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Pacific Breeze Japanese City Pop, AOR & Boogie 1976-1986 (Light In The Attic:LITA 163)
Pacific Breeze Japanese City Pop, AOR & Boogie 1976-1986
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近年日本のジャパニーズ・アンビエント/ニューエイジの掘り起こしの勢いには目を見張るものがあるが、その代表的なコンピレーションである『Kankyō Ongaku (Japanese Ambient, & New Age Music 1980 - 1990)』(過去レビュー)を手掛けたUSのLight In The Atticは、それ以前にも例えば細野晴臣の複数のアルバムを復刻しており日本の音楽に興味を持っていた事は間違いないだろう。そんなレーベルが続いて送り出したシリーズは、日本のシティ・ポップやAORとブギーに焦点を当てた「Pacific Breeze」シリーズ。その第一弾となる本作は1976〜1986年に制作された日本産の音楽で、細野晴臣、大貫妙子、吉田美奈子、高橋幸宏、鈴木茂、高中正義、井上鑑、佐藤博、松任谷正隆、F.O.E.、石川鷹彦、惣領智子、佐藤奈々子、小林泉美、阿川泰子、当山ひとみ、豊島たづみの曲がコンパイルされている。ジャケットを担当したのは大滝詠一の『A Long Vacation』のアルバムカバーも手掛けた永井博で、バックに澄んだ青々しい空が広がるリゾート地のような絵も完全にシティ・ポップの雰囲気そのもので、聞く前の雰囲気作りからして完璧だ。しかし何故、今更日本のシティ・ポップやAORなのか。暗くどんよりしたムードと閉塞感が続く世の中で、キラキラとしたクリスタルな感覚を持つポップな音楽がそういった暗雲を少しでも振り払ってくれるからだろうか。そんな仮定を抜きにしてもこの古き良き時代の日本の音楽は、海外の音楽を咀嚼しながら当時まだ新しかった電子楽器と生演奏を匠に融合させ、お洒落で日本独特のポップな感覚に昇華しており、実は時代が移り変わろうとも色褪せない普遍的な魅力を持っていたのだ。佐藤のヴォコーダーを用いた歌に爽やかなギターカッティング、そしてブレイクでのフュージョン的な鍵盤ソロなど都会的で洗練された音を聞かせる"Say Goodbye"、そして甘ったるくもきざな歌と煌めきを感じさせるシンセが魅力的な高橋の"Drip Dry Eyes"等は『Pacific Breeze』の雰囲気に最適でシティ・ポップの魅力を実直に伝えてくる。しかし本盤を聴き通してみるとシティ・ポップと一口で言っても多様な要素が存在しているのが分かり、スティール・パンの乾いた音が可愛らしく腰に来るリズム感がファンキーな高中の"Bamboo Vender"はラテン・ジャズ・ファンクだし、電子音とパーカッションも用いてエレクトロ的なリズムを叩き出すF.O.E.の"In My Jungle"は土着ファンクで、阿川の艷やかで夜のアダルトな空気が滲む"L.A. Night"はアーバン・ソウル、小林のトロピカルやファンクも咀嚼した"コーヒー・ルンバ"のエキゾチック感と、海外からの時流の音を貪欲に取り込みながら日本の都会的な音として表現している。またこのコンピレーションでは女性アーティストの曲が多い事も印象的で、情緒たっぷりで切ないディスコ・クラシックである吉田の"Midnight Driver"からゴージャスな音使いと魂が叫ぶような和製ソウルな豊島の"待ちぼうけ"、フルートの朗らかな音色に引かれてブラジリアン風なリズムが爽快でポップな大貫の"くすりをたくさん"等、特に女性の声がこのジャンルに合っているように感じられる。電子楽器やエキゾチカも取り込むなど先鋭的な感覚を持っていたこれらの音楽は、そしてネオンライトに溢れる都会的なキラキラした輝きもあり、非常に時代性の強い音楽であり懐古的な気分になる事は否めない。しかし、その魅力は普遍的なものだからこそ現在に於いて再度評価されるのだろう。ああ、何だか懐かしいクリスタルな日々が目の前に浮かび上がってくるようだ。



Tracklistは続きで。
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| ETC5 | 12:00 | comments(0) | - | |
Yukihiro Takahashi - Once A Fool / HQCD (PONYCANYON INC.:PCCA.50076)
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ついでに高橋幸宏の過去の名作も音質アップでリイシューされているので、特に好きな一枚を紹介してみる。本作は1985年作で、今までと制作環境を変えてカシオ製のシンセを使用して製作されたアルバムだそうだ。自分はシンセオタでは無いので音の違いとかはよく分からんが、デジタルな音ながらもレトロ感と温かみが感じられる音色が鳴ってますね。80年代風の打ち込み音楽(生ドラムも使用されていると思うが、もはや判別不可能)は、ちょっとチープなんだけどその不自然な音が格好良いですね。そして何よりも本作は彼の作品の中でも特に感傷的でナイーブな雰囲気が強く、ちょい悪親父が背中で泣いている様なイメージが浮かんできます。いつもは楽観的でのびのびと甘い声で歌う高橋氏も、ここではどこかしんみりと切なさを漂わせていて涙がほろりとこぼれそうです。決して悲しくなる様な音楽ではないですよ。なんか卒業シーズンとか送迎会とかのあの感じ。ポップな歌物ではあるんだけど、明るくて弾けるんじゃなく夜に一人でしんみりと聴き入りたい様な。優しさに包まれる名作です。



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| ETC3 | 01:00 | comments(5) | trackbacks(0) | |
Yukihiro Takahashi - Page By Page (東芝EMI:TOCT-26798)
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唐突ですが海外のクラブミュージック雑誌・DJ Magで、世界のトップクラブ100の4位に日本のWOMBがランキングされてるんですよ。えっえっえっ?み、見間違いじゃないんだぜ?これが事実なんだから、まじ何をとち狂ってるんだ?せめて評判の良いPRECIOUS HALLとかなら、まだ理解出来るんだけど。上位にはBerghainやFabricもランクインしているんだけど、WOMBが4位だと逆に上位のクラブも信頼出来なくなってしまうな。まあ好きな人は行けば良いと思うよ。

自分が歳をとって親父になるなら、高橋幸宏みたいな渋くて格好良い親父になりたいです。声も素敵だし服装もお洒落だし、髪が薄くたって格好良い。そして彼の音楽も大好きです。ソロアルバムは新作で22作目とかなり多作なお方ですが、時代に合わせて音を変化させながらもポップなセンスは失わずに彼らしい音を作り続けております。新作は前作とほぼ同じ路線のエレクトロニカを土台にした高橋流ポップミュージック。Sketch ShowやHASYMO以降の電子音を多用しながらもアコースティック風な優しい音色を聴かせると言う点に関しては特に変わりはなく、特に目新しさも斬新さも無いけれど良い曲が書けているのでそれだけで十分なのです。クレジット見る限りだと制作の多くはプログラミングが重視されているみたいなんだけど、そう言った人工的なイメージは感じさせず手作り感の強い音になっているのも、ポップなセンスには合っていると思います。音の選び方のセンスが良いって言うのかな、日本のJPOPなんか聴いていると音がごちゃごちゃしていたり下品になり過ぎたりしているのを感じるけど、高橋氏の音は洗練されてはいるけれど、かといって崇高過ぎる訳でもなく親近感のある音みたいな。ヒーリングと言ってしまうと陳腐に成り下がってしまうが、まあ癒し系の音楽と言っても差し支えないような牧歌的なポップミュージックだと思う。Atom Heartや元JapanのSteve Jansen、Corneliusら高橋氏と馴染みの深いゲストも参加しておりますよ。



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| ETC3 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Yukihiro Takahashi - 音楽殺人 (King Record:KICS1141)
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今まで買おうと買おうと思っていて、放置していたこのアルバム。近頃デジタルリマスタリングされて、紙ジャケ仕様で再販されたので良い機会だと思い購入しました。今これを聴いて思うのはYMOの中でPOPな役割を持っていたのは、やはり高橋幸宏だったのかなと言う事。80年代歌謡曲の様に底抜けに明るく、POPSを何の躊躇いもなく披露しています。YMOもテクノポップだったのですが、そのポップさは高橋が演出していたのでしょう。このアルバムでもシンセは多用されていますが、不思議とYMO程テクノ感は感じられません。むしろ古いロックバンドやニューウェーブのダークな味がじわじわと滲み出しています。ダークなのに底抜けに明るく、そして時々どこか不協和音の様に微妙にずれたメロディーも飛び出し一筋縄では聴かせてくれません。何よりも僕は高橋のボーカルが好きです。ナルシストっぽい歌い方と言うか、クセがありますが最高におしゃれです。最先端のテクノポップをおしゃれに演出した高橋は、今でも最高に格好いいおしゃれな親父です。今も昔も格好良い親父なのです。



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| ETC1 | 23:00 | comments(6) | trackbacks(3) | |