Yourhighness - Stratofortress (CockTail d'Amore Music:CDA021)
Yourhighness - Stratofortress

テクノやハウスだけではなくディスコやアンビエントにまで手を広げながら異形な作風を展開するCockTail d'Amore Musicは、アンダーグラウンド性を伴いながらもこれからを期待させるアーティストを送り出してきている。過去にはBorn Free RecordsやRett I Flettaといった同様にアンダーグラウンドなレーベルから、破壊的で鈍い響きのアシッディーかつロウなテクノ/ハウスをリリースしているYourhighnessが、2018年2月頃にCockTail d'Amoreからリリースしたのが本作。オリジナルは"Stratofortress"の1曲のみだが、リミキサーにBorn Free主宰のSamo DJとエクスペリメンタルなモダン・テクノを作るRroseに、今や世界規模での評価を獲得した日本からのGonnoが名を連ねているのだから、内容に不足は無いだろう。"Stratofortress"はYourhighnessの過去の作風を踏襲したアーティストに期待する内容そのもので、鈍く野暮ったいキックがどっしり4つ打ちを叩き出しつつ鈍いアシッド・ベースがマシンガンの様に連打しながら現れ、そして金属的な鳴りのパーカッションも加わわって低温な空気感で退廃して狂った世界観を展開するテクノ・トラック。じわじわと微細な変化を付ける事で途切れない陶酔感を引き出し、ツール性に特化したロウ・アシッド・テクノは完全にフロアの狂騒の中にある。対して"Samo DJ Remix"は崩れたリズムがブレイク・ビーツとなり非常にグルーヴィーに揺れ爽快なハンドクラップも相まって実に躍動感に溢れているが、朧げで酩酊感のある呟きや金属が捻れるような奇怪な電子音が不気味さを醸し、こちらもトリッピーなテクノとして良い感じにぶっ飛んでいる。"Rrose Remix"は落ち着いた感もゆったりしたドラムのビートから始まりドローンにも近い電子音を被せて、所謂ディープな響きによって深く闇の中を潜航する音響テクノだが、次第にリズムも走り始めて1曲の中でじわじわと盛り上がっていく構成が演出されている。そして最後の"Gonno Remix"、やはりというか特に個性的なリミックスはスローモーながらも金属的な厳ついリズムがずんずんと沈み込み、歪んだアシッド・ベースが止めどなく牙を剥くロウ・アシッド・テクノはどこかインダストリアルな荒廃した雰囲気があり、一寸の光も見させずに闇で支配する狂気なりミックスだ。どの曲もアーティストの個性が表現されながら、全体的にマッドな作風で良い感じにフロアを狂わせてくれるであろう。



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| TECHNO14 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |