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2018/11/2 UBIK presents Live In Concert @ Unit
長年Unitにてダンス・ミュージックのパーティーを企画してきたUBIKが、今新たに立ち上げたライヴイベントがその名も「Live In Concert」。あくまでライブという名目なのにどういったジャンルの音楽に焦点を当てるのかはまだ不明なものの、今までの経歴を考えればエレクトロニックなものである事は推測される。その記念すべき第一回目はKompaktからPalais SchaumburgやThe Orbのメンバーとしても輝かしい功績を持つベルリン・ダブ・テクノのThomas Fehlmann、そして同レーベルの現在最も人気を集めているであろうシューゲイザー・テクノ代表格のThe Field、そしてFlangerやSecret Rhythmsといったユニットでも強烈な個性を発揮したBurnt Friedmanと、どうやら今回はテクノが軸にあるようだ。初回という事もあってか強力な布陣を擁したパーティー、期待せずにはいられない。
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| EVENT REPORT6 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Field - Infinite Moment (Kompakt:Kompakt CD 149)
The Field - Infinite Moment
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現在のKompaktを代表するアーティストであるAxel WillnerによるプロジェクトであるThe Field、霧のようなシューゲイズが充満して生まれるサイケデリアと多幸感によってテクノのリスナーのみならずロックのファンも魅了し、自身の世界観を完全に作り上げた。しかし2005年のデビューから13年経過し本アルバムで通算6枚目となってくると、その確立された個性が故に時として飽きられてくる懸念もあるが、アルバム毎に雰囲気を変えたり音の鳴りを変える事でアルバム毎の味を生み出して進化/深化を続けている。特に初期3枚のアルバムジャケットが淡い白色だったのに対し、本作含め直近3枚は黒色がイメージとなっており、おおよそその色に合わせて本作も更に内省的でベッドルーム的な聞き方も可能であり、事実本人曰く「これまでの作品よりもずっと遅い」とも語っている。オープニングの"Made Of Steel. Made Of Stone"は祈りのようなエフェクトのかかったボイス・サンプルのループから始まり、鈍いアシッド感もベースのうなりも加わって遅いビート感でずぶずぶと嵌めていく。途中からシンフォニックな響き現れたりと暗いムードの中にも神秘的な美しさがあるが、決して多幸感に振り切れるでもなくサイケデリック性が勝っている。続く"Divide Now"からビートは走り出し淡いシューゲイザー寄りな電子音の執拗な反復を被せて如何にもThe Fieldらしい曲だが、そのミニマルなビート感だけかと思いきや中盤でドラムン・ベースのリズムが挿入される意外な展開も盛り込み、そこを堺に後半はまたやや曲調が変わるという大胆な構成の大作だ。"Hear Your Voice"は聞けば同じくKompaktのWolfgang VoigtことGasの初期ミニマル・アンビエント作に近い作風で、ハートビート風なノリの良い4つ打ちに荘厳な電子音がオーロラーのように揺らめいて空間が音で完全に満たされており、余りにも快楽的で忘我しそうである。そこからダウナーに転調した"Something Left, Something Right, Something Wrong"でのっそり遅いビートに合わせてアブストラクトな音像や奇妙な効果音によって抽象性を高めてサイケデリック性を増し、モコモコと柔らかくも詰まったリズムで神々しいボイス・サンプルのループで宗教的でもある神秘性を得た"Who Goes There"、そしてラストの"Infinite Moment"でもじっくりと大地を踏みしめるような遅いビートと白色光に包まれる力強いシューゲイザーな電子音が鳴り響き、ゆっくりと恍惚状態へと入っていく事で正にタイトル通りに永遠の時間が続くかのようだ。初期のような多幸感爆発なフロア向けのダンス・トラックはそう多くはないし、やはり全体的に閉塞感がありムードが決して明るいわけではないが、サイケデリアが生むじわじわと増えていく恍惚性もひたすら心地好い。きっとライブでも汗だくになって踊るのではなくゆらゆらと揺れて聞く事は容易に予想出来るが、この圧倒的な密度の音に包まれてカタルシスを体験出来るだろう。



Check The Field
| TECHNO13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2018 (Kompakt:KOMPAKT CD 142)
Pop Ambient 2018
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シリーズ物としては長い歴史を誇るKompaktが手掛ける『Pop Ambient』シリーズもこの2018年を冠した本作で18作目に突入。アンビエント・シリーズとしては最高峰に属するのは言うまでもないが、それもKompaktの元頭領であり現在は芸術的に音楽を追求するWolfgang Voigtがこのシリーズに限ってのみ監修をしているからこそで、昔よりはやや商業的な動きもあるKompaktの中でもこのシリーズのみはVoigtの審美眼によって純粋にアンビエントの追求を継続している。例えば日本からは過去のシリーズにも登場しているYui Onoderaが本作にも(しかも2曲も)起用されていたりと、他のアーティストもそうだが単に知名度を優先したような選び方でない事は明白だ。またVoigtが来日した際に制作を依頼されたと言うHiroshi WatanabeことKaitoもシリーズ初参戦を果たす等、Voigtのネットワークが有効に働いているのだ。アルバムはKompaktの中では新世代に属するFresco & Pfeifferの"Splinter"によって幕を開けるが、凍えきった厳寒の空気が広がる冬景色の中でか弱い灯火で暖を取るようなアンビエントは、静けさの中に優しさが溢れている。そしてYui Onoderaによる"Prism"は彼らしい荘厳なドローンと弦の音色を用いて大人数の演奏によるクラシックを聞いているかのような重層的な響きがあり、ゆっくりとした流れの中に生命の胎動にも似た動きが聞こえる。レーベル初登場となるカリフォルニアのChuck Johnsonは、薄いパッドを静けさを保ちながら伸ばしてその中に悲哀を醸すペダル・スチール・ギターを鳴らし、夢と現の狭間に居る心地良い"Brahmi"を提供。そしてダンス・ミュージックだけでなくアンビエントに対しても造詣の深いKaitoには当然注目で、アコースティック・ギターの和んだメロディーとしなやかに伸びるパッドで広がりのある大空へと浮かび上がっていくような開放感ある"Travelled Between Souls"を提供しており、幻想的なトランス感を誘発する。Kompakt組として常連のThe Orbはやはり普通のアンビエントをやる事はなく、ややダブ/レゲエの音響やリズムも匂わせコラージュ的な捻れた世界観のある"Sky's Falling"はアーティスト性が出ていて面白い。同様にレーベルの古参のT.Raumschmiereは雪が吹き荒れる厳寒のような重厚なドローンによる"Eterna"において、大きな動きはないものの圧倒的なドローンの重厚さの中にロマンティックな響きを閉じ込め、ただただその壮大さに圧倒される。他にも同シリーズには常連のKompakt組がいつも通り静謐で美しいアンビエントを提供しており、シリーズの長さ故に金太郎飴的な点もありつつも他の追従を許さないレベルの高さを誇っている。凍える冬に温まるBGMとして是非利用したいアンビエント・アルバムだ。



Tracklistは続きで。
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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
GAS - Narkopop (Kompakt:KOMPAKT CD 136)
GAS - Narkopop
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2017年のテクノシーンに於いて絶対に欠かす事の出来ない話題の一つに、本作は間違いなく含まれている。それこそドイツはKompaktの創始者の一人であるWolfgang VoigtによるGas名義のニューアルバムであり、この名義では何と17年ぶりとなる新作だ。30にも及ぶ変名を用いながら様々なジャンルを展開してきたVoigtにとっても、このGas名義はかつてのMille Plateauxで成し遂げたアンビエント×ミニマルの究極的な形であり、4枚のアルバムを送り出してからはパタリと活動が停止した事で逆に伝説的なプロジェクトとして評価されていた。近年はGas以外の複数の名義を用いてテクノだけに留まらない音楽性とそこにアートとしての要素も加えて芸術家的な活動を精力的にしていたVoigtだが、やはりこのGas名義は別格と言うべきか、その音の存在感や快適性は格段にスケールが大きい。アルバムには10曲が収録されているがそれらは便宜上トラック分けされているだけであり全ては繋がっており、またイメージを排除するようにかつてのアルバム同様曲名は付けられておらず匿名性を際立たせて、ミニマルの性質と抽象的なアンビエントによって終わりの時を迎える事が無いような音楽の旅を展開している。寒々しく虚構の中にあるような森の写真がジャケットに用いられているが、鳴っている音楽も正にそのようなイメージで、フィールド・レコーディングと電子音のドローンとオーケストラのサンプルによって生まれるシンフォニーは何処までも抽象的だ。アルバムは重厚で荘厳なオーケストラによる"Narkopop 1"で始まり、寒々しい電子のドローンが重苦しくガスの様に充満しつつその中からハートビートらしきリズムが現れる"Narkopop 2"、一転して物哀しいオーケストラによって悲壮感に包まれる"Narkopop 4"と全ては繋がりながら境界を不明瞭にしながら展開を繰り広げる。そしてドローンに満たされながら潰れたような4つ打ちのリズムがエレクトロニック・ボディ・ミュージックを思い起こさせる"Narkopop 5"、歪なノイズが持続しながら華やかで美しい弦楽器が明瞭なメロディーを奏でる"Narkopop 6"、そして最後の17分にも及ぶ"Narkopop 10"で総決算の如くぼんやりとした4つ打ちのリズムと不鮮明なドローンと荘厳なオーケストラが一体となり、ミニマルな展開の中で時間軸も分からなくなるような迷宮的な流れによってなだからに終焉を迎えていく。音だけを聞いてもGasというアーティスト性が分かる完全に個性が確立されたミニマルかつアンビエントな音はここでも変わらず、前作から17年の歳月を経てもそこから途切れる事なく続いていたかのような音楽で、VoigtにとってもGasはライフワークと呼べるものに違いない。催眠的で快眠なアンビエント、意識は深い森の中に埋もれていく事だろう。



Cjheck "Wolfgang Voigt"
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2017/7/18 dublab.jp × TRUNK (HOTEL) present Wolfgang Voigt - Ruckverzauberung × Yui Onodera @ TRUNK
テクノ帝国ドイツに於ける老舗レーベルであるKompaktの創始者であり、またProfan等ではミニマリズムの極地を追求し、そしてGas名義ではその名の通りガスが充満するようなアンビエントを展開するなど、その音楽性を芸術にまで昇華させた重鎮中の重鎮であるWolfgang Voigt。その存在感の大きさとは対照的に来日経験は多くはなく日本で彼のライブを体験する事はレアになっているが、この度幸運な事にも定番フェスとして定着したruralへGas名義での出演と、そして都内では渋谷にある高級ホテルTrunk内にあるチャペルへWolfgang Voigt名義で出演となり、今回は後者にて彼のライブを初体験する事となった。
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| EVENT REPORT6 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2017 (Kompakt:KOMPAKT CD 135)
Pop Ambient 2017
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夏の陽気も迫るこの頃、既に季節外れではあるものの年初の厳寒におけるテクノの風物詩にもなったKompaktが送るアンビエント・シリーズの『Pop Ambient』、その2017年度盤を紹介しておきたい。このシリーズに関してはKompaktの元オーナーでもあるWolfgang Voigt(最近Gas名義を復活させた)が選曲を担当しており、アンビエントに対しての特別な審美眼を持つ彼だからこそ、毎年リリースする事で金太郎飴的な内容にはなりつつもその質の高さが保証されている信頼の置けるシリーズだ。本作でもKenneth James GibsonやLeandro FrescoにAnton KubikovやJens-Uwe Beyerなど新旧Kompakt関連のアーティストが曲を提供しているが、注目すべきは珍しく邦人アーティストであるYui Onoderaが参加している事だ。広告や建築空間への、または映画や舞台の音楽制作も行うクリエイターだそうで、クラブ・ミュージック側からは見えてこない存在ではあったが、本作では2曲も収録されるなどVoigtもその実力を認めているのだろう。アルバムの冒頭に用意された"Cromo2"は、透き通るようなシンセのドローンに繊細なピアノの音一つ一つを水玉のように散りばめて、美しさと共に神聖な佇まいを含ませた幻想的なアンビエントで、正に『Pop Ambient』シリーズに相応しい雰囲気を持っている。もう1曲はScannerとの共作である"Locus Solus"、こちらも柔らかく優しいピアノ使い聞こえるが、シンセのドローンが揺らぐ事でハートビートのような躍動感も体感させる。さて、Voigtはというとリミキサーとして参加して”Hal (Wolfgang Voigt Mix)”を提供しており、オーケストラを思わせる荘厳なストリングスやピアノによって重厚感に満ちたアンビエントを作り上げ、そのスケール感の大きさはVoigtらしい。Leandro Frescoは"Sonido Espanol"と"El Abismo"のどちらも吹雪を思わせるノイズ風のドローンが何処までも続く音響アンビエントで、雪が降りしきる極寒の地を思わせるところは『Pop Ambient』の季節にぴったりだろうが、逆に他のアーティストは音数を絞りながら有機的な響きでほんのりとした温かさを表現しており、Popという言葉が馴染み易さに繋がる一般的な意味であれば、そのタイトルはあながち間違ってはいないだろう。春が来るまでの寒い季節に、眠りに落ちるためのBGMとしてやはり聞くべきか。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - Moonbuilding 2703 AD Remixes / Sin In Space Pt.1 (Kompakt:KOM 336)
The Orb - Moonbuilding 2703 AD Remixes Sin In Space Pt.1
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Alex PatersonとThomas FehlmannによるゴールデンコンビのThe Orbが2015年にリリースした『Moonbuilding 2703 AD』(過去レビュー)から、そのシングルカットの第1弾が到着。ここではアルバムのタイトル曲である「Moonbuilding 2703 AD」を3アーティストがリミックスしており、The Orbも属するKompaktの創立者であるWolfgang VoigtとBrainfeederから奇才を放つTeebs、そして前述のVoigtの変名であるWassermann名義のアーティストが参加している。元々はブレイク・ビーツ気味のレゲエやミニマルも含んで徐々に変容する展開が壮大な13分にもアンビエント・ダブであったものの、それぞれのアーティストがそれをどうリミックスするのか想像するだけでも、本作への興味は尽きないが実際の音はどうだろうか。Voigtによる"Wolfgang Voigt AntiretroAmbientPsycholkamix"は原曲に負けじと13分越えの大作リミックスだが、原曲以上にそのアンビエント性・ミニマル性、そしてスペーシーな浮遊感のある音響を強調し、更なる大作志向へと進んでいる。序盤の残響が広がり音の粒子が散りばめられ浮遊するアンビエントなパート、徐々に覚醒感のあるシンセベースと締りのあるキックが入り中毒的な快楽が放出するミニマルへと突入する中盤、そしてオーケストラ的な荘厳なシンセも加わりスペーシーさも増す後半と、各々の箇所で異なる要素を含みながらも一大絵巻のように展開する作風は圧巻だ。そしてVoigtが変名で手掛けた"Wassermann Psychoschaffelclustermix"は、こちらもVoigtらしいズンチャズンチャとしたシャッフルするリズムが特徴で、時折入るアシッド・ベースやヒプノティックなシンセが精神を麻痺さえるように働き、なかなかのドープなテクノになっている。そしてTeebsは余りKompaktらしくはないというか、彼の作風を踏襲したざらついたビートダウン風な"Teebs Moon Grotto Mix"を提供。破壊音のようなパーカッションや粘度が高く粗いダウンビートの上には、ドリーミーで甘い音像が揺蕩う事でチルアウト的な感覚も滲ませつつ、そこからシャッフル調のビートへと移行したりとその忙しない変化も相まって、奇想天外ながらもアーティストの個性が強く感じられる点が面白い。3曲だけとは言えども、ぞれぞれ個性的なリミックスで充実した内容だ。ちなみにレコードのラベルや配信のページでは、WassermannとTeebsの表記が反対になって間違っているので要注意。



Check "The Orb"
| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2016 (Kompakt:KOMPAKT CD 128)
Pop Ambient 2016
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アンビエント・ミュージックのシリーズにおいて間違いなく最高峰、ドイツはケルンのKompaktが毎年送る冬の風物詩、それが『Pop Ambient』。2015年の11月にリリースされた本作でシリーズは遂に16作目に突入と、もはや追い付いていけるシリーズは他になく、完全にアンビエントという枠組みの中では孤高の歩みを続ける名物シリーズだ。勿論その歴史の長さ故にKompakt系列のアーティストだけでは作品の完成は難しくなっているので、毎回外部からアーティストを招き寄せる事で新鮮さを保ち続けながら高純度なアンビエントを提唱する事に成功している。その例として本作ではエレクトロアコースティックを披露するStephan Mathieuが"April Im Oktober"を提供しており、ぼんやりとしたドローンがレイヤーとなって持続するだけの感情さえも排したような音のうねりによるアンビエントは、極寒の雪が吹雪く中に灯る火のような温かさを発している。他にも外部から参加したのはケルン発のMax Wurdenがおり、かねてよりサウンドトラックやアンビエントを手掛けるアーティストのようで、収録された"Unterwasser"はこれも淡くぼかされたドローンが持続するその奥にダビーなパーカッションが非常にゆっくりとした残響を生み、何だか時間軸さえも遅くなったように感じる空間の広がりを活かしたアンビエントだ。勿論Kompakt勢からも実力あるアーティストは多数参加しており、The Orbにしては珍しくノンビートなアンビエントに挑んだ"Alpine Dawn"は正にアルプスの夜明けというタイトルに相応しく神々しく眩いサウンドスケープを展開している。またDave DKは同じくKompaktのLeandro Frescoがリミックスした"Veira (Leandro Fresco Mix)"を提供しており、ビートを遅くしながらも原曲のドリーミーな世界観はそのままにガスが立ち込める曇った音響やスターダストのような煌めく音を追加し、抽象画を思わせる淡い世界を確立している。そして本シリーズのセレクトを担当している元KompaktのボスであるWolfgang Voigtも"Ruckverzauberung (Thore Pfeiffer Megamix)"を提供しており、オーケストラの荘厳な音響を用いてアンビエントを作ったらという風な崇高なメガミックスは、流石芸術へのこだわりを強く持つVoigtだけあって一際独自の路線を進んでいる。また本作はこのシリーズにしては珍しく軽くミックス処理がされている事で、途切れる事なく夢幻の持続をする事に可能になっており、よりアンビエントとしての効果を高める事に繋がっている。身も心も寒い冬だからこそ、仄かな温かさを発する微睡んだアンビエントはBGMとして適切な時期であり、是非とも今聴くべきな1枚だ。



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| TECHNO12 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joris Voorn - Fabric 83 (Fabric Records:fabric165)
Joris Voorn - Fabric 83
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かつてRichiw Hawtinが成し遂げたPCによって各曲を最小のパーツにまで分解し、それらを再度組み立て上げて同時に複数のパーツを層のようにミックスする事で、新たなる曲として創造する手法は今では決して珍しいものではない。またその手法が時としてライブ感を失い、見せびらかすように芸術的な面だけを強調してしまう恐れは多々あり、例えばオランダのテクノ貴公子ことJoris Voornについては典型的にその例に挙げられよう。活動の初期は複雑なミックスをする事なくテクノ・クラシックも多用しながら若いエナジーが溢れがつがつとフロアを盛り上げていたプレイも、近年リリースしたMIXCDでは多数の曲を糸を細かく編み込むような芸術的なミックスを披露する事に専念し、何かクラブの衝動は欠けていたように思われる。そんな折、新たに発表されたFabricシリーズからのMIXCDには、何と20トラックの中に65曲を詰め込むという以前からの手法を踏襲した内容だ。そこにまたもクラブの熱狂は存在しているのか不安になったが、そんな心配はどうやら杞憂だったようだ。本人が「Abletonがターンテーブルなどでは成し得ない、エディットとミックスとリミックスを可能にした」と述べているように、正にPCでしかありえない重層的なミックスをしながら各曲の繋ぎ目さえも消え去ったシームレスなプレイを披露しているが、それはまた目的ではなく手段として活かしながら、ミックスによって新たなる曲を創造しながらフロアのディープな感覚も確実に残す事に成功している。Jorisらしい美しいメロディーや感傷的なムードに甘い陶酔感はたっぷりと発揮されているが、侵食され何時の間にか抜け出せないミニマルな機能美やドラッギーなトランス感は間違いなく真夜中のフロアで体験出来るそれであり、それらが自然と一体化してドラマティックな世界観を構築している。また単にテクノやミニマルだけでなく、プログレッシヴ・ハウスやスピリチュアルな歌モノやエレクトロニカなど、多様なジャンルの音から要素を抽出しながらそれを違和感なく溶け込ませる手法は、ここをピークに迎えているようだ。勿論本作のような余りにも緻密な構成は生のプレイでは再現する事は不可能だろうが、しかしリリースされる作品としては本作は究極的な表現でもあり、それがフロアの空気も伴っているのだから素晴らしい。



Check "Joris Voorn"

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| TECHNO12 | 20:30 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2015 (Kompakt:KOMPAKT CD 120)
Pop Ambient 2015
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冬の風物詩、身も凍える寒冷の中でリリースされるほっこり温まるアンビエント・シリーズ"Pop Ambient"。ドイツはKompaktからレーベル創設者であるWolfgang Voigtによって選び抜かれた曲は、アンビエントの指標となるべきシリーズの一つだろう。流石にこれだけの長い期間に渡ってリリースされているとマンネリ感を避ける事は難しいが、それでも尚アンビエントにありがちな観念的な宗教性を排除しながら、純粋にBGMとして元からその場に自然と存在するような環境音的なアンビエントを送り続けており、その質の高さは保証されている。注目は冒頭に続けて2曲提供している新鋭のThore Pfeifferで、粘度の高い液体が蠢くような抽象的な動きを見せる"Wie Es Euch Gefallt"と引いては寄せる波のように静かに現れるアコースティックギターを導入した"Nero"と、穏やかな揺らぎを体感させるアンビエントを披露している。続くKompakt関連のアーティストであるDirk Leyersは"Daydreamer"と言うタイトル通りに、白昼夢に溺れていると錯覚する高揚を抑えて静かに美しいメロディーを反復させたサウンドトラック風な曲を提供。また同シリーズに幾度と無く参加しているUlf Lohmannによる"Refresh"は特に素晴らしく、鮮烈で新鮮な色が混ざり合ったような音色を発しながら涙が零れるまでの郷愁を誘うアンビエントは、ポップな要素もありながら黄昏時の景色を喚起させる。そしてLeandro Frescoによる"Nada Es Para Siempre"は深い場所で濃霧のような朧気な音響が鳴っているだけではあるが、落ち着きのある温もりが継続する正にアンビエント・ミュージック的だ。ひたすら淡くぼやけたノイズやドローン音響に美しく幻想的なシンセサイザーの音が立ち込めており、眠る時の安眠剤として効果的な一枚であろう。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Barnt - Magazine 13 (Magazine:MAGAZINE 13)
Barnt - Magazine 13
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ドイツはケルン出身のDaniel Ansorgeは、2010年に芸術と音楽に関するレーベルであるMagazineを他のメンバーと共同で立ち上げた。レーベルとしては彼等自身の作品をリリースするために設立されたようだが、その後はThe Fieldの別名義であるLoops Of Your HeartやWolfgang Voigtの作品もリリースし、単なるテクノではないドイツ発祥のジャーマン・プログレやクラウト・ロックの要素も取り込んだ音楽性が注目を集めている。そして、遂にDaniel AnsorgeのプロジェクトであるBarntによるアルバムも完成したのだが、以前にMule MusiqからリリースしたEPに比べるとその奇才な音楽性はより際立ってきている。アルバムの冒頭を飾る"Wiggett: So we know that hexog****"からして既にモダンなテクノに当てはまる事はなく、無加工で剥き出し間のあるハイハットから始まりふにゃふにゃとした複数のシンセのメロディーが絡み合い催眠術のように効いてくるトラックは、決してダンス・ミュージックの機能を失っている訳ではないが、その鉛のような無機質な存在感が異彩を放っている。続く"22:25"では鬱蒼とした重苦しさを放つシンセが奥底で鳴っており、それに合わせて寂れたアナログシンセから発せられたような不安げにさせるような複数のメロディーが突き刺さるように現れ、快楽とは無縁の容赦無い冷めたテクノだ。10分以上にも及ぶ"Cherry Red"でも壊れたリズムマシンが執拗にビートを刻む展開から始まり、まるでリズムだけで展開を作っていくミニマル・テクノのような展開もあるが、そこにヒプノティックなサウンドが入ってくると途端にジャーマン・プログレのような実験的かつユーモアのある曲へと変わり出す。アルバムは幾つかのインタールードを挟む事でサウンドトラックのような趣もあるが、全体のイメージとしては非常に閉鎖的で陰鬱とした空気で満たされており、快楽的に向かい過ぎた現在のダンス・ミュージックに対するアンチテーゼにも思われる。




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| TECHNO11 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kaito / Mohn - Michael Mayer / Saschienne Mix (FM X:Kompakt 1)
Kaito / Mohn - Michael Mayer / Saschienne Mix
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ドイツはケルンの老舗レーベルであるKompaktはその傘下に様々なレーベルを抱えているが、近年はKompakt直販という名分でFM Xなるレーベルを設立してアナログのみの限定シリーズをリリースしている。とは言いながらも日本にも量は少ないながらも輸入されたので、購入したのが本作(と思ったら早速デジタル配信されたのは、もやもやした気持ち)。収録されたのはKompaktを代表するKaitoと、そしてKompaktの設立者でもあるWolfgang Voigtの曲で、それぞれをKompakt関連のMichael MayerとSaschienneがリミックスと、その全てがKompakt色となっている。目玉は何といってもKaitoのリミックスである"Behind My Life (Michael Mayer Mix)"であろうか、ダウンテンポで激情とでも呼ぶべき熱い感情が湧き出るトラックを、よりDJツールとして使いやすさを携えた4つ打ち感を強めたリミックスを行っている。原曲は如何にもKaito節が炸裂したドラマティックな作風なのだが、Michael Mayerは郷愁の念を残しながらも全体的にフラットな構成に抑制しながら持続感を引き出す事で、DJミックスにもはまるような作風へと作り変えているのだ。"Saturn (Saschienne Mix)"の方もクラブ・トラックとして調理されており、ビートレスで荘厳な宗教的な世界観もあったWolfgangの個性を、ディスコ的な4つ打ちやボーコーダーを通した歌を加える事で西洋的ブギーとでもいうようなやんちゃなテクノに生まれ変わらせ、Kompaktらしいポップな才能を発揮している。と作品に参加している全員がKompaktアーティストなので、レーベルのファンならば当然気に入る作品であろうし、またそうでなくともDJ向けに手が加えられたリミックスは必見だ。



Check "Hiroshi Watanabe" & "Wolfgang Voigt"
| TECHNO11 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hands - The Soul Is Quick (Ecstatic:ELP004)
Hands - The Soul Is Quick
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The Field名義ではテクノにシューゲイザーの要素を持ち込み、またLoops Of Your Heart名義ではジャーマン・プログレのように電子音と戯れ、それぞれの名義で人気を博しているAxel Willner。そんな彼による第三のプロジェクトがこのHandsで、この度はKompaktでレーベル繋がりもあるWallsによるレーベル・Ecstaticからアルバムをリリースした。なんでも2012年の3〜4月頃に制作されていたそうなので、実はThe Fieldの3rdアルバムよりも前の音源である。また制作に使用した楽器はRoland JX-3PやRoland SH-101のヴィンテージなアナログ・シンセに、リズムマシンのElektron Machinedrum、そしてTENORI-ONのみと非常にシンプルな構成で、この非常に個人的な制作から生まれた音楽はベッドルーム・ミュージックと呼ぶのが相応しい。曲は僅か4曲のみだが全体で40分程もあるアルバムと言っても差し支えないボリュームで、その多くはMy Bloody ValentineやWolfgang VoigtによるGas名義、またはBoards of Canadaなどを想起させるドローンかつアンビエントな音がただただ浮遊するように流れている。朧気なノイズの中から微かに浮かび上がるリズムは単なる背景の一部と化し、実際の体感としてはおおよそノンビートに聞こえるアンビエント・ミュージックだ。ノイズにしてもアナログの柔らかな音がぼかしにぼかされ、全く角のないサウンドがただ揺らいでいるだけの単調なドローン状態ではあるが、その掴み所のない抽象的なサウンドが靄に覆われた幻想的な風景を描くようでもあり眠気を誘う程に心地良い。Loops Of Your Heart名義でも同じようなアンビエントの感覚はあったが、それ以上に電子音としての個性を濾過した淡い音がフラットな響き方に繋がっており、アンビエント性を高めている。就寝前のBGMとして聴くと効果の高い合法的な睡眠薬となる事、間違いなし。



Check "The Field"
| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2014 (Kompakt:KOMPAKT CD 113)
Pop Ambient 2014
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ドイツはKompaktが送る冬の風物詩、名物アンビエント・テクノのシリーズとなっているPop Ambientも2014年作で遂に14作目となる。もう気温も温かくなり紹介するのも今更感は否定出来ないが、近年はどうも恒例となり過ぎた為に停滞感が拭えなかったこのシリーズにしては、2014年作は意外にも当たりと思える良作だ。特筆すべき点は幾つかあるが、2008年以来にこのシリーズに参加となるUlf Lohmannは、初期のKopmaktを支えていたアーティストの一人だ。そのUlfによる"Sicht"はアンビエントではあるが、温かい陽が射すように電子音が穏やかに広がる楽園が目の前に広がるようで、何だか夢の中に居るようだ。Kompaktを代表する一人でもあるThomas Fehlmannの"Treatment"も素晴らしく、静謐なピアノの音が零れ落ちながら揺らぐシンセ音が時間軸をゆっくりと伸ばしていく幻想的な曲で、心拍数が静かに下がっていく。同じくシリーズに頻繁に顔を出すMarsen Julesによる"The Philosophers Trap"は最早アンビエントと言うよりは、ステンドガラスを通過した極彩色の光が散りばめられたような美しい音を放ち、宗教的な神々しい佇まいさえ発する瞑想的で鎮静なる曲だ。話題と言えばCologne Tape(Jorg BurgerやThe Fieldらによるプロジェクト)も曲を提供しているが、それよりもThe FieldをGasがリミックスした"Cupid's Head (Gas Ambient Mix)"が白色光の揺らぐノイズに包まれるミニマル×ドローンなアンビエントで素晴らしい。そのGasことWolfgang Voigtは、自身の名義では"Ruckverzauberung 8"なるフィールドレコーディング風の抽象的な電子音を淡々と鳴らすなど実験的な側面も見せている。正直このシリーズに新鮮味を見出すのは最早困難ではあろうが、しかし本作に於ける精神安定作用は例年以上に効果的で、寝る時のBGMとしてもお勧めなのである。



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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2013 (Kompakt:KOMCD103)
Pop Ambient 2013
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もう気温も温かくなり始めた5月の紹介となり場違いではあるが、真冬の風物詩であるPop Ambientシリーズの2013年バージョンの紹介をさせて頂く。ドイツはKompaktが毎年リリースするコンピレーションは複数あるが、このシリーズはタイトル通りにアンビエントに焦点を当てており、2001年からリリースされ本作で通算13枚目となる。流石にシリーズが長くなり過ぎて一時期はKompakt外部からのアーティストにおんぶしている面も見受けられたが、本作は過去にレーベルに絡んだ、もしくはレーベルに所属するアーティストが多くクレジット的には違和感は感じない作品集となっている。目玉と言えばJorg BurgerとMatias AguayoのKompakt勢がタッグを組んだTerrapin名義によるPink Floydのカバーである"Cirrus Minor"だろうか。叙情性の強い長閑な田園風景を喚起させるフィールドレコーディングを打ち出した原曲を、イメージを全く損なう事なくより電子化された音像で磨きをかけた癒しのアンビエントで、波も立たない静かなる音の伝導が鎮静効果をもたらしている。またLeandro Frescoによる"Cuando El Sol Grita La Manana"はポップで明るいメロディーをなぞりながら、それでもただひたすら平坦に薄い音が遠くまで広がっていくアンビエントを鳴らしており、これは正にPop Ambientと言うコンセプトに当て嵌まる曲であろう。その他にもMikkel Metal、Michael Mayer、Wolfgang Voigtなどベテラン勢が深い音響を伴うドローン系のアンビエントやメディテーション作用の大きい曲を提供しており、アンビエントを謳うコンピレーションでは非常に高い質を保っている。勿論数年前からこのシリーズについてはクラシカルなアンビエントであるが故に、新しさを見つける事は困難になりつつ同じループを繰り返しいるような印象も受けてしまうのだが、それはそれで伝統芸能として受け止めて厳粛なアンビエントを楽しむのも悪い事ではないだろう。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Field - Looping State Of Mind Remixe (Kompakt:Kompakt 263)
The Field - Looping State Of Mind Remixe
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丁度一年前だったと思うがカナダのエレポップデュオであるJunior Boysの曲を、Axel WillnerことThe Fieldがリミックスしていた。その恩返しと言う訳でもないだろうが今度はThe Fieldの曲をJunior Boysがリミックスし返している。その時の結果からして互いのポップな感覚は見事な程に融け合っていたのだが、本作でも期待を裏切らずにJunior Boysがなかなか良い仕事をしている。原曲は眩いばかりの白色光に包まれるシューゲイザーでポップな曲であったが、"Looping State Of Mind (Junior Boys Mix)"はポップな面は残しつつくっきりとしたリズムを浮かび上がらせ、そして可愛らしいドリーミーなエレクトロへと仕立て上がっている。コテコテなレトロ・フューチャー系のシンセ音が楽しく踊るトラックには、Junior Boysの底抜けな明るさとThe Fieldの多幸感が共存し、相乗効果を適切に生み出していると言えるだろう。裏面には更にBlondesとMohnによるリミックスの2曲を収録。Blondesは初めて耳にするアーティストだが、NYのインディーダンス・ユニットだそうだ。"It's Up There (Blondes Mix)"は霞がかった不明瞭なベールを広げつつも、その中にミニマル的なシンセのリフや薄く伸びて行くストリングスを配して、ノスタルジックな世界感を演出した淡いテックハウスだ。そしてMohnによる"Then It's White (Mohn Mix)"は実はKompaktの中心的存在であるWolfgang Voigt & Jorg Burgerが手掛けたリミックスであり、一筋縄では行かない深い音響世界に入り込んだビートレスなアンビエントとなっている。層になって被さるディレイが施され引いては寄せる波の如く残響音が充満し、原曲を遥かに超える荘厳な美しさを演出している。3曲ともタイプの異なるリミックスではあるが、どれも満足度の高い仕上がりになっており素晴らしい。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Barnt - Hark (Mule Musiq:mule musiq 147)
Barnt - Hark
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日本発の世界レベルのレーベルであるMule Musiqの最新作は、Daniel AnsorgeことBarntのEP。この人は実はLoops Of Your HeartやWolfgang Voigtもリリースしているドイツの新興レーベル・Magazineを主宰しているメンバーの一人で、まだまだリリース歴は浅いものの本作に於いても光る素質を感じさせる曲を収録しています。Mule Musiqが見込んでリリースしただけあって単純な反復だけの電子音楽ではなく、手弾き感覚のある手作りを意識したメロディーやコード展開を披露し、ディープなハウスでありながらクラウト・ロック的なトリップ感を伴うどろどろとした重苦しさで暗黒の底無し沼に引きずり込む引力・重力はなかなかのモノ。そして裏面には現在引っ張りだこで人気となっているVakulaがリミックスを提供していますが、こちらは靭やかに伸びるシンセや微睡みの音で抽象的に全体をぼかしながら、浮遊感や透明感を加えて重苦しさを取り除いたアトモスフェリックなディープハウスへと生まれ変わらせています。何処と無く雨上がりの新緑が生い茂る爽快感もあり、体の中からすっきりと浄化される美しい曲だと思います。Barnt、Vakula両者の作品に明確な音の差はありますが、どちらもじんわりと染み入るハウスで優しいフィット感が心地良いですね。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2012 (Kompakt:KOMPAKT CD96)
Pop Ambient 2012
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毎年冬の到来と共にやってきていたKompaktのアンビエントシリーズ”Pop Ambient”の12作目。既に冬も終わりに近付き春がやってくる手前での紹介となりますが、とても心温まるシリーズなので今でもしっぽりしたい方にはお勧めな作品です。Kompaktと言えばかつては奇才を誇るWolfgang Voigtが運営に携わり独自のテクノシーンを築いてきたのですが、現在はVoigtは運営から退きMichael Mayerがその役目を一手に担っています。Mayerが主導になってからはKompaktの経営方針も変わり音楽性にも変化の季節が訪れていますが、しかしこの”Pop Ambient”だけは毎回Voigtがセレクションを担当し一定の質の高さを守り続けています。本作にて注目すべきは近年音楽活動を再始動させているWolfgang Voigtがソロで1曲、そしてJorg Burgerとのユニット・Mohnとして1曲提供している事でしょう。特にMohnによる洞窟内で音が反響するような深い残響を生かした沈静なアンビエントが、ただ快適性のみを提供するアンビエントとは一線を画すシリアスな作品で、テクノの地平を切り開いてきたVoigtの才能は今でも健在でした。かと思えばSuperpitcherは正にポップと言う表現が相応しいメロディアスなフレーズがひたすら繰り返されるノンビートアンビエントで、浮遊感や高揚感でなく音色の温かさでアンビエントを表現しています。そしてTriola(Jorg Burger)による鎮魂歌の様に物悲しいムードに満ちたアンビエントと言うには少々宗教さも漂うトラックや、Loops Of Your Heart(The Field)によるアナログシンセによるコズミック感を打ち出しジャーマンプログレを意識したローファイなアンビエントまで、Kompaktの快適性やポップなセンスは保ちつつも各々が考えるアンビエンスを鳴らしておりました。シリーズもこれだけ続くと尻すぼみになるのは少なくありませんが、常に新たなる才能が集まるKompaktならではの質の高いアンビエントコンピレーションとなっております。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motor City Drum Ensemble - L.O.V.E. (Remixes) (Studio !K7:!K7285EP2)
Motor City Drum Ensemble - L.O.V.E. (Remixes)
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!K7が手掛けるMIXCDシリーズ"DJ-KiCKS"は担当したアーティストの新曲を収録する事が恒例ですが、ドイツのディープハウサーであるMotor City Drum Ensembleも自身の"DJ-KiCKS"に新作である"L.O.V.E."を収録。更にそこから発展してデトロイトの新星・Kyle Hall、Kompaktの総帥でもあるミニマリスト・Wolfgang Voigt、Underground Quality等からもリリースしているハウスユニット・Smallpeopleを招いてのリミックス盤もリリースしている。最近著しく高い評価を獲得しているKyle Hallのリミックスは、極度にコンプレッサーをかけ -例えばTheo ParrishやOmar Sのように- 金属が錆び付いたような鳴りを強調している。音質が悪くさえ聴こえる程にグシャッと潰しながらも、しかしメロウなパッドも被せたデトロイト仕様で低温で燻りつ続ける火のような温かさが感じられる。そしてWolfgang Voigtは当然の如くミニマル仕様かと思いきや、ブルージーなディープハウスを披露していて意外にもこれが一番デトロイト・ビートダウンな作風になっている。正確な4つ打ちのミニマルなリズムの上をシンセストリングスが郷愁の旋律を奏でていて、非常にしっとりとしたハウスだ。Smallpeopleは透明感のあるエレピのリフを生かしたテックハウスで、しかし足元ではアシッドハウス風のベースラインも主張していて、デトロイトとシカゴを行き交うオールドスクールな味が効いている。三者三様にエモーショナルな空気も醸しだしており、MCDEの味を受け継ぎつつ上手くアップデートしているナイスな一枚。

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| HOUSE7 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2011 (Kompakt:KOMCD87)
Pop Ambient 2011
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トンネルを抜けるとそこは雪国だった…訳ではないですが、先日は東京にも雪が積もってびっくりです。そんな厳冬の最中にひっそりとやってくるモノと言えばやはりこれ、Kompaktが送る冬の恒例アンビエントシリーズ。"2001"から始まり10年を経て遂に"2011"の11作目に到達。10年もの長い時間が経てばレーベルがぶっ潰れたりシリーズもいつの間にか忘れられたように消滅なんて事も珍しくないですが、Kompaktは半ばドーピングのように外部からアーティストを招いてシリーズを継続させております。本作でもAlva Noto(Carsten Nicolai)、Marsen Jules、ニューカマーであるBhutan Tiger Rescue(実はEwan Pearsonのユニット)やCratoやBarntらを呼び込み新風を吹かせつつ、同時にKompaktの主要アーティストであるThomas Fehlmann、Wolfgang Voigt、Jurgen Paapeらも新曲を提供し、鎮魂歌の如く霊験あらたかなアンビエントミュージックを変わらずに聴かせてくれております。柔らかいアコースティック調から電子の粒子が散乱する幻想的なアンビエント、そして交響曲を取り込んだ荘厳な異色作までアーティスト毎に特徴のある音が詰まっておりますが、"Pop Ambient"と言うタイトルに違わずにボーッと何も考えずに垂れ流しにしているだけで和めてしまうポップさは当初から変わっておりません。炬燵と蜜柑と、そして"Pop Ambient"があれば寒い冬も大丈夫。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/12/28 Killing Joke @ 青山蜂
火曜日と言うど平日ですが当日でようやく仕事納め、そして久しぶりに友達の國枝志郎さんがオールナイトのパーティーで回すので、青山蜂に遊びに行ってきました。蜂は2〜4階までフロアがあり、今回は4階にほぼ居座る事に。そこは絨毯が敷き詰めてあり靴を脱いで寛げるラウンジ風な場所で、DJがかける曲もダンスミュージックから外れた緩めの音が中心。國枝さんの前まではSky Records(ジャーマンプログレのレーベル)やECM(ジャズの名門レーベル)等、その他色々ジャズやらラウンジ風やら気の抜けたロック、ファンクなど踊る事を要求しないリラックスした雰囲気のある選曲だったかな。他のお客も絨毯でゴロリとしながら皆で団欒していて快適な居心地。
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| EVENT REPORT3 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Wolfgang Voigt - Freiland Klaviermusik (Profan:PROFAN CD 9)
Wolfgang Voigt - Freiland Klaviermusik
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2008年にProfanを復活させたWolfgang Voigtが、2010年遂に同レーベルからアルバムをリリース。Profanと言えばKompakt設立へのきっかけともなった前衛的なミニマルを追及するレーベルでして、90年代のミニマルを最も革新的に推し進めたであろう経歴があります。そして2010年においてはミニマルと言えばミニマル、しかしながら最早クラブミュージックとは言えない現代音楽にまで足を踏み入れてしまった様です。のっぺりした4つ打ちキックの上に、機械的・ランダムに演奏されたかの様なピアノが淡々と鳴るだけのミニマル。一切の感情を排しあくまで何かの理論に沿ってでも演奏されているのでしょうか、明確なメロディーや美しい旋律も無く、淡々と無表情にピアノの音色が配置されております。この作品はクラブで聴く事があるのか、現状では自分では全くそんな事が想像出来ません。これで踊る事も出来るのか、それも難しいでしょう。天才のやる事は時として一般人の理解が及ばない事は多々ありますが、今回は正にそれ。Wolfgang Voigtは一体どこへ向かおうとしているのか、それは本人にしか分からない。

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| ETC3 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Pop Ambient 2010 (Kompakt:KOMPAKT CD 77)
Pop Ambient 2010
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毎年この時期恒例のKompaktが送るアンビエントシリーズ"Pop Ambient"も遂に10作目。シリーズ物と言うのは継続する事に飽きが来たり質が下がったりするのは珍しくない事ですが、そこは流石Kompaktだけあって毎回高品質を保っております。勿論レーベルのボスであるWolfgang VoigtとJurgen Paape、The Orb、Thomas Fehlmann、Dettinger(まだ音楽活動してたの?)らのベテランが参加しているのがその理由の一端でもありますが、それ程知名度が高くないアーティストからも良質なトラックを掘り出してくるのがKompaktの実力でしょう。特に2曲も収録されているBrock Van Weyは17分にも及ぶ長尺なアンビエントを提供しているのですが、アンビエントと言うよりももはや教会で流れる荘厳な讃美歌の様でもあり、神への祈りや讃えと言った情景が浮かんできます。これぞ聖なる(静なる)音の波、安堵と平静をもたらします。他のトラックも全てノンビートで、アコースティックな音色と電子音が混ざり心もほっこり温まる優しさと牧歌的なおおらかさがあり、家に籠もって耳を澄まして聴くのがベストでしょう。

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| TECHNO7 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Studio 1 - Studio Eins (Studio 1:STUCD1)
Studio 1-Studio Eins
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ミニマルテクノの極北・Basic Channelと並ぶケルンミニマリズムの最高峰・Mike InkことWolfgang Voigtの廃盤が今年になってリイシュー。近年はKompaktの運営に忙しいのか音楽制作の方はのんびりですが、かつては多数の変名を使って尋常ならざる量をリリースしていたMikeさん。それでもどの作品も高水準を保っているのだからやはり天才ですが、このアルバムも当然ミニマルを極めております。うむうむ、以前から所持していた割には余り聴き込んでいなかったので気付かなかったけど、同じミニマルと言うジャンルでも最近のミニマルよりもっと直線的でシンプル。一見簡素でスカスカな構成と無味乾燥な音作りなので単調にも感じるのだけど、カチッとしたリズムには鈍くもファンキーな渋さがあります。隙間の美学と言うかどこまでマイナス出来るかと言う挑戦をした作風で、地味ながらもミニマルのグルーヴにずぶずぶとはまるドープさが肝。アルバム単位で聴いて面白いかと言われると答えには困るけど、やっぱりクラブでミックスとかに使用すると有効なのは言うまでもないですね。家で聴いていると微妙にテンション落ちると言うか、ずぶずぶと内なる精神世界に引き篭もりそうでやばい。

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| TECHNO6 | 07:50 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Gas - Nah Und Fern (Kompakt:KOMPAKTCD66)
Gas-Nah Und Fern
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今まで高い金出してオークション等で購入してた人は、涙目だな?え、おい?Mille Plateauxが倒産したせいで、Gasのアルバムは一枚4000円とかで取引されてたんだよね。それがオリジナルアルバム四枚セットの完全コンプリートセットで、リマスターもされて4000円程度でリイシューされたんじゃコレクターにはたまったもんじゃないわな。ちなみに僕はオリジナル盤全部持ってるんだけど、このセットが余りにも安いから購入しちゃったよ。ちなみにオリジナル盤はMille Plateauxが倒産する前に全部揃えてたから、金を積んで揃えた訳ではありません。

でGasとは誰かと言うと、現KompaktのボスであるWolfgang Voigtで、古くはLove Inc.とかMike Inkとか他に何十種類の名義でヒット作を飛ばしていたドイツテクノ重鎮です。激ハードなアシッドからミニマル、アンビエントなど幅広い作風で活動し、またKreisel 99と言うレーベルからは一年に渡り毎週EPをリリースすると言う物議を醸し出した運営を行う等、とにかくテクノを聴く上で絶対に外せないアーティストな訳ですよ。

さて"Gas"、"Zauberberg"、"Konigsforst"、"Pop"をセットにした本作、どこを切っても金太郎飴の様にミニマルアンビエントな作風。どれを聴いてもどこを聴いても大差は無し。まるでハートビートの如くズンズンとダビーなキックが続く中、チリチリのノイズや霧靄の不明瞭なシンセが上乗せされたアンビエンス漂うミニマルで埋め尽くされております。特に曲名は付けられておらずどれも10分前後の大作が多いので、アルバム四枚を通して聴いているとどれも一緒に聴こえてしまう位やっている事は一緒な作品群。じゃあつまらないかって言うとそんな事はなく、例えるなら終わりの無い夢の中をさ迷う様な快適さが待っていて、永遠に夢から覚めなければとさえ感じます。こんなの誰でも出来るじゃんと思う人もいるかもしれないけれど、コロンブスと一緒でやった者勝ち。Wolfgang Voigtは天才です。最近はKompaktの運営が忙しいのか、音楽活動が控えめなのが残念ですね。また何かアルバムをリリースしてくれたらと思います。

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| TECHNO6 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2008 (Kompakt:KOMPAKTCD62)
Pop Ambient 2008
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今日のWBC世界バンタム級タイトルマッチでの長谷川穂積の紹介のコメントが、これぞ"本物"、これぞ"リアルボクシング"。明らかに亀田家を揶揄する様なコメントで苦笑しましたが、確かに長谷川が本物なのは正しい。さて亀田家に対してはもちろんTBSが視聴率を取る為に誇張しすぎな点が悪いんだけど、それ以上にTVで放送される事を鵜呑みにする日本人が多すぎるってのが問題なんだろう。それは別にボクシングだけじゃなくて音楽もそうだし、グルメもそうだし何でもそうなんだけど、自分で探す事を諦めて与えられる情報を疑いもなく信じる人に疑問を感じる。まあ企業などにとってはその様な簡単に扱いやすい人がいないと商品が売れなくて困るだろうし、社会的にはその様な人達の方が貢献してるのかもしれないけれど。

話は全く変わりまして毎年年末になるとリリースされるKompaktのアンビエントシリーズの最新作。アマゾンでCD版を注文したんだけど最初は何故かレコードが送られてきて、交換を頼んだら2回目もレコードが送られてきてちょっとむかついた。なのでリリースは一ヶ月程前だけど、手にするのに結構時間がかかってしまいました。特に説明は必要も無いと思いますが、ノンビートな霧靄系のアンビエント全開。凍てつく雪に覆われた山奥の小屋の中で、ひっそりと暖炉の前に居るような温かさが感じられる優しい音。Wolfgang Voigtが一曲提供してくれているのが、ちょっと嬉しかった。

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| TECHNO5 | 21:50 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Kaito - Contact To The Spirits (Kompakt:KOMCDJ002)
Kaito-Contact To The Spirits
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キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
このアルバムの情報が上がってからずっと楽しみにし、そして期待していたKaitoことワタナベヒロシが手掛けるKompakt音源のみを使用したスペシャルなMIXCD。もうKompaktに関しては説明など必要ない位に現在のテクノシーンの中心にある存在で、テクノのみならずハウス、トランス、ミニマル、ディスコ、アンビエントなどの要素を果敢に取り入れ、商業的な面よりも音の本質を追究する事に信念を置く今最も世界で信頼の於けるレーベルです(それと言うのもレーベルオーナーかつアーティストでもある、Wolfgang VoigtやMichael Mayerの選球眼のおかげであります)。そしてそんなKompakt、そしてKompakt傘下のサブレーベルの音源を使ってKompaktを代表するアーティストまでに成長した日本のワタナベさんがMIXCDを作ったなんて、本当に心から嬉しく思います。まあ当然と言えば当然だけどこれだけの条件が揃って悪いMIXCDなんて出来る訳もないですが、改めて聴いてみると期待を上回る程に素晴らしいです。色々な音が入っているから説明は難しいんだけど、空気感のあるテックハウスやらダークなミニマルやら幻想的なアンビエント、サイケデリックなディスコハウスまで、正にKompaktの総集編とでも言うべき内容です。しかしKaitoと言うフィルターを通す事に因りどこを取ってもメランコリックで情緒的な雰囲気が満ちていて、ある種トランスにも似た高揚感をテクノにもたらしていますね。ライナーノーツでMichael Mayerは「Kaitoがトランスの汚名を払拭した」と書いてますが、このMIXCDを聴けばその意味が分かるかと思います。またこのMIXCDの為に新たに制作した"Everlasting(Dub Mix)"は、よりダビーさを増した空間処理が幻想的で息を飲む美しさです。ますますKaitoは神懸かってきてますねー!とにかく今テクノを聴くなら絶対Kompakt、そしてこのMIXCD。これらを聴かずして一体どんなテクノを聴くの?と問いつめたい位です。もちろん現在の時流の音ではあるけれど、ただの流行で終わるレーベルでも無い事は音を聴けば分かります。

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| TECHNO5 | 22:30 | comments(4) | trackbacks(2) | |
Thomas Fehlmann - Honigpumpe (Kompakt:KOMPAKTCD59)
Thomas Fehlmann-Honigpumpe
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やっと注文していたThomas Fehlmannの新譜が届いたけど、予想以上にかっちょいいな。Kompaktってどんだけ〜?全く次から次へと素晴らしいテクノミュージックを、しかもアルバムでリリースするんだからそのレーベルの層の厚さには驚きですよ。さて、取り敢えずThe OrbのAlex PatersonやBasic Channelとも交流の深いベテラン中のベテラン、Thomas Fehlmannだけれどもその交流の為かやはりダブやアンビエントを基調にしつつ幻想的な空間を創り上げています。幻想的と言うとただ気持ち良いだけなイメージになりかねませんが、それ以上にここで聴ける音はトレンドとは全く関係の無いピュアな美しさ。以前から音の美しさ、音響の奥深さには定評があったけれど、彼が歳を経る毎に輝きを増すのはほんと異常な位。流行と共に消え去ってしまうアーティストが多い中、確実に自分の音を確立し音響美に磨きをかけてきたのでより輝きを増すのでしょう。Gas(=Mike Ink=Wolfgang Voigt)+The Orb+Basic Channelみたいなダビーでアンビエントなミニマルのテクノ…って、どんだけー?(良い所取りなんだよと)。よく見たらマスタリングはPoleことStefan Betkeじゃん、ここでもBasic Channel繋がりね。とにかく朝靄の中に迷い込んだ様な幻想的な景色が浮かんでくる新作は、またまたKompaktファンを増やす要因となる事でしょう。

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Check "Thomas Fehlmann"
| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Reinhard Voigt - Premiere World (Profan:PROFANCD6)
Reinhard Voigt-Premiere World
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実はKompaktのボスはMichael Mayerではなくて、裏番としてケルンミニマリズムの最高峰・Mike InkことWolfgang Voigtがいるらしい。まあ実際そうなんだろう、だってKompaktが軌道に乗ってからはWolfgang Voigtの活動ペースは全くと言って良い程落ちているし。しょうがないのでWolfgang Voigtの実弟・Reinhard Voigtでも如何でしょうか。Wolfgangが立ち上げたProfanレーベルの最後の作品は、Reinhardの極上のアンビエントアルバムなのです。それまでのProfanと言うとThomas BrinkmannとかM:I:5名義のWolfgangらの究極のミニマルアルバムが出ていましたが、何故か最後のReinhardはアンビエントと言う不可思議。静かな佇まいの中、細切れに散布した金属片に光が乱反射する様に音が煌めいて、非常にゆったりとした時間が流れています。これって現在のKompaktの「Pop Ambient」シリーズ(過去レビュー)にも通じるドリーミーな感じもあったりして、2000年にもこんな作品を出してたんだーと驚きがありました。有無を言わさずノンビートアンビエント作品では、かなり上位に位置する物で最近寝る時に手放せませんな。そう言えば兄のWolfgangもGas名義で最高のアンビエントアルバムを出しているし、兄弟揃ってミニマルとアンビエントの才能があるんだね。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Pop Ambient 2007 (Kompakt:KOMPAKTCD54)
Pop Ambient 2007
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ここ数年ドイツテクノシーンで絶好調の活動を見せるkompaktの名シリーズ「Pop Ambient」の季節がやってきました。Kompaktのミニマル+ダビー+テクノな作風は、現在のシーンに多大なる影響をもたらしたと言っても過言ではない位ですが、Kompaktの側面にはポップでアンビエントなホームリスニング的作風もある訳でありまして、その集大成が「Pop Ambient」なのですね。もうこのシリーズは幾度か紹介しているのでこれ以上の説明も不用だとは思うのですが、シリーズを重ねても質は落とさずに出し続けてくれるので本当に有り難いです。今作では久しぶりにWolfgang VoigtことGas(Mike Ink)が新作を提供しているのですが、ドローンとした迷宮的ミニマルアンビエントは変わり映えはないけど最高です。流石Kompaktの裏番長!またMarkus GuentnerやThomas Felhmannらお馴染みの面子も、深い霧の中に迷い込んだ深淵なアンビエンスを奏でるし、Marsen JulesやThe Fieldは開放感溢れポップなメロディー炸裂の陽気な心地良さを提供しています。アンビエントと言われる作品は数あれど、ここまで質の高さを誇るシリーズは他にないんじゃないかな。下手にしょうもないアンビエントなアルバムを探すより、「Pop Ambient」シリーズを買っておけば間違い無し。これを聴かずして冬は越せないですよ。

Pop Ambient 2006の過去レビュー
Pop Ambient 2005の過去レビュー
Pop Ambient 2004の過去レビュー


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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Michael Mayer - Immer (Kompakt:KOMPAKTCD15)
Michael Mayer-Immer
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先日紹介したPop Ambientシリーズをリリースするドイツのテクノレーベル・Kompaktは、ミニマリズムを追求したWolfgang Voigt(Mike Ink、Gas)とMichael Mayerによって運営されています。前者が近年は活動していないので、現在のKompaktの表だった指導者はMichaelと言う事なのでしょう。2002年にリリースされたこのMIXCDは、今思うとその後のKompaktの路線を示唆する物だったのかもしれないですね。Kompaktが主力とするのはポップなアンビエントと、そしてケルン系と言われるミニマルテクノ・ハウス。このMIXCDでは後者のミニマルなテクノ・ハウスを、俺らが最前線だと言わんばかりにがっちり披露してくれています。展開はなるべく抑えて反復を繰り返す曲が繋げられ、途切れの無い心地良い流れを作っていますが、Kompaktが提唱するのはそれ以上の事。決して味気の無い展開になる事はせず、色気のある反復シンセ音が入っていたり、時には情緒的で浮遊感のあるウワモノが入ってきて、トランシー(トランスとは違います)さも表現出来ています。クリックハウスだとかも言われてるMIXCDですが、それ程クリッキーではないし(そもそもKompaktはクリックハウスに興味なさそうだし)普通にテックハウスって感じかな。上げすぎる訳でもなく緩すぎる訳でもなく、その中間をふわふわ行く具合が気持ち良いですね。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tobias Thomas - Fur Dich (Kompakt:KOMPAKTCD04)
Tobias Thomas-Fur Dich
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ドイツテクノ帝国の牙城、KompaktをDJとして支えるTobias ThomasのファーストMIXCD。殆ど楽曲は手掛けていないようですが、DJとしては人気があるようでKompakt系のイベントで何度か来日しています。やはりKompakt系列のアーティストなのでディープめのテクノをこのCDでも回しているのですが、前半は大変地味ですね。あんまり踊りやすいとも言えないダークなテクノが続いて、中盤辺りからテンションも上げてミニマルハウスを投入。しかし「Deux」辺りで心地良い流れになってくるも、「Autechre Rmx」のつんのめり系のトラックで肩すかしを食らいます。と思ったら田中フミヤのトラック「Go Out」を被せてきて渋めのミニマルで盛り上がり、「Nachschub」の覚醒的ディープミニマルでうっとり心地良いですね。その後はアフターアワーズ的に緩いムーディーなテクノで終焉を迎えますが、なんでしょうね、このモヤモヤな気持ちは。大きなうねりもなく良い所で盛り上がったと思ったらすぐ下げられて、不完全燃焼な気がします。ロングセットでもっと聴ければ変わってくるかもしれないですが、これだけだったらDJプレイを聴きに行こうとは思わないですかね。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Burger / Ink - [Las Vegas] (Matador:OLE 334-2)
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世の中は広い物で自分の知り得ない音楽と言う物は一杯あります。絶え間なく新しい音楽は発信され続けているので、時として良質な音楽まで見落としてしまう事もあります。今回はたまたまケルンミニマリズム特集を組んでいた「びびんば」さんのHP、acid over the rainbowで良い音楽を発見致しました。

このユニットはJorg BurgerとMike Inkから成るユニットで、ことMike Inkに関して説明すると膨大な量になるので大変だ。本名をWolfgang Voigtと言い、別名義にLove Inc.、M:I:5、Studio 1、Gasなどがあり作品の性質ごとに使い分けているようです。一般的にはLove Inc.のR.E.S.P.E.C.T.なんかはハードアシッド作品でかなり有名なんじゃないでしょうか。またGas名義ではMille Plateauxからスモーキーな音響アンビエントを発表したり、M:I:5名義ではケルンミニマリズムと呼ばれるスカスカなのに独特のグルーヴを感じさせる作品を発表してました。しまいにはKreisel 99と言うレーベルから毎週EPを出し続け、結局一年間で52枚のEPを出すと言う偉業を成し遂げたのであります。

まだまだ彼に関して語ると長くなってしまうので、これ位にしましょう。実際このアルバムに関して言うとハウス+ミニマリズムな感じで、体に響く強烈なビートと言う物はありません。むしろ柔軟で包容力のある音が、心臓の鼓動の様に一定のビートを保ち振動を続けます。ミニマリズムを極めた者こそが出せるこの変化のない繰り返しの高揚感が、いつの間にか思考回路をストップさせ夢うつつな世界に引っ張り込んで行きます。新作と言われても知らなければ気づかない程、現在のKOMPAKTなどとリンクしている音だと思います。早すぎたミニマルハウスの隠れた傑作。

Check "Wolfgang Voigt"
| TECHNO1 | 21:43 | comments(1) | trackbacks(1) | |