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BEST OF 2019
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。今年は昨年以上にBandcamp等の配信での購入量が増え、聴き込めていない音源がどんどん溜まっていくなど、もはや配信地獄と化している状況。音楽業界自体が決して栄えているわけではないにも関わらず、配信のおかげでリリースが容易になり世に放たれる音楽の量は増え、素晴らしい音楽に出会える機会は過去以上に思う事も。ただクラブへと足を運ぶとフロアの隙間が大きく寂しい状態だった事も少なくはなく、特に真夜中に出歩いてパーティーへ赴く人が減っているのは、健全なのか活気が無いのか。当ブログの以下に紹介したベストでもテクノ/ハウスは殆どなくリスニング系が中心ではありますが、それでもクラブへ遊びに行った時の高揚感は別物で、パーティーでのDJによる素晴らしい音楽の世界と仲間との出会いはやはり現場に行ってこそだと思います。また来年もパーティーで踊りつつ、引き続き素敵な音楽を紹介出来たらと思います。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 09:30 | comments(0) | - | |
Yutaka Hirose - Soundscape 2: Nova + 4 (We Release Whatever The Fuck We Want Records:WRWTFWW028CD)
Yutaka Hirose - Nova + 4 (Extended Version)
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現在の世界的なジャパニーズ・アンビエントやニューエイジの再評価を著者がその当時に予見していたかまでは知る由もないが、2013年発刊の『Obscure Sound : Chee Shimizu (著)』(過去レビュー)には既にここ数年でリイシューされた前述のムーブメントに関わる重要な作品が掲載されており、結果的には筆者の審美眼は正しかった事を証明している。そして本作もその本に掲載された一枚でリイシューされる事が判明してからは話題となっていた重要作、それこそ広瀬豊による1986年制作の『Nova』だ。ミサワホーム総合研究所が住宅展示場で流す音楽として、日常住む上での快適な空間演出の為にと立ち上げた「Soundscape」シリーズの2作目であり、アンビエント/ミニマル/コンテンポラリーミュージックを含むサウンド・デザイン。本作制作時に広瀬が聞いていた音楽は当時のアンビエントの指標ともなったBrian Enoよりは、Obscure RecordsのDavid ToopやGavin Bryars、またはTangerine DreamやFaustらのジャーマン・プログレ、そしてECM等だったそうで、少なからずそれらから影響を受けた本作はフィールド・レコーディングやサンプリングを駆使しながらも確かに一言で環境音楽とだけで呼ぶ事は出来ない。水滴の落ちる音から始まる"Nova"、川のせせらぎや虫の鳴き声や透明感のあるシンプルなピアノやチャイムも加わると、鍾乳洞の空間が眼前に広がるサウンド・スケープを描き出しエレクトロニクスと自然の融合を果たす。"Slow Sky"も鳥の囀りの虫の鳴き声といったフィールド・レコーディングを用い、しかし音自体はスムースに繋がっていくのではなく点描のように散らばせながら、透明感のある単音として一つ一つの音が綺麗に主張するようだ。森の中で営まれる虫の生命の音から始まり、現代音楽のミニマリズム的なシンプルなシンセやチャイムの反復を行う"In The Afternoon"は長閑な田舎風景が想起され、間を活かした音の構造によってそこにイメージの膨らみを持たせるのだろう。水の流れる音が強調された"Humming The Sea"はピュアながらも何だか可愛らしく思われる電子音の反復に懐かしい子供時代のノスタルジーが感じられ、海で波と戯れる子供の姿が浮かんでくる。そして最後の"Epilogue"はアルバムのコンセプトである「自然音を用いたサウンドスケープ」に基づいた曲で、最初に自然音のサンプリングを組み立てそこにアコースティック/電子音を重ねていくという他の曲とは逆の工程で作られているが、これは最も雰囲気としてはアンビエント的であるだろう。そして今回の再発で特筆すべきは、『Nova』と同時期に制作された未発表音源が収録されている事で、4曲で約50分の長尺なアンビエントは『Nova』の打ち込み制作から自らの演奏に変える事で、メロディーやコードの制約から解放され音を追加しては消去し、音の彫刻を行っていくように制作されたと言う。その結果、より抽象性を増して空間に溶けて馴染んでいくようなサウンド・スケープやアンビエントのとしての性質は強くなっているように思われるが、また一方で寺院や仏閣の中で鳴っているような非日常の神秘性も獲得している。オリジナル音源、そして未発表音源どちらも正に言葉通りのSoundscapeで、イメージ力を沸かせる快適なBGMとなる。



Check Yutaka Hirose
| ETC4 | 17:00 | comments(0) | - | |