に神経も麻痺させられるであろうし、シカゴ・ハウスの最初期の時代を感じられる事に意義があるのだろう。

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| HOUSE7 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trax Re-Edited : The Original Chicago House Label Reborn (Harmless:HURTCD098)
Trax Re-Edited The Original Chicago House Label Reborn
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シカゴハウスの歴史において重要な位置付けである二つのレーベル、一つはDJ International、そしてもう一つがTrax。なんでも2010年はTraxの創立25周年だったそうで、Harmless RecordsとDJhistory.comがチャット上でのその為に何か記録を残したいと言う話題が発展し、この度このTrax Re-Editedコンピレーションへと結実しました。Trax Recordsに関して言えばシカゴハウスの基礎となる音を形成したレーベルでもあり、アシッドハウス拡大に貢献したレーベルでもあり、そして音楽で一儲けしたいと淡い夢を抱いたアーティストが集結したレーベルでもあります。才能や理論に後押しされた音楽性ではなく、衝動や欲望を優先して作られたある意味一発屋みたいなアーティストも多かった。がそれでもそこにはハウスの初期衝動と可能性があったのでしょう。そんな偉大なるレーベルの音源をリエディットするのだからきっと大胆な事は出来なかったのであろうか、結論から言えばまあ予想通りでオリジナルの良さを越えられない平凡なリエディット集になっています。オリジナルの雰囲気はそのままに曲尺を伸ばしたり、ミニマルな展開でDJユースにしたりと使い勝手は良くなっているものの、25周年記念としての意味合いは正直余り無いかなと。オリジナルから遠からず的なトラックが多いので、入門者向けにシカゴハウスの歴史の道標としては意味合いがあると思います。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Virgo Four - Resurrection (Rush Hour Recordings:RH113CD)
Virgo Four - Resurrection
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デトロイトテクノやシカゴハウスの復刻に勤しむオランダのRush Hour Recordingsがまたもややってくれました。昨年はEric Lewis & Merwyn Sandersから成るシカゴハウス最古参であるVirgo名義の唯一のアルバムを復刻させたのに続き、今度は85〜90年に録音されたテープ音源から厳選した未発表曲を纏め、Virgo Four名義としてコンピレーションをリリースしました。主だった活動は89年からの数年間と短い期間ながらもリリースされたトラックは大御所DJのMIXCDにも収録される程の実力を持ち、シカゴハウスと言うジャンルにおいてはカルト的な存在であるらしい。しかし不幸にもシカゴハウスの歴史を語る上で大々的に扱われる事は無かった存在が、ようやくRush Hourの力を借りて2010年代に日の目を見るのでした。ネタは前述の通り古いので新鮮味は無いかと思いつつも、シカゴらしい荒削りながもアナログ感の強い音質やシンプルに無駄を省いたチープなハウスは、今と言う時代に聴くと新鮮味を感じる人も多いかもしれない。はっきり言ってしまえば素人的な面も無い訳ではないけれど、それ以上にアナログソウルとでも言うべき生温い人情味に溢れているし、時代が変わろうとしていた胎動も見受けられます。音楽的な面で言えば決して成熟はしていないしプロの業と言うのも無いかもしれない、それでもシカゴハウスが格好良いのは偏に彼らのセンスやノリが理性ではなく本能から生まれているからなのでしょう。

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| HOUSE6 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Virgo - Virgo (Rush Hour Recordings:RH-TX1 CD)
Virgo - Virgo
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大変分かり辛いのですが、Marshall JeffersonやAdonisが居ない方のVirgo(Virgo Four)が89年にリリースした彼らにとって唯一のアルバムを、最近クラシック再発に力を注いでいるRush Hourがまたもやリイシューしちゃいました。シカゴハウスの隆盛の一端となったTrax RecordsからもVirgo Four名義でのEPを出していたそうで、そこからのトラックも収録された本アルバム。僕はVirgoと言われても全然分からなかったのですが、実は僕が所有しているMIXCDやコンピレーションには使用されていて、何度か耳にした事ある位に実は重要なユニットだった様です。オリジナルが89年なんで今聴くと流石に時代を感じるチープなシカゴハウスオンリーで、音的には初期のLarry Heardにも通じるTR-808のチープな音色を使ったどたどたしたリズムトラックに懐かしくもロマンス溢れるシンセをのせた作り。そう、荒々しいアシッドハウスの方ではなくトキメキとセンチメンタルに満ちた愛情のシカゴハウスで、安っぽい音ながらもアナログな音はシルクの様に耳に優しく馴染みます。機材は古く技術は劣っていてもこんなにも人肌の温もりを感じさせる音楽を作るなんて、やはりこの時代のシカゴハウスは妙に人間臭い味があって良いですね。Virgo(乙女座)と言うユニット名通りに、これからも広大な宇宙で華麗に輝き続けるであろうアルバムです。

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| HOUSE5 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trax Records The 20th Anniversary Edition Mixed By Maurice Joshua & Paul Johnson (Trax Records:CTXCD5001)
Trax Records The 20th Anniversary Edition Mixed By Maurice Joshua & Paul Johnson
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取り合えず本日で一旦シカゴハウス特集は終わり。最後はシカゴハウスにおいて最も重要な二つのレーベルの内の一つ・Trax Recordsについて。自分は勿論Trax Recordsが設立された当時(84〜85年?)はまだお子ちゃまな訳で当時の状況に関しては詳しく知らないのですが、Larry Shermanによるレーベル運営に関しては相当酷いもんだったらしいです。レコードの売り上げに対しての対価を払わないだとか(Larry Heardはその事のうんざりして自分のレーベルを立ち上げた)、最も有名な酷いエピソードはレコードプレスには材料費がかかるので、売れ残ったレコードを買い集めてそれを再プレスし販売していた(だからTrax Recordsのレコードの音は悪いそうです)とか、とにかく無茶しまくり。それにやたらめったら何でもかんでもリリースしていたから、音楽の質にもばらつきがあって決して優良なレーベルであるかと言うとそうでもないんです。それでもAdonis、Phuture、Joey Beltram、Larry Heard、Marshall Jefferson、Vincent Lawrence、Sleezy D、Frankie Knuckles、Armando、Farley Jackmaster Funkを含め多くの素晴らしいアーティスト達がここを経由して行った事を考えると、やはりシカゴハウスだけに限らずハウスと言う音楽においてとても重要な存在であった事は否定出来ません。

さて前置きはそれ位にしてそんなTrax Recordsの20周年記念盤が本作。1、2枚目はMaurice JoshuaとPaul JohnsonがTrax音源を使用しミックスを施していて、3枚目はアンミックスのコンピレーションとなっております。チープでファンキーなシカゴハウスや毒々しいアシッドハウス、そしてディスコな歌物までTraxの魅力が満載で、80年代のハウスの流れを知るには十分過ぎる内容となっております。音楽としての完成度は決して高い訳じゃないから聴く者を選ぶ感じなんだけど、ハウスについて掘り下げようと思うなら決して避けては通れないですね。

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| HOUSE4 | 21:15 | comments(6) | trackbacks(1) | |
Joe Claussell - Translate (NRK Sound Division:NRKCD023X)
Joe Claussell-Translate
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発売される前からテクノ化テクノ化なんて宣伝されて、Francois Kに続いてお前もかと勘ぐってしまいましたが、蓋を開けると結構ハウシーじゃないですか。ニューヨークにおいてスピリチュアルハウスシーンを爆発させた張本人・Joe Claussellですが、最近のハウス全体がなんとなく進歩が無いと言うか余り元気がないように思え、彼も過渡期を迎えているのかもしれないですね。で最初に結構ハウシーだねと書いたけれど、今作は今までのジョーファンにはやっぱり身構えてしまう所があるかもしれないです。所謂アフロでトライバル、スピリチュアルなディープハウスではないのです。ハウスではあるけれど、紡がれるようにスムースな展開や一般的なハウスの温かみってのはありません。ハウスにある流れる様な展開よりも、チャプターごとに分けたような選曲と構成がまるで映画のサントラの様です。トラックリストは13曲の表記ですが、実際にはSEやインタールードを交え49曲も収録されているのです。今作に感じたのは、コズミック!そう、もっと広い世界が目の前に広がり、心は大地を離れ宇宙の中に放り出されてしまいます。例え一般的なハウスビートが無くても、全てを包括する柔軟でしなやかなそのプレイはエモーショナルの一言。ファンの期待を裏切るかもしれない新たな取り組みですが、美しく深い世界観と野心に満ち溢れるその前向きなプレイは成功だと思います。

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Check "Joe Claussell"

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |